マレーシアからの便り10(緊急版)


 今回はインドネシアの暴動ということもあって、おいらマレーシアが大丈夫かどうか石橋さんにメールしたんでげす。でも、マレーシアは大丈夫でげして、ホッとしたでげす。また、石橋さんからマレーシアからの便り緊急版が送られてきたので、紹介するでげすネ。


【東南アジアの経済危機】

 盗難アジアの話題が、最近のインドネシアの暴動とタイミングが合いすぎて私自身も、驚いています。

 もっと驚いたことは、マレーシアではテレビでインドネシアの暴動が全く報道されていないことです。(当然ラジオでもそうでしょう)
 
この件については、経済危機から生じる社会不安を抑制するために、すでに昨年からインドネシアについての報道はマレーシアでは極端に規制されています。

 先週も、マレーシアがインドネシアへの資金援助に合意したとの報道しかありませんでした。
 
すでに、インドネシアの中国人金持ちは、シンガポールや香港さらにはマレーシアへ資産と共に移動中で、住宅も物色中との情報があります。このため、ペナンの不動産が狙われているそうです。

 そもそも、昨年タイから始まった東南アジアの経済危機については、マレーシアのマスコミでは、economic crisis ではなくて、economic slow down と表現して懸命に社会不安を抑えようと努力しています。

 確かに、以前のマレーシアからの便りに記載してあるように、マレーシア経済は狡猾な中国人が支配しているので、インドネシアのようにはならないでしょう。

 そもそもインドネシアの経済危機は、長期政権についたスハルト大統領の私腹を肥やした腐敗政治が最大の原因です。(と日本にいた時に、知り合いのインドネシアの留学生が言っていました)

 その点マレーシアのマハティール首相は、今のところシンガポールに追いつくため国民の期待を背負って忙しく働いているので、現在のところ政治的には安定しています。

 また、物価も昨年から食料品の一部が15%ほど値上がりしたものがありますがおおむね安定していますので、インドネシアのような暴動や略奪には発展しないでしょう。

 東南アジアは、世界のパソコンの生産拠点ですから、日本を始め米国やヨーロッパ諸国にも今回の経済危機は多大な影響があり、今後も注意が必要ですね。

【不法就労者】

 マレーシアでは、インドネシア人の労働者が経済活動を支えているという現実があるようです。以前のマレーシアからの便りで話題になったメイドや、ゴルフ場のキャディーにも多くはインドネシア人が就労しています。

 特に、経済危機が深刻になっている最近では、インドネシアからの不法就労者の増加が大きな社会問題になっています。彼らはマレー人の賃金の半分で工事現場や工場で働いているため、しばしば当局の取り締まりによって、強制送還されています。

 ビル建築の労働者の大半はインドネシア人だとのことで、建設中は現場のプレハブ小屋に住み込んで仕事をし、仕事中には高い現場から回りの住宅をつぶさに物色しているそうです。そうしてビル建設が終了すると、かねてねらいをつけていた近隣の住宅に屋根伝いに侵入し、金品を盗んでもうひと稼ぎして逃げていくそうです。

 だから、近くで建物の建設中の場合には、完成直後は十分盗難に注意が必要とのアドバイスを、2度も空き巣に入られた現地中国人から受けました。

 あ、そう言えば、私のアパートの隣は、現在大ショッピングセンタービルの建設中、そのまた隣は、25階建ての高層マンションが3棟建設中です。プールやテニスコートで遊んでいると、いつでもビルの屋上から幾人もの作業者がじっとこちらを見下ろしているではありませんか。

 今回のマレーシアからの便りは、インドネシアの暴動で中国系の店や人が襲われているってテレビでやっていたでげすので、心配でメールしたんでげすが、無事でなにより・・・と言うより、マレーシアではインドネシアの暴動は報道されていなかったんでげすネ。どこも、不況だと不法就労者が他国よりやって来るんでげすネ〜。
 石橋さんも、襲われないように、また空き巣には注意でげすヨ。


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