152mm F4 反射式望遠鏡の改良2

Kochan
 
今回は前回紹介した 152mm F4 反射式望遠鏡改造の改良第2版です。とは言ってもレンズ系の性能が特に変わった訳ではなく

初めての野外撮影で反省したことを外装に改良を加えただけです。その反省とは

1)黒い異様な大きさの反射望遠鏡を構えると鳥たちが皆警戒し、まもなく周りに鳥が全く居なくなってしまう(閑古鳥が鳴く^^;)

2)この反射望遠鏡は大変明るい為、高倍率でありながら手持ちで撮れるのだが1時間もすると腕と背中がだるくなる。仕方ないので重量三脚を取りに帰り、セットするともっと異様な物体になってしまって、鳥たちの警戒感がさらに高まった。(三脚を使用したからと言ってリモートコントロールでシャッターを切る訳ではなく、右手でカメラのシャッター、左手で三脚のレバーを操作し鳥を追いかけながらバシャバシャとやるわけです)

3)日差しが強いと黒体のボディーは結構熱くなる。これでは温度差による鏡筒内の空気の対流が激しく起こり解像度がひどく悪くなる。

以上であるが、上記のどれもこれまでの考えを変更せざるを得ない問題。従って、手持ちはあきらめる(三脚を使用しないと体が持たないし、

待ちの時におちおちタバコも吸えない)。目立たなく吸熱率の悪い外装にする(全てを迷彩色に衣替えする)、 との結論に達した。

早速近場の生地屋さん(キンカ堂)に出かけ、迷彩色の生地を購入、1日かがりで裁縫(小学生の時以来の格闘)をする羽目になった。

その結果が以下の写真です。


迷彩色の柄は結構いろいろな種類が有った。少し迷った(柄に迷わされた訳ではない!)が結局少し明るめで緑の汚い感じの左の写真の様な生地1m角(木綿)580円(普段は980円がサービスデーで安かったので値段に目が眩んだ)を購入。

3次元縫製の設計図(女房も含め世の中では型紙と言うらしい)を引いて大胆にも立体縫製に挑んだ。初めての割には、予定(設計)通りの迷彩色カバーが出来あがった。

三脚には余った生地をクリップで止めて使用する事に。

ところで、これで本当に周りにとけ込んでカモフラージュできるのか不安である。やっぱりグロテスクで異様な物体に見えるのだが。

結果は次の野外撮影で、鳥たちが答えを出してくれる。

この迷彩色と全く同じ帽子も購入した。自衛隊に入隊した気分。

ミリ単位で望遠鏡に会わせたため洗って縮むとアウトだ(特に後ろの部分の丸い筒の袋辺り)。


今回の改良とは関係無いが、反射望遠鏡は明るくて大変すばらしい解像度を持っている。反面、1点の画像情報でもいろんなパスで大きな口径めいっぱい入ってくるのをまた1点に結像させる為、空気の揺らぎなどがあるととたんに解像度を落としてしまう(口径の大きな物は全て同じですが)。かといってカメラのF値を大きく設定すると、第一ミラーの陰が真ん中に大きく写ってしまう(せっかくの大きな口径だが小口径として使うと第一ミラーそのものにもろにケラレてしまう為)。屈折望遠鏡だったら中心に変なものが無いため、カメラのF値を広く選べるが、反射望遠鏡の場合は常に最小のF値(最大口径を使用した明るさ)でしか使えない。これは、常に被写界深度が最も浅い状態で使用しなければいけない事を意味する(実際、望遠鏡でF4ともなると相当浅い:無限遠と200m先の鉄塔は同一のピント内には入らないが、カメラの自動焦点調節内には十分にはいる)。この辺の不便さは、明るい被写体なのでレンズを暗く使い、焦点深度を深く、移動被写体を捕捉しやすい様にしたいなどの操作が全く出来ない所にある。

屈折望遠鏡と2台持ち歩いて使用できればベストなのだが、相当な総合重量となり、アシスタントが必要になってしまう。車で移動するのであれば2台をセットしながらの撮影も、と安易に考えてしまうが、こんな事をしたら鳥たちがパニックになるのではと考え直すKochanなのでした。仕事だったらテントを張ってロケーションするのでしょうね・・・