2002年8月19日(月曜日)
朝から退院の事務手続でバタバタ走り回る。ふと、談話コーナーを見やると、そこには同室の患者さんがいた。この人は、私と同じくらいに入院した人(以下おば)で、私が手術直後、傷の痛みでギャーギャー騒いでいたときに、隣で
おば「先生、お世話になります。これは、ほんの気持ちですので、受け取ってください」
Dr.「いや、それは困ります」
おば「すぐに渡さなかったので気を悪くなさったんでしょう」
Dr.「いや、そんなことないです。とにかく困ります」
おば「すぐに渡すべきだったのに、遅くなってすみません」
Dr.「いや、規則でそういうものはいただけないことになっていますので」
おば「いえいえ、そうおっしゃらずに」
Dr.「いや、とにかく規則ですので」
おば「いいじゃありませんか、気持ちですので」
Dr.「いえ、ほんとに……」
おば「まあまあまあまあ、ねっ!」
Dr.「……」
というような会話をしていた人だ。あんまりおもしろかったので、耳と目を思いっきり見開いて、意識を集中して聞いていたので、傷の痛みを忘れたほどだ。
で、ちょいいじわるな気持ちになった私は、
私「私、今日、退院するんですけど、やっぱ、先生にお礼とか、そういうのしたほうがいいでしょかね?」と聞いてみた。
おば「そうですね、前に入院していたときは、いくらか包んだんですけど、ここは都立なので、別にいいんじゃないですかね」
私「そういうのって最初に渡すべきものなんですか?私、入院って初めてでよくわからなくって」
おば「そうですね、入院してすぐ渡すみたいですね」
私「そおなんですかぁ」
などと、うわっすべりな会話をしてみた。うーん、大人って難しい。10日ぶりに化粧をしたはいいが、かなり太ったので、めちゃブサイク! 午後にはカメラマンの浜村嬢が、迎えに来てくれたので、彼女の車で一路、取材先の川越へと向かう。病院を後にするとき、ちょっぴり名残惜しい気持ちになる。道中、コンビニに寄り、簡単な食事を買ったが、なぜか普段は食べないジャンクなお菓子が無性に食べたくなり、じゃがりことかスナック菓子を買い求めむさぼり食う。あー生きててよかった。とちょこっと思った。続く
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左・救急車の内部。けっこう居心地よし。右・520病棟の尿瓶の山。特に意味なし。 |
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