舌下型がま腫
顎下型がま腫 皮様嚢胞
舌下腺の貯留嚢胞をがま腫(ラヌラranula)といいます。左右どちらかの口腔底前方部分に、青く透けた膨らみ(舌下型ガマ腫)ができます。大きくなると、反対側にまで拡がったり、下顎部で外に張り出してくる(顎下型ガマ腫)こともあります。良性のものですから、治療に際しては出来るだけ体表には傷をつけないで処置する方法を考えるべき疾患です。嚢胞内に粘調な唾液が貯留している状態ですので、診断と治療も兼ねて分泌液を穿刺・吸引する処置によって一時的には内容液を除去して小さくできます。従来、がま腫の治療は手術的治療が主体で、外来で行うことが出来るガマ腫の開窓手術(保険点数は820点)や、通常は入院して行うガマ腫摘出手術(4,580点)が行われますが、薄い嚢胞壁の完全摘出が結構難しいためにときに再発することがあります。舌下腺と共にガマ腫を全摘出することで再発は殆ど無くなります。
OK-432(商品名ピシバニールという抗悪性腫瘍溶連菌製剤)の注入硬化療法は、OK-432により引き起こされる強い炎症反応によってガマ腫の嚢胞壁を癒着・縮小させるという治療で、効果的とされています。がま腫と同じような嚢胞を形成する良性腫瘍であるリンパ管腫にはピシバニールの局所注射が保険適応(1,000点)として認められていますが、ガマ腫には従来は適応がありませんでした。保険適応外の医薬品を用いたり、保険で認められていない治療を行ったりすることは医師の裁量権で可能ですが、保険請求は出来ませんが、平成23年度からは、ピシバニールが「がま腫に対して、医薬品の適応外使用」として保険診療上でも認められるようになりました。
自由が丘耳鼻咽喉科 笠井クリニック
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