道すがらの口福
七条本町/わらじや

七条通、三十三間堂や国立博物館の一角にある、うなぎ料理の老舗。
建物からして、老舗感ばりばりのたたずまいである。
いつもの一人旅では、予約のとりにくい店であるが、人を案内する機会があったので、ちょっと贅沢をしてみた。
入ってみると、離れの座敷があてがわれたので、なるほど、単独行では無理のある環境である。
看板料理は鰻鍋&鰻雑炊のコースで、時々、そのコースしかメニューにないと紹介されているが、そんなことはない。
今回はコースを人数より少なめに注文し、蒲焼きと鰻巻きを適量加え、人数分に取り分けてもらって、昼から酒を楽しむ宴会風になった。
それぞれお味もよくボリュームもあって、お酒がどんどん進んでしまう。

お銚子が見た目小ぶりで、おいおい、これじゃ六勺も入ってないんじゃないか、とぶーたれていたら、あらあら不思議、汲めども汲めどもけっこう出てくる。
よほど薄く作られているものかと思うが、その面白さもあって、時々持ち帰ってしまう不心得者が出現するらしい。
仲居さんが、冗談めかしつつそういう話題を持ち出したのは、さりげない予防措置だったのかもしれない。
もちろん私は持ち帰っていない。

写真は鰻雑炊だが、土鍋がこれまたよく使い込まれた優れもののようで、余熱でぐつぐつと小さな泡を立てているし、食べ終るまでけっこう時間がかかったが、最後まであたたかくいただけた。

 東山区七条本町東入ル
 075-561-1290
もちろん中身もすぐれもので、鰻はあらかじめ表面が焦げる程度に焼いてあって香ばしい。
関西風の直焼きなので、蒸して油を落とすやり方になれている関東人で、これまた鰻そのものが固いと文句を書いている人も見かけるが、それは狭い固定観念というものであろう。

最初の干菓子と抹茶から、最後の果物とほうじ茶まで、気がつけば2時間ばかり。
いい心持ちになり、満腹になったのはいいが、おっと、午後の散歩予定は少し早足で歩かねば。

(2010.1)

わらじや地図


道すがらの口福

京都まにあ