コンポステラの日々 第3回
1988年の終わり頃、ルナパークアンサンブルは解散した。その頃篠田昌已ユニットのライブを見に行った。あれは篠田昌已ユニットの2回目のライブだったと思う。メンバーは篠田昌已、中尾勘二、大熊亘、西村卓也、久下惠生の5人。ちなみに当時の大熊はキーボード奏者だった。後の「COMPOSTELA/篠田昌已」に収録された曲を中心に、より下世話な曲も取り混ぜた構成だった。音楽の事を言葉で表現するのは苦手なのだが、曲も演奏も素晴らしく、今自分が参加したい音楽はこれだと思った。次の年の春の今井次郎をゲストに迎えた3回目のライブも見に行き、8月に行なわれた4回目のライブには参加した。それにあたって中尾勘二から篠田昌已ユニットでカバーしている曲の原曲を聴かせてもらった。篠田昌已ユニットのカバー曲は、中尾勘二の愛聴盤からカバーしている曲が多いのだが、原曲を聴いてみるとほとんど同じアレンジでやっている。当時の僕は、原曲をいかに面白くアレンジするかがカバーをやる作法だと思っていたが、中尾勘二の「原曲の演奏の精神をカバーしたい。」という言葉になるほどと思った。篠田はその4回目のライブで篠田昌已ユニットを一度終了した。
僕が参加した篠田昌已ユニットのライブの後、篠田から中尾と3人でユニットを作りたいという話があった。
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