マレーシアからの便り7


これから暫くはマレーシアから便りは、だいたい1週間毎に紹介するでげす。石橋さん、スゴイでげすネ〜、ありがとうでげす。でも、仕事もしてね・・・でげす。
今回は、マレーシアの人種政策の話題でげす。


 マレーシアのテレビでついにマックを発見したので、お知らせします。4月19日(日)地元連続テレビドラマで、The life of Richとかいう題名です(内容は、マレーシアのある金持ち中国人家庭のドラマ)主人公の男性がPB5XXを使って手紙らしきものを書いていました。
 
それから、もうひとつアメリカの連続コメディーもの(columbia picture制作)News Radioアメリカのある小さなラジオ放送局を舞台にしたコメディー(日本でも放送されていますか?)
主人公David Fally の職場デスクの上には、いつもDUO280(たぶん、液晶のサイズ、トラックボールから)があります。開いて使っている日と、閉じて置いてある日があります。ドックなし、ACコードのみ接続ですから、レポート作成でもしているのでしょうか。

マレーシアでは窓95機器しかないと思っていたら、テレビではMacも見られるんでげすネ。News Radioを日本でやっているかどうか、おいらは知らないでげすが、どなたか知っている方はメールチョウダイでげす。たぶん、衛星放送かなんかでやっているのかな?

マレーシアからの便り(7)

【人種政策】

 マレーシアの人種は、60%以上を占めるマレーシア人、30%の中国人、残り10%は、インド人やその他外国人です。
 
このため、30 年ほど前の総選挙で政治はマレーシア人に独占されて以来、マレーシア人を優先する人種政策(プミプトラ)が施されています。
 
具体的には、公務員、国立大学の入学はマレーシア人が優先、さらに、民間企業では従業員の一定割合以上の、マレーシア人雇用義務があります。
 
海外への国費留学生は、マレー人が独占し、留学中のすべての経費を国費で賄われ、しかも帰国後の就職の斡旋も国がしてくれます。

 また、住宅価格の5%割引や、メッカ巡礼の旅行費用の一部国費負担等、さまざまなマレー人優遇制度があるそうです。このような制度施行に嫌気をさした中国人が、マレーシアを脱出して新たにシンガポールを作ったそうです。

 現在、マレーシアのマハティール首相は、西洋先進諸国の仲間入りを果たそうと、シンガポールを手本に急速なマレーシアの近代化を推し進めているのですが、これは家出した息子の商売が絶好調で、実家でも真似を始めたという、とても皮肉な結果ですね。
 
インドネシアでは、この人種政策がさらに露骨だそうです。
しかもマレーシアと異なり経済界の中国人支配が弱く、今回の深刻な経済危機を招いたそうです。
 
現在、インドネシアのお金持ちの中国人が資本と共にシンガポール、香港、マレーシアへ脱出していることは公然の秘密だそうです。

これに対してマレーシア経済は、中国人が支配しています。

 中国人は、中国人学校にて中国語、マレーシア語、英語を習得し、高校卒業後、外国の大学(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、日本など)へ留学し、帰国後経済界で活躍しています。
 
日本に来ている東南アジアからの留学生は、帰国すれば超エリートです。私の会社でも、マネージャー以上の管理職のほぼ9割以上が中国人です。
 職場の中国人も全員中国語、マレー語、英語さらに日本への留学経験のある人は日本語も話せます。たいしたものです。(ちなみに、マレーシア人は、マレー語、英語、そして毎日のお祈りで使うアラビア語を、またインド人は、インド語、英語、マレー語の3カ国語を話せます。)

 マレーシアでは人材不足のため、日本のような年功序列制度がなく20代、30代で部長クラスがざらにいます。日本でいうと、アメリカ留学帰国後いきなり大企業の課長や部長になるようなものです。つまり、大手銀行、製造業、サービス業、流通業などの、世の中を動かす企業の要職に30代の若い中国人が登用されています。
ですから、マレーシア経済は、タイ、インドネシアのような危機に陥ることはないと、地元の中国人が言っていました。

 いっぽう、マレーシア人は、一般的にのんびりしていて、仕事に対する野心、執着心というものが希薄です。なぜなら、物価が安く、住居も安く、常夏の気候であるマレーシアでは、生活していくことに大きな困難を伴わないから。
 
そのため、マレーシア人労働者は、内容、地位よりも休みが多い仕事を喜ぶそうです。当然、日本人のような高額の貯金などしません。マレーシア国内の銀行の貯金の9割程度は、中国人の貯金だそうです。と、中国人が言っていました。

 このような、人種政策、人生観、社会構造の結果が、現在のようなマレーシア社会を形成しているため、経済的な繁栄を最も享受しているのは、当然中国人です。高級コンドミニアムや、高級住宅の住人の大半は、中国人ですし、彼らは、第2、第3の住居を高額で外国人に貸して不労所得を得ています。しかも、マレーシアには相続税がないので、金持ちはいつまでも金持ちでいられるということになり、主に、裕福な中国人が、マレーシア人、インド人を使用するという関係が一般的のようです。

 私ですか? はい、日本人の私は、中国人の所有するコンドミニアムのアパートに住み、空輸したチキンラーメンをすすりながら、時々は辛いマレーシア料理やインド料理、中華料理を食べ、マレー人の運転する会社のバスで通勤し、インド人掃除婦さんのいるオフィスで、中国人マネージャーやマレー人にカタコト英語を使って、朝から晩までだらだらと働いています。

相続税が無いとは羨ましいでげすネ。おいらも、マレーシア人だったら良かったでげす。のんびりと、休みの多い仕事をしていたいでげす。でも、Macが無い国なんでおいらにはここでの生活は無理でげしょうね。


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