上顎癌、鼻副鼻腔腫瘍
鼻副鼻腔領域の悪性腫瘍は特に上顎洞を中心に発生することが多く、上顎癌が代表的なものです。上顎癌は耳鼻咽喉科領域の癌の中でも発生頻度はそれほど多いものではありませんが、顔面周囲には重要臓器が多く、複雑な解剖学的特徴から早期診断が非常に難しく、治療も困難を極めることが多いため、患者にとっても医師にとってもやっかいな癌です。症状は、一側性の悪臭のする血性鼻漏(鼻血)、持続性の鼻閉、歯痛、顔面痛、流涙、頬部腫脹、眼球突出、複視、頚部リンパ節腫脹などですが、症状の出ている場合は骨の破壊や周囲組織への浸潤がある証拠ですから、殆どは進展癌(進行癌)として発見され、上顎洞内に限局した初期癌で発見できる幸運なケースは殆どありません。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の治療経過中に副鼻腔の癌が偶々発見されるようなケースがあります。症状の改善がない副鼻腔炎には上顎癌が潜んでいる場合があることも考慮して、検査も兼ねた手術的治療を行うべきでしょう。
1.上顎洞 2.篩骨洞 3.前頭洞
頬部腫脹をきたす疾患には、上顎癌の他にも、良性疾患として、副鼻腔炎根治手術後10年以上経ってから発生することの多い術後性上顎嚢胞、風邪からでも発症する急性上顎洞炎、歯が原因する歯根嚢胞、歯性上顎洞炎、歯周囲炎、鼻前庭嚢胞など多くの疾患がありますから、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科で診ていただく必要があります。
自由が丘耳鼻咽喉科 笠井クリニック
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