[これまでの経過]
10月18日、富戸漁港で、地元漁協の追い込み漁により、およそ200頭のバンドウイルカと50頭のゴンドウクジラが湾内に追い込まれ、このうち6頭のゴンドウクジラと約26頭のバンドウイルカが、21・22日に下田海中水族館をはじめとする6つの水族館に買い取られました。
水族館に売るための選別作業で、イルカ・クジラはパニックに陥り、逃げ惑い、傷ついて、海は赤く染まりました。子イルカを必死でダイバーの手から逃れさせようとする親イルカや、捕獲されようとするゴンドウクジラを1時間以上も群れで取り囲んでダイバーから守るなどの場面もあり、この様子はビデオにおさめられました。
21日の夕方に5頭のイルカが屠殺されたのに続いて、22日からは捕獲が認められていないゴンドウクジラ7〜8頭を含むおよそ30頭が殺されました。富戸漁港の捕獲枠は、水産庁によって年間75頭のバンドウイルカと決められていますが、ゴンドウクジラ類は含まれておらず、今回の捕獲は明らかに違反行為です。屠殺の直前に4つの保護団体などが連名で違反捕獲を中止するよう申し入れましたが、屠殺はそのまま続行されました。
23日には、申し入れをした水産庁や県も捕獲枠に違反するゴンドウクジラの捕獲と水族館の買い取りの事実を認め、水揚げ頭数が捕獲枠に達したとして、湾の入り口の網が外され、残っていたイルカ・クジラは解放されました。また静岡県は不当に捕獲され、水族館に売られたゴンドウクジラの解放を漁協に指示しました。
[現在の状況]
6頭のゴンドウクジラは、現在も下田海中水族館と伊豆三津シーパラダイスに入れられています。水族館側は、「ゴンドウクジラの生態調査を行い、保護に役立てる」ために飼育を希望し、水産庁はこの意向を評価しているとの情報が入っています。解放のための費用の負担など、県の指導はあいまいで、このまま時間が長引けば、劣悪な飼育環境で健康を損なう恐れがあり、また捕獲枠を破る違反操業を許すことにもつながり、さらなるイルカ・クジラの受難を生みだします。
この状況を重んじ、以下のような緊急の抗議文に署名して、国と水産庁、各水族館、水族館の事業主にFAXで送付していただきたいと思います。また独自の抗議文を送っていただいたり、抗議の電話をしていただければ幸いです。
次のページに、抗議文などの具体的な方法を載せてあります。
現地の写真は、アルバムに整理しました。
(C)1996 Atelier Orca All Rights Reserved.