第22回日豪合同セミナー



6月2日(土)午後1時、すでに200余名の参加者が講堂を埋め尽くし、開会を待切れないとばかりの熱気で溢れていた。ようやく長坂寿久第22回日豪合同セミナー実行委員長がマイクをとった。開会挨拶だ。口火がきられた。「北は北海道から南はオーストラリアまで、遠方より参加いただきありがとうございます。」南はオーストラリア!?、一斉に笑いが漏れ、会場は緊張から解放され和んだ雰囲気に変わっていった。まぁ、確かに間違いではない。事実ではある。

様々な地からというだけではない。年齢も下は17歳から上は80歳台まで実に広範囲に色々な方々が集まってきた。一般、学生の割合はほぼ半々、男女比もほぼ半々、というわけでバランスもとれている。偶然とはいえ、あまりに理想通りとなりビックリだ。

引き続き、オーストラリア大使館を代表してテリー・ホワイト氏より挨拶をいただいた。日豪交流における日豪合同セミナーの役割を高く評価してくださった。今後も草の根レベルの交流、特に若者たちの交流活動に期待しているとのことだった。最後にこのセミナーも今年で22回だが、ぜひとも50回まで続けて欲しい、との嬉しいお言葉をいただいた。

ホワイト氏は約8年間豪日交流基金事務局長として日本での代表を務めてこられたが、この6月で退任される。長きにわたり日豪文化交流に貢献なさっていただいたことに感謝するとともに、今後のご活躍をお祈りしたい。

さて、いよいよ竹田いさみ先生(獨協大学教授)による基調講演である。竹田先生は日豪合同セミナーの第一回目の立ち上げにも携わっておられ、久々のセミナー参加に感慨深気であった。

演題は「アジアとの出合い−「北を向くオーストラリア」の発見」。「北を向くオーストラリア」とは今年のセミナー実行委員長長坂寿久が1978年に出した本のタイトルである。残念ながら発行元の倒産により現在は絶版となってしまったが、オーストラリアに関わる者なら知らぬ者はないほどの名著である。竹田先生は、若い頃この本を読み感銘をうけ、いつの日か自分もこのような本を書きたいものだと憧れ続け、そしてやっと昨年、中公新書「物語オーストラリアの歴史」を出すことが出来た、との話から講演は始まった。

話は先生がどうして現在の研究者になろうと思ったのか、といった話から、海外への憧れ、アジアを旅したこと、と繋がり、先生御自身のアジアとの出合いとオーストラリアのアジアとの出合いに進んでいった。ところが、ここから話が佳境に入るのでは、というところで時間となってしまった。どうやら、この続きはこの後の分科会で、ということのようだ。しかし、それでは竹田先生の分科会を選んでいない参加者にとっては欲求不満が残ってしまうのではないか。いや、大丈夫。先生の生の講議は聞けないが、この話の続きは中公新書「物語オーストラリアの歴史」を読んでいただければ良いのである。

最後に分科会の講師紹介(一番上の写真)があり、参加者は講堂を後に、各々の分科会に散っていった。

長坂寿久日豪合同セミナー実行委員長
開会挨拶


テリー・ホワイト氏
オーストラリア大使館挨拶


竹田いさみ獨協大学教授
基調講演




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