Goodbye Yellow Brick Road / Limited Deluxe Edition EJコレクション トピックス トップへ


 2003年11月、1973年のアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」から発表30周年を記念して、デラックス・エディションSACD(ハイブリッドCD)2枚プラスDVD1枚の3枚組という豪華仕様にて英米で発売された。このアルバム「Goodbye Yellow Brick Road」は個人的にも思い入れが強いため、これまでLP、CD等と新しい仕様が出る度に買い足してきて、同じアルバムが現在では10枚を遥かに超えてしまった。そんな中でも、今回の仕様はいろいろと興味深い所もあったので、改めて別のページとして取り上げてみました。

 また、'04年4月には米国で「Goodbye Yellow Brick Road」のDVD-AUDIO版も登場したので、あわせて紹介したい。


「Goodbye Yellow Brick Road / Limited Deluxe Edition」-30周年記念SACD&DVD3枚組英国盤-(2003年)

 本盤はパッケージも四つ折りデジパック仕様(写真)で、ピクチャー・ディスク、28ページ・カラー・ブックレット付きという上質な仕上がりになっている。また、ボーナス・トラックスとして4曲。当時、アルバム未収録だったシングルB面曲3曲と、新たに「Candle in the Wind」のアコースティック・ミックス・ヴァージョンを収録。EJのアコースティックというと、当然ながらピアノ・ソロを連想するが、ここに収録されたミックスは、なんとギター・ソロだ。EJ&デイヴィーのギターとの弾き語り新ヴァージョン、聴き慣れた「Candle 〜」もまた違った味わいで新鮮に響いてくる。

ディスク 1
1. Funeral For A Friend/Love Lies Bleeding
2. Candle In The Wind
3. Bennie And The Jets
4. Goodbye Yellow Brick Road
5. This Song Has No Title
6. Grey Seal
7. Jamaica Jerk-Off
8. I've Seen That Movie Too

ディスク 2
1. Sweet Painted Lady
2. The Ballad Of Danny Bailey (1909-34)
3. Dirty Little Girl
4. All The Girls Love Alice
5. Your Sister Can't Twist (But She Can Rock 'N Roll)
6. Saturday Night's Alright For Fighting
7. Roy Rogers
8. Social Disease
9. Harmony
Bonus Tracks
10. Whenever You're Ready (We'll Go Steady Again)
11. Jack Rabbit
12. Screw You (Young Man's Blues)
13. Candle In The Wind (Acoustic Mix)

ディスク 3 (DVD) The Making Of Goodbye Yellow Brick Road
1. Goodbye Yellow Brick Road
2 Jamaica Jerk-Off
3. Ballad Of Danny Bailey (1909-34)
4. Saturday Night's Alright For Fighting
5. Bennie And The Jets
6. Sweet Painted Lady
7. Roy Rogers
8. Candle In The Wind

 ディスク3のDVDは、エルトンやバー二ー達のインタビュー等で綴られた既にリリース済のDVD「Classic Albums - Goodbye Yellow Brick Road」と同内容のものだ。本DVDは海外版でも日本製DVDプレーヤーで再生可能だが、本編50分のみの収録で、DVD「Classic Albums - Goodbye Yellow 〜」収録の37分の映像特典インタヴューは本DVDに未収録である。既にDVD「Classic Albums - Goodbye Yellow 〜」をお持ちの方は、DVDなしの2枚組仕様で充分かもしれない。

 さて、肝心のSACD(ハイブリッドCD)2枚の方であるが、これにはSACDのサラウンド&ステレオ・サウンド、CDオーディオの3種のフォーマットが収録されている。私は今回のデラックス・エデョション盤入手をきっかけに、以前より欲しかったDVDオーディオ&SACDプレーヤーとサラウンド・システムを我が家に一挙にまとめて導入した。

