マレーシアからの便り26


 まーくんさん、お元気ですか。

小学校、中学や高校の授業で習った理科や社会などの勉強は、試験の後にはたいていきれいさっぱり忘れてしまうものですが、大人になってから体験するいろいろな事柄について、ああそう言えば確かこれは高校の地理の授業で習ったようだ、あるいは、これは世界史で暗記した年号の事柄だなあと思い出すことがあります。学校の勉強は決しておろそかにしてはいけませんね(注:本文は文部省非推薦です。)

そこで、今回は地理と世界史の授業を思い出す話題をお送りします。題して、世界は広い。


マレーシアからの便り(26)

【英連邦競技会】

 すでに、マレーシアからの便り(23)でご紹介した、今年のマレーシアの最大イベントである、第16回 英連邦競技会COMMON WEALTH GAMES KUALALUMPUR 98が、いよいよ始まりました。これは、4年ごとに世界各地で開催されているイギリス連邦の国(旧植民地)のスポーツ大会(ミニオリンピック)です。これは世界の約60カ国の参加する大会であり、オリンピックに次ぐ規模の大きなスポーツ大会です。マレーシア国内の各競技場で、10日間さまざまな競技が開かれますが、開催期間中は学校が休み、会社でも休暇を取って観戦する人が多数います。

 ペナン島では、たしかホッケーの試合が開催されるとのことです。

【開会式】

 開会式が首都クアラルンプールの国立競技場で9月11日夜8時半から夜中12時すぎまで開催されました。国家あげての大プロジェクトであるこの大会ですから、テレビ中継も徹底しており、マレーシアの全テレビ局計4局のうち、全く同じ中継映像を放送しているのが3局、残り1局も大会特集を組んでおり、結局マレーシアのすべてのテレビ局がこの大会の放送をしていたのです。貴賓席には、国王をはじめとして、首相と閣僚、各国の大使、また私の記憶が正しければ、IOCのサマランチ会長も鎮座していました。

【人間ディスプレー】

 今回アナウンスでは、5000人のHuman Graphics と呼んでいましたが、甲子園野球の応援でおなじみの客席の人間ディスプレーが見事でした。会場正面真向かいの客席中段 200X25 席の人間 5000人が、それぞれ色のついたボードを持ち替えて各国選手団の入場に合わせ、巨大な国旗と国名と大会のシンボルマークを随時ディスプレーしていました。

【各国選手の入場行進】

 国名のアルファベット順に、60ヶ国の選手団が入場してきましたが、こんな国が英連邦だったのかと、感心させられたり、いったいどこにある国か全く見当のつかない国名であったりと、ずいぶんと社会科の勉強になりました。

以下に私の知識で分類した参加国を並べてみると、(選手団の特徴です)

1)有名、その位置も当然知っている参加国と地域:

Australia、Canada、England、Forkland Island、Ghana、India(男性は頭にターバン、女性は額に3つめの目)、Jamaica、Kenya、Mozambique、New Zealand、Pakistan、Papua New Guinea、Scotland(タータンチェックのスカートにバグパイプ)、Singapore(東京オリンピックの日本選手団のユニフォームを連想させる白と赤のユニフォーム)、South Africa、Sri Lanka(今大会一番の美男美女チーム)、Uganda

2)名前は知っているがどこにあるか分からない参加国:

Dominica、Fiji、Gibraltar(白人)、Grenada、Guyana、Maldives、Mauritius、Namibia、Samoa、Seychelles、Solomon Island、St. Helena、Tanzania、Tonga、Trinidado & Tobago(多種人種の混合チーム)、Vanuatu、Wales、Zambia、Zimbabwe(白人と黒人の選手混合)

3)名前も場所も分からない参加国:

Gambia、Guernsey、Isle of Man(選手は白人)、Jersey、Kiribati(男性3名のみ、民族衣装に裸足)、Lesotho、Malawi(白人と黒人の混合チーム)、Malta、Montserrat、Nauru、Norfolk Island、Northern island、Sierra Leone、St.Kitts & News、St. Lucia、St. Vincent & the Grenadines、Swaziland、Tarks & Cakos Island、Tuvalu(頭にターバンの男性選手1名のみ)、

 あらためて、イギリスが大英帝国としてアフリカやアジアにとどまらず、地球の果てまでも覇権を伸ばしていたことを思い知らされました。しかも、南アフリカをはじめとしてイギリスから遠く離れたいくつもの参加国選手団のほぼ全員が白人(イギリス人)であるのを見ると、いまだにイギリスがそれらの国に大きな影響を及ぼしていることが分かります。これにも大いに驚きました。

 最後に、開催国の Malaysia 選手団が入場してきた時には、国王、首相、大臣たちも思わず起立、観衆の興奮も最高潮に達しましたが、9ヶ月の新米マレーシア人である私も思わず目頭が熱くなってしまいました。


 う〜ん、おいらの知らない国もイッパイあるんでげすね。イギリスというとDZIのNaoさんの住んでいる所でげすね。そういえば、Naoさんはマレーシアのクイズは全問正解でげした。なんだか、運命的なものを感じるでげすネ。(笑)


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