ああ、それでも生きていく私

実録! 日々是好日山荘

店主ナガハマがまぬけに生きる様を記録したノンフィクション。といっても、とりたててどうということのない、自己満足絵日記です。

●汚れゆく部屋 ●涙の水洗いキーボード ●未知との遭遇
●超なにわディープ見聞録


●汚れゆく部屋

窓辺に置いた椅子にもたれて、夕日を見る彼と別れ話をしたのは、ユーミン。私の窓辺には、飲み残しのコーヒーカップ。そしてそこには、緑色の胞子がびっしり自生した浮遊物がゆら〜り……。そう、私は掃除が大嫌いだ。どれくらい嫌いかといえば、3日徹夜で400字詰めの原稿を1000枚書くのと掃除かを選べと問われれば、迷わず徹夜を選ぶくらい嫌いだ。たとえば、5年半住んだ大阪のマンションでは、引っ越し時に「とりあえず、ここに置いておこう!」と、暫定的(のつもり)に置いた荷物が、5年半、微動だにせず、そこにあった。あのまま大阪は谷町九丁目のサンキビルに一生住み続けていれば、おそらく、あの荷物は一生そのままであったことだろう。廊下の端には綿ぼこりが積もり、その綿ぼこりを紡げば、セーターの1枚や2枚編むことは容易であった。もちろん、5年半、一度も掃除をしていなかった場所も1箇所やそこらではない。そおいえば、クライアントに貸した資料を返してもらったとき「とても参考になりました。でもね……ナガハマさん、これ読みながらせんべい食ってたでしょう?」なんてこともあったな(遠い目)。

そんなこんなで、東京・中目黒。引っ越しして10ヶ月。部屋が汚い! 床には紙やモノが散らかりまくり、目標地を定めてピョンピョン飛び石のように飛ばないと転んでしまう。仕事の資料の下からは、発酵が頂点に達したヨーグルトや屍のような果物の残がいも時折発掘される。テーブルの上にはモノがあふれ、とうとうそこで食事ができなくなった私は、新聞を広げて床で食事をしている。まあ、これも食事と情報収集が同時にでき、また、食べこぼしも新聞と一緒にたたんで捨てればOK! ついでに屈伸運動をしながら、新聞の文字のないところで、顔の脂なんかもとっちゃう・ (たまに頬にPanasonic高画質・長時間録画DVD! などどいう文字が印字されるのもご愛嬌)。なんて、合理的な生活だろう。しかし、食べこぼしを乗せたままの新聞をそのままにしておくので、よくけとばして、お菓子のカケラなどが散らばるのが痛しかゆし。

また、洗いものは、極力しない! コーヒーを飲んだ後のカップで、麦茶を飲むなら洗いもするが、またコーヒーを飲むのに、どうして洗う必要があるのだろうか。ご飯を食べた茶わんで、翌日ご飯を食べるのに、なぜ洗わなければならないのか? フライパンや鍋から直接食べれば、洗剤も水も使わなくてすむ。ああ、なんてエコロジカルな私。クリーンアップ・東京ベイ! オゾン層を守れ! 目黒川ばんざい!(意味不明)。こうして、地球温暖化現象阻止にいくばくかの協力をしているかと思うと、微力ながら、自分をほめてやりたい。しかし、部屋が汚い! ある日、見かねた友達が掃除にやってきてくれた。これはその部屋の変貌を記録した貴重なリポートである。


テーブルの上には、モノがあふれ、イスには取り込んだ洗濯物が累々と堆積する。ランチョンマットがわりの新聞紙の上には、お手製のラタトゥユ(美味)が入った鍋がでん! 写真では見えないが、もちろんシンクには、洗い物が詰まっている。しかし、窓からは恵比寿ガーデンプレイスと東京タワー。うーん、おっしゃれじゃーん(器は)。「前の持ち主が見たら自殺しよるで」(byサコカメラ)との声もあり。
にこやかにクイックルワイパーで掃除をするもみさん(求職中)。指示ばかりしているのもナンなので、私も掃除機をかける。私「あっ、ライター2個も吸い込んだよー」、もみ「それダメだってば」、私「あ、1個取れた。1個ぐらいいいやね、入ってても」、もみ「そおゆう問題ではないと思うぞ」、私「そおかなぁー、ああ掃除機のゴミ袋いっぱい」、もみ「替えてないの?」、私「うん! 一度も(元気に)」と、楽しく掃除は続く。

マイペットをたらして雑巾がけすると、まるで洗剤の『ガンコな汚れ落とし』のCMのように、鮮やかなコントラストを描いて汚れは落ちていく。私「あ、これって薄めて使うの?」、もみ「そうだよ」、私「なーるほど! 便利なもんやなぁ」って、オーナーは誰やねん、マイペットの! ああ、部屋が見る見るきれいになっていく。掃除って楽しいじゃん(見てる分には)。

めでたし、めでたし。

雑巾がけの後、店主の嬉しそうな「わー。裸足で歩けるー♪」という声を聞いて『来て良かったと思いました』と、もみさん談。

○もみさんの独り言

「掃除機に吸い込んだライターがそのままだと、清掃車が爆発すっかもよ」って言ったとき、店主はめんどくさそうに、「それはまずいかもなぁ」といいつつも、掃除機の電源は切らず、ライターの救出を断念しようとしたくせに、「あ、掃除機が過熱したらここで爆発すっかも」ってゆったら、そっこー掃除機あけてたのに呆れたワタクシでした。 部屋に入ったときの店主の第一声「あ〜。汚れるから、スリッパはいたほうがええで」に驚きましたが、掃除の後「わー。裸足で歩けるー♪」といって、その場でスリッパ脱いでペタペタ歩く店主はとてもかわいかったです(笑) 。しかし、私は、時々スリッパを脱いでいたせいか、家に帰って、足の裏を見たら、黒くなっていたのでよく洗いました。


Web永浜商店 掃除部発足! 部員募集中! 委細面談
入部テストは雑巾ダッシュ3本。タイム計ります。
監督:店主
部長:もみさん、りょーこさん(副部長)、カズさん(水洗係)、らぐさん(救援係)、みざきさん(組立係)
大阪支部:犬子さん(支部長)、とむぞうさん(料飲係)、サコカメラ(写真部)
長野支部:ロバくん(支部長・リネン係)
兵庫支部:うにくん(雑巾係)
佐賀支部:あきんこさん(支部長・POP係)