Adobe Illustrator 8.0が第4四半期に数多くの新機能を詰め込んで登場すると言われている。
AdobeはPhotoshop,PageMakerからいくつかのパレットをIllustratorに持ってきて,生産性を向上させるつもりだ。ペイントソフト風のカラーブレンド向けのグラディアント・メッシュ・ツール,“ライブ”ブラシなどの新機能が加わるという。Photoshop 4.xで採用されているActionsパレットは,よくある作業を行うためのプリセットのスクリプトがいくつか組み込まれている。ユーザーは,フィル,ストローク,グラディアント,オブジェクトの変形などをカスタマイズして記録し,それをイラストレーションに適用することができる。PhotoshopとPremiereからは,Navigatorパレットが採用される。これにより,ズームとナビゲーションのより高度なコントロールが可能になる。PageMakerで使われたLinksパレットを使うと,リンクされた画像,埋め込まれた画像,新しい画像の再リンクなどの状態をユーザーがチェックすることができる。また,このツールを使えば新しい画像を取得して編集することもできる。
新しいグラディアント・メッシュ・ツールを使うとユーザーが複雑なカラーグラデーションを作り出すことができる。ユーザーが複数の色を指定すると,このツールはこの色を複数の方向に混ぜ合わせてくれる。これまでのIllustratorのグラデーションとは異なり,メッシュ・グラディアントは保存して再利用することはできない。
Version 8.0ではその場で編集できる,“ライブ”ブレンド機能が追加されているといわれる。この機能は,パスに連結される形ではなく,編集可能なパスに沿ってブレンドを生成することができるというもの。このブレンドの中の任意のオブジェクトは,移動,削除,リサイズ,変形が可能である。
ペンシルツールも改善されており,ユーザーはオブジェクトの形状変更を,編集している場所の近くに新しいラインを引くだけで可能にしてくれる。さらに,Photoshopの機能に似たFree Transformツールは,スケール,スキュー,回転を1つのツール内で扱うことができる。Smoothツールは,ラフに描かれたスケッチパスをなめらかにし,パスのパーツをスムーズに消してくれる。
Version 8.0にはArt and Scatterというブラシが用意され,葉などの小さいイラストを編集可能なパスに沿って置くことができる。Calligraphicも改善され,フィルされた形状ではなく,パスを生成することができるようになり,エディットが容易になる。このアップグレードでは,写真をテクスチャ付きスケッチにコンバートする,Photo Crosshatchというフィルターが新たに追加されている。さらに,スポイトおよびバケツツールも機能強化されており,ユーザーがテキスト属性をサンプルし,ほかのテキストに適用させることができると情報筋は話している。
Illustrator 8.0では,オブジェクトおよびパスの選択,移動,リサイズ,調整を行うための方法をPageMakerと同じく,オブジェクトの周りに表示される四角い領域を使って行うという。
そのほかのインタフェースの変更として,Layersパレットの中のレイヤーを小さくして,ほかの部分を見えるようにするオプションが用意されている。また,Colorパレットでフィルおよびストロークの管理が可能になった。情報筋によれば,この機能はIllustrator 6.0のPaint Styleパレットに似たものだという。
ファイルがインポートされると,Illustrator 8.0は自動的に新しい色をSwatchesパレットに追加して,同一のスポットカラーをマージするのだ。
Version 8.0ではSmart Guidesという機能があり,一時的に現れて,エレメントの移動,アライン,変形や,形状およびパスの生成を助けてくれると情報筋では話している。
このソフトウェアはいくつかの新しいフォーマットのインポートが可能になっている。Macromedia FreeHand 5.0,5.5,7.0のファイル,CorelDraw 5.0,6.0,7.0のファイル,DXFファイルがそれだ。さらに,このアップグレードによってPhotoshop 4.xおよび5.0のフォーマットで保存されたファイルのレイヤーは保持したままにできる。
Illustrator 8.0に望むこと。
1.テキストのエリアタイプの一部をを選択して色を変える時のスポイトツールが使用出来ない。
2.テキストや他の属性もスポイトツールで拾いたい。(テキストのポイント、フォント、行間などいちいちテキストを選択し、テキストパレットで変更していかなくてはならない。)