あれ、美香さん



 ストレス 45

「あれ、美香さん」
 あなたは、声を出した。篠田美香の声が真後ろから聞こえたからだ。
「あっ」と向こうも声を出し、あなたに気がついたようである。
 その時、ふいに明かりが点いた。
「さっきは、どこに行ってたのよ」と美香が怒ったように言う。そっちがどっか行ったくせにとあなたは腹を立てた。とんでもない女である。しかし、その時、美香がまた例の甘えたような声を出した。
「ねえ、いいとこにいきましょうか」


 あなたは、
1.(誘ってる、誘ってる)などとと考え、どきりとする。
2.(もう一回停電しないかなあ。そしたら、暗やみにまぎれて、こんな女なんてほっぽりだして逃げ出すのに‥‥‥)などと考える。




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