(図-1)
上の(図-1)は手描きイラストの反射原稿です。これをStreamlineを利用してベクター画像に変換する。DTP作業では、このようなイラスト原稿をレイアウト内に挿入することは日常的にあります。何故ベクター画像にするかというとのベクター画像の場合、着色が容易で直しや修正に即対応できる。配置ファイルにしないのでリンクに気を使わなくて済み、なによりファイル容量が少なくて済む。そんな理由で、線画イラストは殆どStreamlineを利用している。
作業にはいる前に、StreamlineはStreamline4.0もあるのですが、Streamline3.1を使用しています。Streamline3.1は、スキャンしたPICT画像をStreamlineのエイリアスアイコンにドロップすれば起動し、ファイルを開くことができる。しかし、Streamline4.0はいちいち起動させてから、ファイルメニューからトレースする画像を呼び出さないとファイルが開けない。それにStreamline4.0は、PICT画像との相性が悪く(TIFFの方が良い)エラーが起こりやすい。
スキャンする画像の大きさなのですが、私の場合は線画イラストの状況にもよるのですが、20 MB前後でスキャニングするようにしています。72ppiで1〜2メートルくらいの大きさになります。Photoshopでの解像度設定は、「72ppiで大きなサイズ」でも「高解像度で小さなサイズ」でも殆ど変わりませんが、比率を固定して解像度72ppiでPICTファイル保存するようにしています。Streamlineでの変換設定は、「ノイズする基準」「トレース誤差の許容値」とも最小にして行っています。

(図-2)
上の(図-2)は、Streamlineでトレースの終わったものにカラーリングしたのですが、見ても解るようにトンボの頭の周りの部分が透けていません。これを透明にするには下の(図-3)を見てください。
(図-3)
上の(図-3)は、(図-2)で頭の周りの部分が透けてなので、修正するために最も外側のブラックの部分を先ず選択、次に透かせたい部分を残らず選択します。選択し終わったらオブジェクトメニュー「複合パス作成」(command+8)を実行します。これで上手く透けないときは、パスファインダ「中マド」を実行してください。
(図-4)
上の(図-4)は、複合パス作成を実行したあとのものですが、オブジェクトがブラックになってしまいました。失敗したかと思うかもしれませんが、大丈夫なのです。これは複合パス作成を実行したために、オブジェクトの上下関係が入れ替わっただけなのです。そのままの状態で、Illustrator5.5の場合はアレンジメニュー「背面に送る」(command+-)、Illustrator8.0の場合はオブジェクト/アレンジ/背面に(command+])を実行する。
(図-5)
上の(図-5)は、ブラックになってしまったものを背面に送り。正常なイラストになりました。しかし、よく見ると葉の部分にカラーリングできないこと気付くと思います。これは、スキャンした画像をPhotoshopで開いた時に、細部まで注意して修正していれば起こらないことです。しかし、ここまで作業が進行してしまえば再度Photoshopに戻り、修正し直すのも大変です。これをカラーリングできるようにするには(図-6)を見てください。
(図-6)
上の(図-6)は、修正する部分を拡大したものです。トンボの羽と葉に隙間を埋めるために、下の葉のアンカーポイントを選択し、上の葉のケイに重なるように移動する。次にフィルタ/合体を実行する。
(図-7)
(図-8)
パスは繋がったのですが、カラーは背景空のブルーのままになっています。このままの状態で着色してもイラストの黒の部分全部がに着色されて、目的としている葉の部分には着色できません。これは合体フィルタを実行したために黒い部分と葉の部分が複合化されたためです。

(図-9)
これを回避するためには、葉の部分を選択し、カット(command+X)を実行。次に「前面にペースト」(command+F)を実行する。
(図-10)
上の(図-10)は、前面へペーストしたものです。黒いオブジェクトがペーストされますが心配はいりません。これで葉が着色できるようになったのです。
(図-11)
上の(図-11)は、葉もカラーリングして完成した線画イラスト。