マレーシアからの便り6
お待たせしたでげす、マレーシアから便りが来たでげす。石橋さん、ありがとうでげす。
今回は、マレーシアの自動車の話題でげす。
マレーシアからの便り(6)
マレーシアも自動車が交通手段の主流で、高価ですが街にあふれています。日本のようなRV車のブームはなく、ほとんどが、3ボックスタイプのセダンです。今回は、マレーシアの自動車の話題をお送りします
【自動車の値段】
贅沢品である自動車は、シンガポールと同様非常に高価で、唯一日本よりも高い商品といえます。国産車(プロトン等)も高価ですが、外車はさらに高価です。つまり国産車を保護するために、なんと、輸入車には160から300%の関税が課せられ、アコード1000万円、ベンツ2000万円、カローラでさえ500万円もしますし、中古車の値段もあまりさがりません。これは、物価水準からいうと、日本でベンツが6000万円で販売されることですから、道路上を家が動いているようなものです。
このようにして、外車から保護している国産車プロトンWIRA(1300ccの最低グレード)が170万円程度ですが、これでも20才台独身サラリーマンの年収を軽く超える額のため相当高価な商品です。
【国産車】
プロトン社は、三菱自動車と提携して、ミラージュやギャランを基に国産車を作っています。ただし、エンジンは三菱製をそのまま搭載しています。またシトロエンとも提携して最小モデルのAXをプロトンティアラという名前で販売しています。
同様に、ダイハツミラ(エンジンは850cc)がKANCIL(社名カンチル)として販売されていますし、軽ワンボックスの鼻を伸ばしたワゴンも新発売となりましたが、これは日本でもヒットしそうなモデルです。
【輸入車】
安全性と耐久性と性能に関しては外車の方が優れているために、高価な輸入車の人気は高く、街では、ホンダ、マツダ、トヨタ、ベンツ、BMW、ボルボ等をよく見かけます。
輸入車の大半は、日本車ですが、以下欧州各国の車。このうちホンダ車が特に多いような印象を受けますが、なぜか外国で見かける日本車は、実にかっこいいですよ。
【オートバイ】
自動車を保有できない人は、ホンダとスズキとヤマハのオートバイに乗っており、それらは、日本にはない東南アジア専用モデルです。エンジン排気量125cc程度、泥よけとしてあのスーパーカブの膝カバーがあり、前輪のカバーの上にニワトリのトサカのようにナンバープレートが付いています。
風をよけるために、ジャンバーを後ろ前に着て乗っている人が多く、始めは奇妙に感じましたが、これは、グッドアイデアですね。
【交通事情】
マレーシアでは、自動車以外の交通機関がほとんどないため、非常に高価であっても車の保有台数は多く、特に首都のクアラルンプールでは朝晩の通勤通学時のラッシュが東京都内並みだそうです。
イギリス植民地だったことから、道路は日本と同じ自動車左側通行です。しかも法律で右ハンドルが義務付けられているために、全ての車は右ハンドルです。つまり、日本車はもちろんのこと、ベンツ、BMW、ボルボ、ランチァ、シトロエンすべて右ハンドルです。(だから、アメ車は皆無)
日本のような信号はほとんどなく、たいてい一方通行と、ロータリー、左折は常時OKという方式、つまり、町中の幹線道路が首都高のような状態です。このような道路状況ですから、歩行者への配慮はなく、横断歩道はありません。そのため、道路を横断するのは命懸けです。現地の人は、一度に横断するのではなく、まず道路中央まで行き、いったん車をやり過ごしてから悠然と歩いて渡っています。ドライバーも慣れたもので、センターライン上の歩行者の脇をスピードを落とさずに走行していきます。
初めは、慣れるまでは恐くてできませんでしたが、最近は道路中央で立っていても平気になりました。このような訳で、交通事故は非常に多く、毎日ローカルニュースでは悲惨な事故の様子を生々しく報道しています。
昨日は大型バスが高速道路料金所へ激突したというニュースがありました。事故車は原形をとどめないまでつぶれている場合が多く、日本と違って犠牲者を担架で運ぶ場面も報道されており、これには驚きました。
【タクシー】
ペナンのタクシーは、メーターがないため、運転手は、日本人に対して、割り増し料金をふきかけてきます。そこで乗る前にまず、価格交渉が必要です。だいたい市内3kmほどの距離で250円ほどですから、日本のバス料金並みです。こちらのバスは、激安30円で乗れますし、冷房のついていない車体は、さらに安く25円です。
タクシーによるペナン島内観光は、1時間当たり1000円、半日で5000円ほどですが、交渉次第では3500円くらいに値切れます。(以上は、1マレーシア$=35円の場合)
【交通事故】
運転マナーは悪く、車間距離がほとんどないため、日本の運転感覚でいると、すぐに割り込まれてしまいます。
交通事故を起こした場合、被害者を助けようと車から降りると、周りの現地人が目には目を、歯には歯をのイスラムの教えどうり、加害者へ集団リンチ加えるため危険があるため、まず現場から逃げるのが鉄則だそうです。
警察へは、24時間以内に届け出をすればよいことになっています。
【クラシックカー】
マレーシアでは、街そのものが、自動車の博物館のように新旧の車があります。
日本ではすでに絶滅しているような古い車が、よく錆びずに原形をとどめて現役で走り回っていますので、車好きの人なら、一日中街を見ていても飽きないでしょう。
特に日本車は多く、10年前のモデルはまだまだ新しい部類で、あらためて日本車が優秀であることに感心しました。
では、どのような車が有るかと言うと、初代モデルとして、シビック、アコード、カローラ、ホンダライフ、ギャラン、ランサー、シグマ(みなさん覚えていますか?)
特にシビックは人気車種ですから、初代から最新式モデルまで多くの台数が走っています。4代前のFRのカローラやサニーはまだまだ新しい部類ですし、さらに、珍車としては、サニーエクセレント、マツダFRファミリア(プレストのタイプ)、非常に古いカペラ1600Deluxe、三菱コルトギャランバン、、、が動いています。
外国車では、VWビートル、VWワンボックスワゴン、オースチンミニ、ミニクラブマン、FIAT127、おそろしく古い丸型ボルボ、縦目よりも前のベンツ等をみかけました。一度だけ、トランクのついた3ボックスのオースチンミニクラブマンのような車を見かけました。(自信はありませんが)
このように古い車を見ると、自分の子供の頃を思い出して、なつかしい友達に会ったような気持ちになります。
これらのクラシックカーが、最新ベンツSLKやEシリーズ、ホンダオデッセイ、CR?V、ビート等の車と同じ道を走っています。
【盗難車】
自動車の価格が高いために、中古価格も下落せず、人々は大切に乗っています。
これらの古い車がまだまだ現役で活躍できる理由は、中古部品市場があるためで、そのため自動車の盗難も多く、特に、自動車の部品が盗まれることがよくあるそうです。そこで盗難防止策として、新車では全モデルにワイヤレスドアロック、盗難アラームが標準装備され、しかも、大半の車の窓ガラスにはショットブラストによって、ナンバーが刻印されています。そうすると中古部品として販売できないからだそうです。
すごい国ですね。
先日乗ったタクシーは、かつて吉永小百合が『日本の新しい薫り』(?)と宣伝していたクラウンでした。(今では古くなったので、南の島で稼いでいます)
マレーシアで事故を起こしたら、直ぐに逃げることでげす。また、盗難防止機器が標準装備なんてスゴイでげす。う〜〜ん、マレーシアからの便りを読む度にすごい不思議な国なんだなっていつも思うでげすヨ。