ほのぼのぐーさんの詩15
がまぐちや
ちかくの喫茶店「がまぐちや」には
ちょいと古いテーブルが置かれて あって
コーヒーを飲みにやってくる お客をつかまえては
言うんだ
きみきみ きみの過去はどーだった?
いいこといくつあったの やなこととどっちがおおかった?
たいていの客は それでも短い昼の休みに ほんのちょいと
立ち寄るだけだから ちいさなつぶやきのような こそっとした
そのささやきに 気がつくわけなんかなくって
カップいっぱいに注がれた 煎れたてのコーヒー飲むと
さささっと 席を立ってしまう
ある日のことだった ふらりと迷ったように がちゃりと扉を押して
よろよろと 入ってきたくたびれ人が ひとり
そのテーブルに 腰を下ろした
テーブルはいつものように ささやいた
すると くたびれ人は 出されたコーヒーのまるい味に ちょいと
うれしい目をして見せてから やっぱりささやくように
つぶやいたんだ
「ありがとう。訊いてくれて。きみのその身体のようにわたしももうぼろぼろぼ
ろんこなんだけど、楽しいことがいっぱいだったね。きみとおんなじだね」
その夜 店が閉じたあとで、主も消えた店内で テーブルはひとりつぶやいた
半世紀ぶりに 話せる客があらわれた ああ、この世界だって捨てたモンじゃな
いな、と。
それからひびの入った茶色の天板をおもいっきり反り返らせた
その深夜 風がごうとうなって あたり一帯は騒然とした
#ちょいとささやかな大人の童話てなかんじで書いてみました。がまぐちやは実在します。でもそこでいつもどんなことが起きているのか、テーブルしか知らない。
おいらも、テーブルや身の回りのモノが話せたら、どんなことを言うか考えたことがあるでげす。Macは、ヤキモチヤキというでげすから、もしおいらのPowerBook Duo 2300cスケルトンナイトライダー仕様が話せたら、『どうして、私だけ改造するの。もうやめて。』なんて、言うんでげしょうか。