 そのSACDサラウンドの音だが、実際聴いてみて最初の期待以上に驚いた。まず、SACDのサラウンドは一つ一つの音が実にリアルで、エルトンのボーカルは勿論のこと、シンセの音一つとっても、今まで聴き慣れたCDやレコードの音とはまったく違った音の鳴り方をしている。更に、フロント中央からエルトンの声、前後左右から各楽器に囲まれ、コーラスはリアから聴こえてくる様は、まるで自分がスタジオ内でバンドに囲まれているような雰囲気だ。音に奥行きと膨らみさえも感じられる。これはCDとSACDのどちらがいいのかという比較レベルではなく、全く別の作品といった印象なのだ。長年、音楽を聴く上で2つの耳を持つ人間には左右から聴こえるステレオ(目前で演奏している雰囲気)で充分という私の認識は、これで大きく変わってしまった。

 もう一方のCDオーディオの音は、最新リミックス&リマスターされているため、旧CD盤より更にリアル&クリアな音質になった。既にリマスターCDをお持ちの方でも改めて聴いて楽しめると思う。本盤は、30周年記念デラックス・エディションの名のとおり、名盤「Goodbye Yellow Brick Road」の魅力を結集しパッケージ化した記念的作品になったといえる。多くの「Goodbye Yellow 〜」ファンにもお勧めしたい。


 ところでこのSACDは、CDと比べてどれくらい音が違うのか?サラウンド・システムに興味をお持ちの方には気になるところだと思います。音の違いを文字だけで表現するのはなかなか難しいですが、SACDとCDを単純に比較する事ができないと言うのが正直なところです。というのも私の場合、今回購入したのは、DVD&SACD兼用プレイヤー、AVアンプ、サラウンド用スピーカー6つで、システムを接続する関係上、ステレオ・システムとは別に一式揃える必要がありました。純粋なオーディオという観点からいくと、今回の私のサラウンド・システムは、全ての面で現在のステレオ・システムよりグレードが落ちます。それは、純粋なオーディオと同レベルのサラウンド・システムを揃えるとなると、驚くほど高価となり、充分な設置スペースが必要となるためです。こうしたシステムのランクの相違が、音を単純に比較できない理由の一つです。

 しかし、まだSACDサラウンドを入手されていない方にとって、これらのシステムにどれだけのパフォーマンスがあるかは知りたいところだと思います。そこで、参考にはならないかもしれませんが、あえて我が家のシステムでSACD(サラウンド)とCD(オーディオ)の音を単純に比較してみますと、純粋に音色がいいのがCDの方で、逆に音像に優れているのがSACDの方でした。我が家のシステムの違いを考えれば当然の結果ですが、前述したように、CDとSACDのどちらがいいのかという比較レベルではなく、全く別のシステムと考えたほうが良いと思います。結局はあまり高音質にこだわらなければ、サラウンドそのものは充分楽しめるということです。


「Goodbye Yellow Brick Road」-DVD-AUDIO&DVD仕様米国盤-(2004年)

 '04年4月に、米国にて「Goodbye Yellow Brick Road」のDVD-AUDIO版(DVD-AUDIOとDVDの2枚組)がリリースされた。既発のSACD&DVD3枚組仕様英国盤とブックレット&収録曲共に同一内容である。

 本仕様版とSACD仕様版との違いは、外見上は、パッケージが若干大きめのDVD-AUDIO専用プラスティック・パッケージを使用していること。ブックレットもそれにあわせて、やや縦長で大きくなった。DVD-AUDIOの中身は、大容量ということもあって全曲1枚に収録されて、更に映像(静止画)で全曲歌詞も見られる。もう1枚のDVD盤の方は、SACD盤仕様に付いていたDVD「Classic Albums - Goodbye Yellow Brick Road」と同一内容である。近年のDVD-AUDIOは、ボーナス特典としてプロモ&レア映像等が追加収録される事もあるため、後発となる本仕様版では期待しただけに、この内容では多少物足りなさを感じる。

 さて、注目の音の方だが、本盤にはDVD-AUDIOのサラウンド&ステレオ・サウンドが用意されている。DVD-AUDIOとSACDの音質を比較すると、音の出方と音像はSACDとほぼ同じ様な雰囲気を持つが、さすがにDVD-AUDIOという大容量を生かして、音自体にも膨らみ(情報量が多くなったという意味で)が増した感がある。一つ一つの音がよりリアルになったようだ。しかし、そうはいっても本仕様版とSACD版は、どちらも今後の音楽パッケージの新しい可能性を実感させられるもので、今回も要注目!の仕様版といえるだろう。


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