扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
 口蓋扁桃はのどの左右にあって、アーモンドの形をしたリンパ組織です。
 口蓋扁桃の炎症を一般的に扁桃炎といいます。普通の細菌感染による急性扁桃炎であれば、抗生物質や消炎鎮痛剤などを数日間内服することで治ります。抗生物質が効かなかったり、不十分な治療で扁桃炎がこじれると、炎症が扁桃の被膜を越えて周囲に拡がります。それを扁桃周囲炎と言います。病状がもっと進展すると扁桃の被膜の外に膿が溜まって大きく腫れ、扁桃周囲膿瘍となります。扁桃周囲膿瘍は普通は片側だけに起こります。風邪をひいた後などに、片方の咽が非常に痛くなり、口ごもるような声しか出せなくなり、食事や水さえものどを通らなくなっているときは扁桃周囲膿瘍になっている可能性があります。高熱が出たり、膿瘍が進展すると口も開けにくくなります。
 扁桃周囲膿瘍の治療としては、先ず咽の腫れているところに注射針を刺して溜まっている膿を吸引(扁桃周囲膿瘍穿刺排膿処置の保険点数は180点)します。この穿刺排膿処置だけで充分に膿が除去し切れる場合はそのまま、あるいは2〜3回の穿刺で治癒することもあります。しかし、1回の穿刺だけでは完治せず何度か穿刺を繰り返すことも多いので、多くの場合は穿刺に引き続いて、穿刺部位をメスで切開して切り口を拡げて膿を排出する手術(扁桃周囲膿瘍切開術の保険点数は1,410点)を行います。穿刺処置だけにしても切開手術を行ったとしても、穿刺・切開口が閉じて再び膿が溜まってこないように、数日間は通院して傷口の処置治療を行う必要性があります。扁桃周囲膿瘍で食事も入らなくなった酷い場合は、点滴で水分や栄養を補給し、抗生物質や炎症を抑えるためのステロイド剤などを投与して安静をとるようにします。場合によっては入院も必要になるでしょう。扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍を一度起こすと、1〜2ヶ月以内に再発することがあり、その後も風邪を引くたびに扁桃炎を起こして重症化することも多く、十分な注意が必要です

扁桃周囲膿瘍 扁桃周囲膿瘍→ 扁桃周囲膿瘍、切開排膿 穿刺排膿処置

扁桃周囲膿瘍→ 穿刺後に膿瘍を切開し排膿→ 術後2日→ 術後1週間、治癒
 普段から急性扁桃炎を繰り返しやすい方は扁桃炎が慢性化していると考えられます。慢性扁桃炎の方は、咽の異物感がとれない、扁桃がいつも赤くなっていてすっきりしない、体がいつもだるく、微熱が続く、風邪をひきやすい、扁桃に膿栓が付いて口の中が気持ち悪く、口臭がするなどの症状があります。日常生活で気を付けるのは、夜更かしをして睡眠不足にならないこと、タバコを吸わない、アルコールの飲み過ぎをしない、過労やストレスを避けることなどでしょう。急性炎症を繰り返す慢性扁桃炎には口蓋扁桃摘出手術の適応になります。

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