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カレブ・クエイ CALEB QUAYE

 カレブは、1949年10月9日に生まれる。父親が有名なバンド・リーダーであったことから、早くから音楽環境にも恵まれ、当時よりチャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、アート・ブレイキーなどを好んで目標にしていた。4才よりピアノを弾きはじめ、今ではギターやドラム・コンガといった打楽器までも見事にマスターしている。また、EJやアル・クーパーなどとも交友関係にあり、ショー・ビジネス界ではもうベテランの1人に数えられていた。

 彼はまずサウンド・キャスターズというグループを作って演奏活動していたが、学校を卒業後、ディック・ジェームス音楽出版社に入社してエンジニアとなる。そこで彼のメンバーと共にフックフットを結成し、それと前後してエルトン・ジョンとも知り合う。コンビ結成まもない若きEJとバーニーが、デモ・テープ作りに難航していた頃に、録音スタジオの手配などに手を貸したのがカレブだった。そして彼はEJ初のソロ・シングル「アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー」をプロデュースする。その後、カレブは「フックフット」の メンバーごとEJのバックを努めることになった。彼等「フックフット」は、EJのアルバム「Empty Sky」から「Madman〜」の頃に参加しており、これらのアルバム製作にはカレブとメンバー達のアイデアなども取り入れられていたようである。

 フックフットのメンバーであるROGER POPE(Dr)、DAVE GLOVER(b)、IAN DUCK(g)の3人は、もともとソウル・エージェンツというグループを結成しており、早くから地方のクラブなどに出演していた。そして、まもなくロッド・スチュワートと知り合うようになり、彼とともにアメりカ各地を公演。次第に頭角を現わしてきた。やがてリーダー格のカレブ・クエイと知り合い、EJの「レディー・サマンサ」でバックを努めるようになる。フックフットはこのようにメンバーそれぞれ全員がかなりのキャりアをもっているが、やはり中心人物はカレブで、とにかく彼のイギリスでの評判は大変なもので、メロディー・メイカーやキャッシュ・ボックス等の音楽誌にも大きく紹介されている。EJは自分のバンド結成にあたり、まずカレブを誘うつもりでいたが、フックフットの活動があったため諦め、ディー・マレイとナイジェル・オルソンにバンド参加を頼んだのだった。


フックフット HOOKFOOT(1971年)

CALEB QUAYE/ギター、キーボード、ボーカル
ROGER POPE/ドラムス
DAVE GLOVER/べ一ス
IAN DUCK/ギター、ボーカル

 フックフットはEJのアルバムに参加する傍ら、自らもバンド活動を続けている。この作品でカレブは各楽器のほか、全面プロデュースと作詞作曲を担当している。サウンド面ではEJとの交流もある関係上、互いに影響しあっているせいか、「Empty Sky」や「Tumbleweed Connection」などの音楽性が随所に見え隠れしている。しかし、EJ作品には彼等のアイデアなども取り入れられているようなので、曲調や雰囲気が類似するのも仕方のないことだろう。だからといって、彼等独自の魅力もしっかりと聴かせてくれているところはさすがである。

 意外なほど綺麗なハーモニーが印象的なカントリー・ロック調の「BLUEBIRD」、EJの「Madman〜」を彷彿させるイントロから始まるカレブのリード・ボーカル曲「MYSTlC LADY」、ギタリストのイメージが強いカレブが達者なジャズ風ピアノ・ソロを聴かせるインスト曲「WIM‐WOM」、ピアノをメインにジャズ/フュージョン風の前半からプログレ・ロック風へと転調していく「GOLDEN EAGLE」など。EJのアルバムとはまたひと味違った歌と演奏ぶりでなかなか器用な一面をみせてくれる。

収録曲

A
BLUEBIRD
MYSTlC LADY
MOVIES
NATURE CHANGES

B
WIM‐WOM
DON'T LET IT BRING YOU DOWN
COOMBE GALLOWS
CRAZY FOOL
GOLDEN EAGLE



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