鼻漏、後鼻漏(症候群)
鼻漏は正常の鼻水が何らかの原因で量が増えたり、鼻水の性質が病的な変化を起こした時に起きる「症状」です。その症状の原因となる疾患は急性・慢性鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻咽腔炎(上咽頭炎)などが主なものです。
鼻水(鼻汁、鼻漏)が鼻の前の方へに流れて出てくる場合を前鼻漏(ぜんびろう)、のどの方へ廻って落ちてゆく場合に後鼻漏(こうびろう)といいます。前鼻漏も後鼻漏もあくまでも「症状の名前」(症候群)であり、その原因になっている病気の名前(疾病名)ではありません。前鼻漏は本人の自覚症状がはっきりしていることが多いのですが、後鼻漏はのどに廻ってしまう為に痰と混同されがちで、耳鼻咽喉科で診察を受けて初めて鼻漏があることが判明することがあります。後鼻漏(後鼻漏症候群)は「のどの違和感」(咽喉頭異常感症)や慢性的な咳の原因となることが多く、鼻の治療をすることで長く続いていた違和感や咳が治まることがあります。大人の軽度の後鼻漏は本人の症状の自覚が無い場合もあり、見過ごされやすいので、正確な診断をつけるために鼻のレントゲン検査や内視鏡検査などが行われます。小児の後鼻漏はアーンと口を開けてもらって、のどの奥を診るだけでも容易に観察することが出来ます。(鼻のケア、慢性副鼻腔炎による咳と痰、「のど」のしくみと働き)
慢性副鼻腔炎、急性鼻副鼻腔炎による後鼻漏の咽頭所見
鼻漏の原因となる主な疾患
●漿液性あるいは水様性の鼻漏を起こす疾患
アレルギー性鼻炎、花粉症、血管運動性鼻炎、単純鼻炎、かぜ症候群(風邪による後鼻漏)、加齢性鼻炎(老人性鼻漏 old man's drip)、外傷性髄液鼻漏
●粘液性あるいは膿性鼻漏を起こす疾患
急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、副鼻腔真菌症、上顎癌、上咽頭炎(鼻咽腔炎)、ソーンワルト病
●血性の鼻漏を起こす疾患(鼻出血)
鼻腔腫瘍、鼻副鼻腔癌、上咽頭がん、ウェゲナー肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症)
副鼻腔炎のために、喉頭から気管へ流れ込む後鼻漏
⇒ 咽頭の後壁を流れ落ちる後鼻漏
自由が丘耳鼻咽喉科・笠井クリニック
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