国宝の鬼瓦シリーズ
国宝の鬼瓦シリーズは、国宝建造物の屋根を対象にそこにいる鬼瓦を見ていきます。
国宝に指定されている建造物は全国に131ケ所。寺院が97ケ所、神社が25ケ所、城が5ケ所、その他4ケ所となっています。
当日本鬼面瓦保存会の調査によればその中で鬼瓦がいる国宝建造物は寺院で50ケ所、神社で3ケ所、その他で1ケ所。
鬼瓦は撮影する角度によって大きくその顔かたちは変わってきます。
もちろん季節によっても時間帯によってもかなり受ける感じが違います。
皆様も国宝寺院にお参りした時は是非カメラを屋根の上の鬼瓦に向けてみて下さい。
三井寺は天台寺門宗の総本山で正式名称を長良山園城寺(ながらさんおんじょうじ)と云います。本尊は五十六億七千万年の未来に姿を顕わし衆生を救うという弥勒菩薩。
三井寺には国宝の建造物が金堂のほかに新羅善神堂、勧学院客殿、光浄院客殿があります。しかし鬼瓦が居るのは金堂だけで他は獅子口になっています。
金堂は四方七間、単層入母屋檜皮葺きで朱鳥元年(686)の創建といわれ、現在の建物は秀吉の正室北政所が慶長4年(1599)に再建したものです。
桃山時代の代表的な和様建築です。
大棟に瓦の甍を高く渡し両端を鬼瓦が守っています。
次の画像が国宝三井寺金堂の鬼瓦です。江戸初期慶長年間の鬼瓦が今も地上を睨んでいます。
この金堂のご本尊弥勒菩薩は絶対秘仏として厨子の中にあり天智天皇の御念持仏と伝えられ寺僧といえども見ることは叶いません。飛鳥時代、用明天皇の時に百済から渡来したと伝えられる。さらに推古天皇、聖武天皇、陽成天皇、藤原鎌足、藤原道長、行基菩薩が奉納した六躯の弥勒菩薩がお祀りされています。
この三重塔は重要文化財です。国宝ではありませんが素晴らしい鬼がいますので紹介します。
室町時代初期の建立と推定されます。