右鼻腔左鼻腔
鼻中隔彎曲症の治療の主眼は鼻腔通気度(鼻の通り具合)の改善であり、鼻づまり(鼻閉)の原因として鼻中隔彎曲症や肥厚性鼻炎がある場合には手術的治療の適応になります。鼻中隔彎曲症矯正手術や下鼻甲介骨切除手術などの骨や軟骨を切除する手術は、術中・術後の疼痛や出血および腫脹の管理のために一般的には入院手術の適応とされます。無床診療所の当院外来では鼻中隔彎曲症の手術は行っていませんが、手術自体はそれほど侵襲が大きいものではないので、条件(外来日帰り手術の要件)が整えば外来手術として行われている医療機関もあります。鼻づまりの改善の手術的治療法として、下鼻甲介のレーザー手術やラジオ波凝固治療だけであれば当院でも行っているような外来手術が一般的です。
鼻中隔彎曲症矯正手術+下鼻甲介粘膜下骨切除術+下鼻甲介粘膜切除術
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鼻中隔湾曲症矯正手術及びそれに付随して行われることの多い下鼻甲介粘膜下骨切除術と下鼻甲介粘膜切除術は、数ある耳鼻咽喉科手術の中でも治療効果が最も期待できる手術の一つといえるでしょう。鼻中隔彎曲症矯正手術は鼻中隔を構成している軟骨や骨を切除する手術であり、切除された骨・軟骨は元に戻ることはありませんから根治的な手術治療となります。しかし、骨や粘膜が切除されても下鼻甲介の粘膜は何年かの経過で再び肥厚してくることがあり、そのことが原因で鼻閉が再発するケースがあります。つまり、鼻中隔彎曲症は手術で治っていても、下鼻甲介の粘膜が再腫脹することにより鼻閉症状が再発する場合があり、そのようなケースに対して下鼻甲介のレーザー焼灼術やラジオ波凝固治療の効果は期待できるでしょう。
下鼻甲介粘膜下骨切除手術後、下鼻甲介後端の粘膜腫脹による鼻閉
→ レーザーによる治療
→ ラジオ波による下鼻甲介後端の凝固治療
至適な鼻中隔弯曲症矯正手術が行われて、解剖学上は最良の状態になっているにもかかわらず、依然として、鼻から十分に空気が吸えないとの訴えが続く方もあります。一つには鼻弁という鼻の入り口(鼻前庭)から鼻腔までの区間で最も狭くなっている部分が原因となっていることがあります。この部分が狭い場合には鼻翼の形成外科的な手術が必要になります。また、心因性鼻閉という状態で鼻腔自体には全く問題が無くても鼻が詰まると感じている場合もあります。逆に手術によって鼻腔が広くなりすぎていたり、鼻中隔に穿孔を生じている場合にも鼻の乾燥による痂皮形成と鼻づまり感が持続するケースもあって、容易だと思われている手術にも様々な問題がはらんでおり、万能ではないことも事実です。
鼻中隔彎曲症矯正手術後の鼻中隔穿孔
右鼻腔よりの視野 左鼻腔よりの視野
自由が丘耳鼻咽喉科 笠井クリニック
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