OpenDocによってもたらされようとしていたUIの変革

(作成:平成10年8月18日、更新:平成10年8月20日)

 Apple社によって提唱されたOpenDocのソフトウェア技術は結局、今後の開発が凍結されてしまいましたが、ユーザーインターフェースという部分では非常に興味深いものがありました。まずはUIの話しに入る前にOpenDocの特徴を簡単に説明しておこうと思います。説明するのは非常に難しいのですが、こんな感じでした(すこしはずしているかもしれません)。

OpenDocによって変わったユーザーインターフェース

 ここからが本題となりますが、ユーザーインターフェースに変革をもたらす項目をあげると以下のものになります。

アプリケーションを起動しない

 これだけだと、なんの事かよくわかりませんが、アプリケーションの枠組みがないのでアプリケーションを起動しないのです。それじゃどうやって新規文書を作成しはじめるかですが、ある(コンテナとなりうる:これがルートパーツになる)パーツのひな形ファイルを開く(ダブルクリックする)事になります。つまり、ひな形ファイルがひとつの白い紙(場合により制定用紙)であり、そこから文書作成がはじまるという事で、これがドキュメント指向といわれるゆえんです。

 ちなみにもともとからMacOSのファイル管理では、ひな形ファイルという形式があってこれを立ち上げる事によってひな形ファイルの内容/書式をひきつぎ新規文書を作成する事が可能でした。また既存ファイルもFinderから開く事で(自動的に該当アプリケーションが起動し)編集する事ができました。つまりユーザーインターフェース上はドキュメント指向な部分を提供していたのです(が、さすがに既存ファイルの立ち上げはFinderから実施する事が多くても、新規ファイル作成時はアプリケーションを立ち上げる(これにより新規ファイルが開く)方が慣れ親しんだ方法ではないかと思います)。

 それで、こういう意味では、OpenDocでアプリケーションの枠組みを(APIをがらりと変えてまで)なくす必要があったのか??って今でも疑問です。アプリケーションという枠組みでも複合ドキュメントやドキュメント指向のユーザーインターフェースも可能だったはずです。既存の資産(ここではアプリケーションプログラム)をいかせる緩やかな移行が可能な方法をとってもらいたかったです。

(余談1)ちなみに、Windowsでも(OSの機能ではなく)アプリケーションでテンプレートの機能があります(MS-Wordの場合 .DOTファイルですね)。ですがこのDOTファイルをWindows3.1の時はファイルマネージャーから立ち上げると新規文書作成ではなく、テンプレートファイル編集になってしまいました。あくまでテンプレートファイルを使うには、アプリケーションからテンプレートファイルを選ぶ必要がありましたね。(なお今はWindows95かOffice97のどちらか?の機能で、ちゃんと?.DOTファイルをExplorerから立ち上げるとMacOSのような動きになっているようです)

(余談2)MS-WordのMac版(Ver6.0)のテンプレートファイルも変です。ひな形ファイルになっていなくてFinderから立ちあげると、Oop!テンプレートファイルの編集モードです。全然文書指向じゃないし、テンプレートを使う場合は、一度アプリケーション立ち上げて、それから新規作成メニューからテンプレートを選ぶ必要があるのです。(なおExcelのテンプレートはひな形ファイルの形式になっていました。)

(余談3)Windowsでも文書指向を強化する意味でよい方法/機能が追加されています。例えば、デスクトップなどから新規文書を作成できるようになっている点です。右クリックメニューで新規ファイルを選ぶ(サブメニューでテンプレート選べる)と、そこにファイルができあがり、それを開いて編集ができるという感じです。ユーザーインターフェースとしてはなかなかよくできていると思います。

アプリケーションメニュー

メニューバーの一番右にあるアプリケーションメニューは複数のアプリケーションを切り替えるために使いますが、OpenDocを利用している場合は、複数のドキュメントを切り替えるような感じになります。これは非常に便利です。

以前、アプリケーションだけでなく、アプリケーション内の(文書単位の)ウィンドウをサブメニューで切り替えたり、隠したりできたらいいと書いた事があるのですが、OpenDocの場合はそんな事しなくても、同じような事ができてしまうと考えてもいいですね。

アプリケーションメニュー

アプリケーションメニューの例

 左図はドローパーツを二つたちあげている(その他オーディオもパーツ)例ですが、通常のアプリケーションならドローがひとつになるのに、ここでは二つになっている。つまり文書ごとにメニューが現れる。

→文書単位できりかえられて、とても便利である。

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