お笑いツーリング・レポート

鉄馬珍道中!

店主ナガハマが、バイクでかっ飛ばしたおまぬけツーリング・レポート。ライダーの皆さまのツーリングの参考には決してならないであろう、笑える部分だけを抽出したルポです。

●水戸偕楽園 黄門と「梅まつり」 ●伊豆方面 川奈で海鮮丼 ●南房総 館山温泉ツーリング
●成田山 おこぼれ交通安全祈願 ●焼津の半次で『でかプリン』 ●山中湖でフライングフィッシュ

●2003年3月16日 水戸偕楽園 黄門と「梅まつり」&イチゴ狩り

生まれて初めてのツーリング。いきなり「常磐道守谷SA8:30出発」と携帯メールを受け、「それ、どこよ?」と徹夜で地図を調べ、頭の中であれやこれやと、コースをシュミレーションする。高速に乗るのも遠出するのも、生まれて初めての体験だ。その守谷とやらへ、いったいどれくらいの時間がかかるのか皆目検討もつかない。余裕を持って、朝の5時30分に家を出る。まずは、首都高の渋谷料金所だ。おずおずと700円を払いながら、常磐道へのコースを聞くと「ああ、池袋回ってね。5号ね」と、おっちゃんは親切に教えてくれた。えっ、それって私のシュミレーションのコースとちゃうやん! いきなり不安になるが、ままよ、とへっぴり腰で5号に向かう。とにかく首都高の道は、あちこち枝葉がわかれ、「どんなスカタンがつくったんやねん!」と憤りを感じていた大阪環状線や阪神高速より難解だ。「どっちやねん」ときょろきょろしながら走ってると、ヒステリックにクラクションを鳴らしながらダンブがあおってくる。泣きそうになりながら、道なりを走っていると、頭上には『関越道』の看板が! 

なんでやねん! 急いで高速を降りて、再び首都高に乗る。料金所で「常磐道へは、板橋本町を曲がってね」と教えられ、少し走ると『板橋本町』の看板が見えてきた。おお!あそこを曲がるのだな、と快調にハンドルを切ると「うっそ! 道がなんか下がっていくやん!」。そう、そこは首都高の出口であった。ふらふら走っていると、『赤羽』だの『川口』だの、馴染みのない地名が出てくる。半泣きになりながら、交番に常磐道への行き方を聞きに行き、なんとか守谷に着く。ちぇ、首都高だけで、すでに2100円も使っちまったぜ。

ところで、私のグラストラッカーは、ハンドルが高く広いので、チビの私のライディングスタイルは、まるで捕らわれた火星人のようである(現在、はボルティー純正のハンドルを使用)。高速で100kmを超えると、思いきり風圧を受け、身体がスロットルもろとも後ろに反りかえるので、勝手にスピードが出て、気がつけば130kmをマーク。生まれて初めてのスピードに、顔がひきつる。しかし、なんとか水戸の偕楽園に着いて、梅見をしゃれ込む。園内には、さすが水戸! あちこちに水戸黄門関連のオブジェなどが点在しているので、頭の中では延々と「ああ人生に涙あり」がリフレイン♪

左・観光地のお約束。中・黄門を足げにするナガハマ。右・黄門チーズケーキ。1580円。

偕楽園内は、ちょうど梅まつりの最中で、人でわんさとにぎわっていた。しかし、梅まつりというと、思い出すのは『岡本正と梅まつり』。北山杉なんか、歌っていたなーと、しばし感慨にふける。と、どこらかともなく、水戸のご老公さまご一行が!!! 「あ、黄門や! 見て、こーもん! コーモン!」と叫び、狂喜する私をツーリング仲間は、とても迷惑そうな顔をして見ていたのが気にかかる。私はかつて「水戸黄門研究会」を主宰していたこともある時代劇オタクである。カメラを持って追っかけ、記念撮影してもらう。が、角さんと思われる人は、「なんだかなぁ」というさえない表情で、八兵衛と思われる人も、うっかりしてなくって残念。「お銀さんの入浴シーンはないんですか?」という質問は無視された。ふん。




しかし常磐道は、走っていると、どこからともなく牛の匂いがしてくるから不思議。ともあれ、生まれて初めてのツーリングは、帰り道、どしゃぶりの雨に見舞われ、泣きながら常磐道、首都高をかっ飛ばした。ところで、首都高とは、なぜにあのようにわかりにくい道路なのか? 計画性のまったくない私でも、もう少しましに作れるような気がするぞ。もしかしたらドライバーをかく乱し、通行料を増収するための策略なのかもしれない。