耳とその周囲の構造
老人性難聴と補聴器
年をとりますと誰でも耳が遠くなってきます。病気のためでもなく、年齢以外に原因が考えられない難聴を老人性難聴といいます。ヒトは25歳を過ぎる頃から肉体的には老化が始まりますが、耳でも同様に老化現象が起こり、音を感じ取る内耳の細胞や感じ取った信号を耳から脳に伝えたり、脳で言葉などを聞き分けたりする神経細胞が衰えたり死滅して、そのはたらきが悪くなります。そのため、小さい音が聞き取れなくなったり、言葉の聞き分けがしにくくなったりすることが起こるのです。この難聴の進み具合には個人差があり、40〜50歳で耳が聞こえにくくなってくる人もあれば、80歳頃になってもほとんど不自由しない人もあります。残念ですが、老人性難聴には有効な治療法はなく、補聴器を使って音を補うことしかありません。
「補聴器を買う前に」
1. あまり大きい期待を持ってはいけません。若い頃と同じような聞こえになることは望めません。言葉の聞き分けがしにくいという問題は補聴器では解決できません
2. 音はよく聞こえるけれども、雑音がうるさいといわれる方も多いようです。補聴器は周囲の雑音も大きくして耳に入れますので、この雑音も聞こえるようになります。人の声だけを大きくするというわけにはなかなかいきません。最近の補聴器は雑音は非常に小さくなってはいます。また、人の声が聞き分けにくいというのは、雑音のある中で人の声や話だけに注意を向けて聞き取る能力も若い頃に比べて低下していることにもよります。
3. 補聴器は使用する人の難聴の程度や聴力の型などの条件に合ったものでなくてはいけません。購入の前に耳鼻咽喉科を受診し、検査を受けて補聴器の使用が適当かどうか、どのような補聴器がよいかをよく相談して、補聴器の適合をして下さい。
「使用時の注意について」
1. 聞こえにくいのだから、音を大きくした方がよいだろうと思うのは間違っています。音を大きくし過ぎますと、かえって聞きづらくなり、突然非常に大きすぎる音が入ってきて耳を傷めることがあります。
2. よく調節された補聴器を使用しておれば問題はありませんが、難聴の進行が起らないとは言いきれませんので、1年に1度は聴力検査を受けて、難聴の進行がないことを確認するのがよいでしょう。
3. 補聴器は精密機械ですから取扱いには注意が必要です。耳に差し込む部分には耳垢がつまりやすく、掃除に気をつけねばなりません。
(耳の病気と予防_老人性難聴と対処法)
自由が丘耳鼻咽喉科 笠井クリニック
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