■最初はトレース専用ソフトだった。
ともかくデザインさえ通してしまえば、写植や版下は別のスタッフに渡り、完璧に仕上げてくれし、あとは印刷前の指定とチェックだけで良かったので、当然私のマックはPhotoshop1本仕上げの、完全なラフカンプマシーンに変身したわけです(拍手)。写真のグラデーションだ!合成だ!ボカシ影だ!と、有りとあらゆる機能を使いまくり、印刷では難しいことはないのに、ラフカンプで表現できないと言う今までのウップンを、一気にはらすのです(大喝采)。
Illustratorですか?そう言えばフィニッシュの人達が、楕円がラクだー!とか爆弾(本物じゃなくてあのギザギザの丸いやつね)があっという間に描けるとか!言いながらトレース専用ソフトとして重宝されていたようです。それをプリンターで拡大出力し、紙焼きすれば版下として使えたので、結構便利だったようです。はい。
■いつしか女神と一体になっていた。
実は、この性悪な「女神」が、いつ私を誘惑したのかは、記憶が定かではないのです。プレビューで扱える様になったときとか、Quick Drawのプリンターでもカラー出力出来るようになったとき。ひょっとしたらフォント環境の充実や、出力センターが出来た時期かもしれません。「女神」の年齢もいくつだったのか…。うーん分からん。
なにせ私は、デザイナーが何で文字を打ったり、版下作らにゃいかんの!という超わがままなデザイナーでしたから…(笑)。しかし、少しずつ「女神」の魅力に侵され始め、使うごとに新しい発見があったり、デザインに深みを持たせてくれたり、まるで身体と一体になったカラス口(古い!年齢がばれそう)やマーカーのように、徐々に手と身体に馴染み、気づいたときはIllustrator1本でデザインを仕上げていました。余談ですが、久保氏がIllustratorを「女神」と称したのはまさにピッタリ。女性をよくご存じです。(笑)
■今ではIllustrator5.5、1仕上げ。
QuarkXPressなど他のソフトも少し試してみましたが、デザインを直感的にビジュアル化していくというプロセスで、いろんな制約が多すぎました。DTPという考え方をすれば、QuarkXPress等の方がベストでしょうが、デザイナーが道具として使えるソフトは、これ以上の物はないと思います。ちなみにページ物もこれ1本なのです。
最後にひとこと、現在使用しているVersionは5.5です。別に若い「女神」が好みと言う訳ではないのだが、7.0も8.0も大きな期待を持ってバージョンアップしましたが、残念ながら裏切られました。高機能より安定性とスピードが、いま一番欲しい。マックがいくらスピードアップしても、ソフトとイタチゴッコでは意味がない。とは言っても、たぶん9.0が出ると、真っ先にバージョンアップしちゃうんだろうなー。