1998年冬コミ発行の2×1本の表紙。表紙頼まれて描いた中で、1、2を争う程描いてて楽しかった絵です。しか〜し!まつわる裏話の多さでも、1、2を争ってしまう絵だったりする…。
 先ず最初に渚氏より「今度の表紙はゴッホ調で。もう、絵の具で表面ボコボコ〜みたいな感じのがい〜い!」とのリクエストがありまして、水上はそれに対し「了解。ただ、そうなるとヒイロの顔はっきりしなくなるけど?」と返し、「OKよ」との返事をもらったのでした。その後、渚氏より、彼女が「こんな感じ」というイメージを持つきっかけとなった写真集が送られて来た……はイイが、見てみると「これのどこがゴッホ調や」ってなモンでして。そのことを彼女に訴えると、「う〜ん。実は私も、改めて見たら『あ、ゴッホ調じゃなかったな』って思ったんだわ」とのこと。ただ一種異様な迫力が欲しいらしく、それで「ゴッホ」ってことになったんだろうか。結局、話し合いの末「顔の表情は、はっきり(←水上の希望)。”ゴッホ”とまではいかないまでも、画面に重厚さと迫力をもたせる。あとは水上のイメージで好きにやって良い。」ということになったのでした。
 こうして水上、自分のイメージに従って描きはじめたのですが、そこへ女王様より新たな指令。曰く「ヒイロの左手、毛細血管が浮き出てるって言う奇形にしちゃった♪爪も赤いの」…左手を描かなくてすむ構図だったら問題ないが、生憎わたくし、左手を横にのばしている構図にしてまして……。こうしてヒイロの左手に模様のように美しい、真紅の線が描き加えられました。因に鉤爪なのは水上の趣味でござい。

 ほぼイメージ通りに描き進めることができて、快調♪なわたくしに再度指令が……「ヒイロ、左手首に小さい鈴のいっぱい付いた、腕輪してるの〜」「………………。」「あ、でも今からじゃ無理だったら別にいいから」…この段階で、絵はほぼ出来上がっていた。使用画材が水彩やカラーインク等だったら、即刻却下!なところである。が!今回の画材はアクリル。描き足しは十分可能なんです〜ははは〜。こうしてヒイロの左手首に腕輪がはめられました。
 幾多の波を乗り越えて完成した”EXOTICA”のヒイロ。渚氏はどうやらお気に召した御様子で、まずは目出度し目出度し。 

しかーし!これで終わりだと思ったら大間違い。ふふふ。…話はこの絵を描いている最中に遡ります。その頃、友人が遊びに来て、この絵を気に入って『欲しい』と言い出しました。こいつにゃ借りがあるが、この絵は渚氏に頼まれたもんだし、はて…?と悩んでいたところへ。ふとした時に、渚氏が「絵描きって、”表紙の絵返す?”ってきくと、皆”いらない”って言うんだよね」と漏らしたのを耳にして、『そうか、”返して欲しい”って言えば返してもらえるもんなんだ♪』と喜んだ訳です。そして、時は渚氏とのNY旅行出発まえ、成田空港でのティータイム。旅行中にレイアウト考えたいとおっしゃる、お仕事熱心な彼女に、かの絵のコピーを渡しつつ「あ、この絵、後で返してね」とお願いしたらば、なんと!「ええ!?だめだよ」というお返事が…!「ええ〜?なんで?返してよ」「だめ」「友達にあげるって言っちゃった」「何でそゆこと言っちゃうの!諦めさせなさい」「お願いします!」「だめ」「た〜の〜む〜よ〜」「あきまへん」………endless。海外旅行出発前に喫茶店でなにやってんだか(泣)と、もの悲しくなりつつも交渉は続き、最終的には”2年後に返却”で決着しました。よ、良かった…。
 こんな具合に波乱万丈だったEXOTICAの表紙、故に愛着もひとしお♪なんでございます〜〜。そうそう、原画は2年を待たずして返していただけました!女王様ありがと〜う!!………終わりっ!!!

【BACK】