おまけ
イギリス王室の紋章 その壱
イングランド王の紋章はリチャード一世(1189〜1199)の3頭のライオンに始まる。この3頭のライオンの紋章は、エドワード三世が1340年頃にフランス王の紋章を加えて大改定をするまで、6代の王が使用した。
エドワード三世(1327〜1377)が1340年頃、フランス王の紋章である百合の花をライオンに加えて紋章とした。エドワード三世はフランスとの百年戦争、ガーター勲章の制定で有名である。
ヘンリー四世(1399〜1413)時代に紋章に一部に改定が加えられた。当時のフランス王シャルル五世(1364〜1380)がそれまでの百合の花をちりばめた紋章を三個の百合の花の紋章に変えた。それを受けてイングランド王の紋章に組み込まれているフランスの部分も三個の百合に変えたのである。
左図の紋章がそれである。この紋章はエリザベス一世まで11人の王によって200年にもわたって使用された。
1603年、スコットランド王ジェイムズ六世がイングランド王ジェイムズ一世(1603〜1625)となり、イングランドとスコットランドが同君連合の時代を迎えた。
イングランド、スコットランド、フランスおよびアイルランド王というのが正式の称号である。従って紋章も左図のようにスコットランドの立ち姿のライオンとアイルランドのハープの紋章が加わったのである。
このジェイムズ一世の紋章が語るものは、まずイングランド・フランス王であり、次にスコットランド王であり、そしてアイルランド王であることを示している。
イギリスの紋章制度はなかなか奥が深い。
次回もこの続きを掲載します。
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