マレーシアからの便り23


 日本では、今年1998年は、長野オリンピック、そしてワールドカップと大スポーツイベントに国中が興奮しました。南国マレーシアでは、その土地柄から長野オリンピックについての感心は皆無で、開会式の様子が10秒ほど海外ニュースで取り上げられただけでした。ただしワールドカップについては、まさに国中が注目し多くの人々が日本と同様に深夜のテレビにかじりついていました。ところが、マレーシアでの今年最大のイベントは、長野オリンピックでもなく、ワールドカップでもない別のものです。今回は、その話題をお送りします。


マレーシアからの便り(23)

 98年、私がマレーシアに赴任した今年は、偶然にもマレーシアそしてペナン島はいろいろと大きな行事の当たり年となっています。最近は特に祭りの前日の雰囲気が漂ってきました。

【独立記念祝典】

 今月8月31日のマレーシア独立記念日には、国主催の公式な記念の祝典がペナン島で開催されます。これは、今年クアラルンプールでは後で述べる大イベントの準備で忙しいため、独立記念祝典は今回だけ特別にペナンで開催されることになりました。現在このための準備がすでに始まっており、今月始めからペナン島の主要な道路の街灯には、いたるところマレーシア国旗とペナン州旗が掲げられています。ちなみに青い下地に黄色の月と星その横には白い下地に赤いストライプがマレーシア国旗です。
 さらに、式典会場のメインロード上には、仮設ステージが設置され次第に祭典の雰囲気が高まってきました。この式典には、マレーシアの国王、首相、各大臣らオールスターが勢揃いし、国家事業であったペナンブリッジの竣工式以来の、大式典となるらしいです。

【英連邦競技会】

 今年のマレーシアの最大イベントは、9月11日から21日まで首都のクアラルンプールを中心に開催される第16回 英連邦競技会です。正式名称は、英語ではCOMMON WEALTH GAMES KUALALUMPUR 98 マレーシア語では、名詞と形容詞が逆になって、SUKAN COMMONWELS(スーカン コモンウェルス と発音)これは、名前通り世界中の英連邦の競技者による4年に一度のスポーツ競技会でして、いわば英連邦の夏のミニオリンピックです。

 英連邦(イギリス連邦)というのは、イギリスとイギリスから独立した諸国および直轄植民地、自治領からなる、イギリスチェーン諸国のことです。これはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、インド、南アフリカをはじめとするアフリカの諸国等、総勢30数ヶ国が含まれています。このことから、かつての大英帝国は世界中に勢力を拡大していたことが分かります。しかしマレーシアへ来るまで私は知りませんでした。

 そして今回の大会が第16回ということは、第二次世界大戦以前から開催されていたわけですが、この競技会の起源は、世界中に点在していたイギリス植民地の結束を固めるためのお祭りであったのでしょうか。
 
しかも今年のマレーシアでの開催が、アジアとしての初開催になるため、マレーシアとしては非常に名誉なこととして、それこそ国家揚げての大イベントという扱いです。そのため準備は、国家事業として進められ、競技場や交通機関の建設状況などが、連日報道されています。


【大宣伝】

 すでに昨年からマレーシア国内のテレビラジオでは、この大会のテーマソング(英語とマレー語バージョンが交互に登場)、マスコット人形(ちょっと面長な顔で体型は人間に近いサル)が各番組の合間に頻繁に登場して、スーカン コモンウェルス!と連呼しています。

 また、各種競技選手の特別番組や大会の知名度を高めるためのスポーツクイズ番組も各局で頻繁に放送されています。また、バスのボディーをはじめ、各公式スポンサーの商品であるビール、ジュース、紙コップ等にも宣伝が付いて、まさにマレーシア国中がコモンウェルス一色状態です。
 これら国威発揚の雰囲気は、かつての東京オリンピックや札幌オリンピックを控えた日本の状態に似ているのではないでしょうか。(ただし、当時のことを詳細に記憶しているわけではありません)。


 ところで、このコモンウェルスの頻繁なマスコミの宣伝には、本当に耳たこ状態になっていますが、日本人の私にはどうも逆の意味に聞こえてなりません。

好かん、コモンウェルス!


 うひゃ〜、石橋さんラッキーでげすね。第二次大戦以前からというと、何年に1回なんでげしょうか。やっぱり、4年に1回なんでげしょうか。


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