イビキ音の記録
【いびき音の記録の重要性】
いびきは睡眠中にしか発生しません。診察時には鼻や咽の形態的な診断だけしか出来ません。いびきの原因、音の発生源や治療法を決定するために、睡眠中のイビキの記録は最も重要な情報となります。治療の効果判定やその後の経過をみるためにも、いびきの記録は今後も長期間に渡ってずっと継続する必要があります。いびき音を聞かずに治療法を決定することは出来ません。その最も安価で簡便な方法が、ご家庭で記録し、ご自身でも確認したうえで、医師にも聞かせていただくことです。最も正確な測定法は入院の上で行う終夜睡眠ポリグラフ検査です。その検査は、自宅ではどうしてもいびき音を記録できない方や重症の睡眠時無呼吸症候群の可能性のある方が主な対象となり、専門病院をご紹介致します。時々出るイビキでも呼吸音が不整で睡眠時の呼吸停止が明らかな場合は睡眠検査を受けていただくことをお勧めしています。
【いびき音の記録の仕方】
記録媒体はスマートフォン、ビデオカメラ、カセットテープ、CDなど何でも結構ですが、ICレコーダーのような本体から記録媒体が取り出せないものはお預かりして後から時間をかけて聴取することが出来ませんので避けてください。記録速度はその機種特有の倍速などではなく、通常速度で記録して下さい。また、音が出ているときだけ記録される設定ではなく、連続して録音してください。
再診時にその場ですぐに音のチェックをしますので、イビキ音の最もはっきり聞こえる箇所を頭出ししておいて下さい。音が明瞭に記録できていない場合は参考にすることが出来ませんので、イビキの記録は繰り返して行って下さい。
いろいろな時間帯で記録して下さい。寝入りばな、深夜熟睡時、朝方の目覚め前等、タイマーをかけて記録されると良いでしょう。ご家族、友人の協力が得られる場合は、鼻で呼吸できているか、口呼吸になっていないか、胸郭の動きは正常か、呼吸の停止状況などを直接観察したりビデオで記録していただくのも良いでしょう。無呼吸の確認には睡眠中の連続した記録が必要です。音の出ているときだけ作動する記録方法は参考になりませんので、注意して下さい。
飲酒、過食時は避けて下さい。そのような場合だけに発生するいびきは治療の対象にはなりません。通常の状況で発生するイビキを記録して下さい。長時間の記録でもいびきが録音できない場合は、いびきがそれほど重度のものでなく、治療の必要は無いと判断してよいでしょう。
血管収縮性点鼻薬を処方された方は、寝る直前に使用して鼻を充分に通るようにしてから睡眠をとって下さい。点鼻の効果は数時間しか持ちませんが、その間だけでも呼吸が楽になり、イビキが改善するかどうかを記録して下さい。抗アレルギー薬や消炎酵素剤等の内服薬を処方された方は、その効果が充分に現れるには2週間以上を要しますから継続して飲んで下さい。
まず何も使用しない状態でいびき音を記録し、その後に薬の治療を始めて下さい。薬の効果が現れ、鼻の通りが良くなり、楽に呼吸が出来るようになっているかどうか、いびき音も軽くなるのかどうかを記録していただきます。それが今後の治療の目安になります。薬で改善傾向のある方は鼻の治療が必要であると考えられます。薬を使用しても、イビキに変わりが無ければ、のどの治療なども考えてゆく必要があるという判断が出来ます。
笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
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