マレーシアからの便り20


 まーくんさん、お元気ですか。マレーシアからの便りも回を重ねとうとう第20弾を迎えることができました。ずぼらな私がこれだけ連続して投稿できたのも、まーくんさんをはじめ読者のみなさまのおかげです。世界規模でリアルタイムに双方向通信を実現するインターネットの存在あってこそです。今更ながら感心してしまいます。
 今後も、どんな人に読んでもらっているのかよく分かりませんが、とにかく面白くて少しだけ外国の雰囲気を紹介する路線で続けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 石橋さん、ホントにどうもありがとうでげす。この便りがはじめて送られてきたときは、嬉しくてHPのトップページに載せたことが始まりでげした。それが、毎週のように定期便で送られてくるとは、思ってもいなかったでげす。20回を越えてもお願いするでげすネ。


マレーシアからの便り(20)

先週から、急にペナンの街中で日本人観光客の数が増えたと思ったら、日本では夏休みが始まっているようですね。そこで夏休みと言えば定番の盆踊り。

今回は、国際色豊かなペナンの盆踊り大会の話題をお送りします。

【ペナンの日本人】

 マレーシアのペナン島には、(おそらく)首都クアラルンプールに次いで多くの日本人が滞在しており、その数は家族を含めて総勢約千数百人です。大きなデパートには、日本食材も販売されており、なんと納豆まで空輸されています。しかも、ここには小規模ながら小学校と中学校の日本人学校もあり、日本人の家族が滞在するにはあまり不自由することのない環境が整っています。なお高校生になると、ペナンのインターナショナルスクールもしくは、シンガポールにある日本人学校へ進学するそうです。

【ペナン日本人会】

 ペナン日本人会は、滞在する日本人のために、各種地元情報の提供、奥様がたにとっては各種の趣味(お茶、お花、テニス等)のクラブを通して友人知人との社交場の提供、旦那にとっては、季節ごとに開催されるソフトボール大会、ゴルフ大会、テニス大会等の日本人間の親睦の場として重要です。そして、地元との交流を深めるために、チャリティー盆踊り大会が毎夏に盛大に開催されているというわけです。

【盆踊り大会】

 さる7月25日土曜日の夜6時から10時まで、ペナン日本人会とペナンマレーシア協会(略して日馬協会)主催のチャリティー盆踊り大会が開催されました。これは、すでにペナンでも有名な毎年恒例の夏祭りになっているそうです。

【チャリティー食券】

 踊りの会場をぐるりと取り囲むように並んだ屋台や売店で使用する食券の売り上げの一部が地元の団体に寄付されるそうです。このチャリティー食券は、1冊分(額面20リンギット、日本円で700円)が前売りや当日会場入り口で販売され、日本人はもとより、中国人、マレー人、インド人などさまざまな人たちが購入してきました。食券の販売数だけでも合計1000冊以上だったそうですから、人気のほどがうかがえます。

【踊りの稽古】

 この大会のために、ペナン日本人会の婦人会の人たちが日馬協会の現地の人と共に、1ヶ月前から踊りの稽古をしてきたそうです。まあ、日本では、町内会の練習のようなものですね。これには、日馬協会の現地人も、浴衣も自前で作り着付け教室も開催されるという熱の入れ様です。しかも毎年参加しているために、踊りはむしろ日本人よりも上手との評判です。

【会場】

 大きな広場として選ばれた会場は、ペナン島観光名所のひとつコーンウォリス要塞の横にあるイベント開催用の広場ESPLANADAでした。海に面したこの要塞は、海路から侵略してくる外敵を防止するために名前から分かるようにイギリス統治時代に建設されたものだそうです。現在では、要塞の建築物と記念の大砲数門が、海外からの多くの観光客を迎えています。

【盆踊り】

 サッカーグランド2面はあるような大きな広場の真ん中の仮設ステージ上で、浴衣姿の日本人とマレー現地婦人が盆踊りを披露していました。アナウンスでは、盛んに皆様もごいっしょにどうぞ踊ってくださいとの案内が、日本語、英語、中国語で流されています。

 初めは食べることに夢中だった人たちも次第にステージの周りに集まり、見よう見まねで踊りの輪に加わっていくのは、日本と同じですね。特に、印象深かったのは、緑色に金色、黄色赤色の縁取りをしたマレーシアのはなやかな民族衣装をまとった美しい女性が、踊りの輪のなかでたどたどしく楽しそうにおどっていたことです。

 ところでビールを飲んでいるのは、主に日本人ばかりでしたが祭りの雰囲気はいずこも同じで、飲めや歌えやの熱気が次第に上昇し、マレー人、中国人も、結構な盛り上がりを見せていました。

【名曲】

 盆踊りの合間には、日本から呼んだ女性歌手のステージがあり、日本語、英語、中国語を駆使して大いに会場を盛り上げてくれましたが、この方は今回で3年目のチャリティー出演だそうです。歌う曲は、中国人向けに、テレサテンの日本での大ヒットした曲、マレー人向けに英語のスタンダード、そして日本の歌としては、やはりスキヤキソング(上を向いて歩こう)でした。異国の地で聞く上を向いて歩こうは、なぜか心に迫るものがあります。

【屋台】

 夏祭には欠かせない屋台は、広場を取り囲むようにずらりと並んでいました。これらは、地元のマレーやインド料理の本物の屋台(当然激辛、フッケンメン、ヤキメシ、やきそば、焼き鳥の揃い踏み)、高級ホテルからの出張屋台(お寿司やたこ焼き、ハンバーグ)、そして日本料理店からの出張屋台(日本食のおでん、焼き鳥)等、それぞれ自慢の味を競い合っていました。その数全部で数十件です。特に日本料理の屋台で人気があったのが、揚げたてのコロッケです。日本人はもちろん、中国人やマレー人にも大人気で、あっという間に売り切れていました。コロッケは、万国共通の人気お惣菜なんでしょうか。

 こういう様子を見ていると、国際紛争の調停会議も今回のような盆踊り形式でやれば、随分となごやかな雰囲気になること確実です。円卓会議の代わりに、踊りのステージを中心に、各国代表者も交渉相手国の自慢料理をほおばりながら、踊りの輪に加われば、妥協案も早期に合意されるのではないでしょうか。

 ところで、盆踊りの曲名ですが、マレーシアペナン島の夜空に響いたのは、当然あの名曲でした。

月がぁー、出た出たーの炭坑節、東京音頭、ドラエモン、マジカルタルルート


 マレーシアでも、盆踊りをやるんでげすね。それで、チャリティー食券でどのぐらい食べられるんでげすか。マレーシアの物価からすると石橋さん1人では全部使えなかったんじゃないでげしょうか。どこの国でも日本人会なんてモノがあるんでげすね。コロッケのことも意外でげした。いつかは行くでげすヨ。マレーシア


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