秋の奈良 恒例「鹿の角切り」を御覧頂きます

奈良と言えば、ダイブツァンと鹿です

  必ずNHKのニュースに取り上げられますが、奈良に来た以上、やはり実際を見てみたいのが人情です
 

(1)鹿園の入口です

  ・普段は目に留まりませんが、春日大社の参道脇に「鹿園」なるものがあります
   好天に恵まれたせいか開場前に長蛇の列になりました
   鹿は自己増殖するので元手はタダですから、興業利益としてはナンボデンネンと考えてしまいます
   ただし、鹿は神の使いでイルカとかパンダとはチャイマスから、一種のお賽銭でしょうか
鹿園の入口

(2)家族総出?の客引き

  ・鹿と人のバトルを期待して、集まる参拝客の血も騒ぎ足も速くなります
   雌鹿とか子鹿はアホなのかワケシリなのかそれとも神鹿の貫禄なのか、のんびりしたものです
客引き

(3)まずは御祈祷

  ・やはり神鹿相手の事ですからまず神官の御祈祷があります
   勢子さん達が勢揃いしします。前列真ん中の鳥帽子姿の者が角切り役です
御祈祷

(4)押すな押すな

  ・角切り場のすぐ隣の檻の中は、今日のスターである角ぶりの良い雄鹿がひしめいています
   命に別状が無いことを知ってか知らずか、例年のことだからか、悲壮感は全然ありません
鹿の檻

(5)鹿が放たれます

  ・小判型のコロシアムの中に数頭の鹿が追い込まれます
   解説のオッサンが「サア鹿さん、勢子さん頑張っていきましょう」てな具合に囃します
   場末のストリップ劇場並みの雰囲気ですが、観客は身を乗り出します
鹿の入場

(6)鹿が駆け始めます

  ・勢子に追われ、旗で威嚇され、鹿は壁際を反時計回りにかけ始めます
鹿の駆け始め

(7)投げ縄

  ・向正面で当番の勢子が縄を投げます。櫓の上の太鼓がひときわアップテンポになります
投げ縄

(8)逃げる鹿

  ・縄が投げられる毎に会場はどよめきます。別に鹿が特別に縄をかわす訳ではありません。鹿は駆け抜けるだけです
   でもなかなかうまく縄がかかりません。解説のオッサンは「年季の入った鹿もさるもの」とかなんとか言いますが
   カウボーイのようなかっこよさはひいき目に見てもないのがイマイチ物足りなく感じます
縄かけ

(9)御用

  ・やっと角に縄が掛かり引っ張り合いが始まります。鹿は、特に暴れまくることはなく、ジリジリ引っ張るだけです
   神の使いの風格でもなさそうです。鹿は余程アホで強情なだけなのでしょうか
鹿引き

(10)絡め取り

  ・真ん中にある杭に縄を巻き付けてそこに鹿をたぐり寄せ動けなくします。後ろでは角切り役が鋸を手にしました
   スペインの闘牛のようなダイナミズムはありません。相手は神鹿で傷つけてはいけないせいでしょうか
鹿のたぐり寄せ

(11)寄ってたかって押さえ込み

  ・やっと数名で鹿を押さえ込みます
   コロシアムの中程には幕が張られ、残りの鹿は向こうに隔離されます
鹿の押さえ込み

(12)角切ったり

  ・鹿は枕を当てられ、気を静めるための水を含まされ鳥帽子姿の角切り役に角を切られます
角切り

(13)一丁上がり

  ・角を切り終わると合図と共に鹿は放たれます
   良く知ったもので鹿は出口に飛ぶように向かいます。憎っき人間ども、ど突いたろかって感じはありません
角切り終わり

(14)生還

  ・コロシアムから出た鹿は、ピョンピョンと、それは身も心も軽くというようなそぶりで外の広場を駆けめぐります
   散髪帰りといった印象でしょうか
お帰り

  
  ・NHKのニュースそのままでした
  
   現場にいても血湧き心躍るといった感じではなく、やはり角切りのは神事ですね
  

  
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