メニエール病 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
  過労、寝不足、ストレス、アレルギー、自律神経失調などがきっかけとなり発病する「めまい」と「難聴」が主な症状の病気です。
内耳に余分にリンパ液が溜まり、聴力や平衡感覚に異常をきたす病気です。30〜50歳代に多く、男女差はなく、多忙で几帳面な人によく起こります。
難聴とめまいを繰り返し、難聴は年余にわたって進行する厄介な病気です。
初回発作から2回目の発作までの期間は半年以内が多いようです。
「めまい」患者さんの内の数%位で、そんなに多い病気ではありません。
めまい」がすべて「メニエール病」というわけではありません。
類似の他の病気との区別をするため、診断が確定するまでに2〜3ヵ月の経過観察が必要なこともあります。例えば、片方の難聴で、めまいが1回きりのものなら「突発性難聴」です。
【メニエール病の症状は】
発病の初期は、耳のふさがった感じやブーという耳なりや軽い難聴だけです。
突然グルグル回るめまい発作が起こり、しばしば吐き気、嘔吐が起こります。
回転性めまいの持続時間は1〜6時間程度です。
めまいは1〜2日で軽快しますが、しばしばめまい発作を繰り返し、しだいに難聴が進行します。
【メニエール病の日常生活での注意点は】
めまい発作の再発を予測することは不可能です。
精神的疲労、肉体的過労、睡眠不足に注意することが予防につながります。(メニエール病、日常生活で気をつけること
【メニエール病の治療は】
発病のきっかけや症状を増悪させるストレスをできるだけ取り除きます。
塩分はひかえめにし、規則正しい生活パターンや十分な睡眠を心がけます。
少なくとも3ヵ月間は定期的に通院し、症状に応じた内服治療を続けます。
平衡機能訓練(めまい体操)をします。
基本的には薬を飲みながら様子を見ます。水分代謝を促進させる利尿剤、内耳の細胞が変化するのを抑えるためにステロイド剤、神経に活力を与えるビタミン剤、ストレスを和らげるために精神安定剤、血液の循環を良くする薬などを用います。初期の症状の軽い場合なら、薬物療法で治ります。薬を飲んでも何度も発作が起こり、耳の聞こえが悪くなってくるようだと、手術が必要になることもあります。
メニエール病の記事

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メニエール病に関する質問メニエール病の原因は?
めまい
 
自分の体の位置や姿勢がおかしいと感じること。
 めまいがするという訴えには、自分の体や周囲がグルグル回るという回転性めまい、フワフワと揺れる感じ、目の前が真っ暗になる、立ちくらみなどがある。めまいは非常に多くの疾患の症状として現れるが、脳出血や脳梗塞あるいは脳腫瘍など直接すぐにでも生命に関わる疾患によっておこる「危険なめまい」と、生命には心配の無いめまいとがある。頭痛、手足のしびれ、口がもつれる、意識がなくなる、目がかすむというような症状があるときは、めまいは軽くても「危険なめまい」のことがあり、すぐに専門医の診断を受けなくてはいけない。
 メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴などの内耳性めまいは強いめまいが起こることがあっても直接生命に関わるものではない。
メニエール病
 回転性めまい、耳鳴り、難聴を3大症状とする内耳性の疾患で、めまいは数分から数時間に及び、吐き気、嘔吐を伴うこともある。
 メニエール病にはまぎらわしいケースが多いために、「中枢性の疾患などを除き、突然おこる激しい回転性めまいと耳鳴や難聴を何度も繰り返すもの」という診断基準がつくられている。
メニエール
 
フランスの耳鼻科医で、めまいのあった患者を解剖して内耳に出血しているのを見つけ、内耳の障害でめまいがでることを報告した。その後、めまい、耳鳴、難聴を繰り返す病気をメニエール病と呼ぶようになった。
メニエール病の病因
 
内耳の内リンパ水腫
 内耳には音を聞く蝸牛と体の平衡に関係する前庭半規管がある。蝸牛はかたつむりのように管が渦巻いた構造をしており、その中にリンパ液が入っている。このリンパ液が増えた状態を、内リンパ水腫(水ぶくれの状態)といい、それが前庭半規管にも影響してめまいが起こるのがメニエール病。
 内リンパ水腫の原因は、内耳の発達異常、血流不全、代謝障害、アレルギー、ウイルス感染など色々考えられているが、決定的なことは未だよくわかっていない。
メニエル病、メニエール氏病 耳の構造
 発病年齢は30〜50歳代の働き盛りに多く、男女差は無い。真面目で几帳面、神経質でストレスを受けやすい人に多いとされている。地方より都市部、単純労働より管理職や専門技術職に多いという調査結果もある。
 患者さんの多くは、めまいが起きると「メニエール病」だと自己診断する方が多く、時に医師の中にも混乱がみられるが、「めまい」=「メニエール病」では無い。メニエール病は実際には全てのめまいの症例の数%位でしかない。メニエール病と確定診断がつくまでには類似の病気を鑑別する必要があり、経過観察に2〜3ヶ月以上を要することがある。
メニエール病の臨床経過
 メニエール病は次のように進行する。
 メニエール病は、発作期と休止期がある。発作期は激しいめまい、耳鳴り、難聴、耳閉感が起こる。休止期は症状が全て消失している場合もあり、耳鳴りや難聴が残っている場合もある。繰り返しているうちに聴力は悪化する。
●初期:耳閉塞感(耳が詰まった感じ)と耳鳴りがあって、2〜3日すると突然強いめまいが起こり、めまいがおさまると全ての症状も消えることを繰り返す。
●中期:強いめまいが頻繁に起こるようになり、聴力が次第に低下して、正常に戻らなくなる。
●後期:めまい症状が重症化して難聴が持続する。めまい、耳鳴りの他に、自律神経失調症状、顔色蒼白、冷や汗、吐き気などが続く。
メニエール病の治療法
 内リンパ水腫を防ぐために水分代謝を促進させる利尿剤、炎症を抑えるステロイド剤、神経に活力を与えるビタミン剤、精神安定剤、血液循環改善薬、鎮静剤、制吐剤など。症状の軽いメニエール病の場合、薬だけで快方に向かう。中期から後期になると、手術が必要になる場合がある。
メニエール病の予防
 メニエール病のめまい発作の誘因として長期にわたるストレスの持続、過労、睡眠不足がしばしば認められるので、そのようなライフスタイルを改善し、精神的にも肉体的にも余裕のある生活を心がけるのが大切。
メニエール病診断の手引き(簡約)
1. 回転性めまい発作が反復する。
2. 耳鳴や難聴が反復し、症状が良くなったり悪化したりする。
3. 上記の症状をおこす中枢神経疾患、既に原因がわかっているめまいや難聴をおこす疾患は除外する。それらの疾患を除外するために、問診、一般神経学的検査、平衡機能検査、聴力検査などの専門的な臨床検査を行う。時には経過観察が必要な場合もある。
診断の基準
確実例:1、2、3の全条件を充たすもの
疑い例:1と3、または2と3の条件を充たすもの