デザインや印刷物の制作において、地図の作成は避けては通れないオブジェクトです。1年間でおそらく数十点の地図を作製、またはトレースを経験することになると思う。下絵があるものは、スキャンしてトレースすれば良いのだが、時には原稿として道路地図や手描きのらくがき程度のものも存在する。また、前回の印刷物がアナログの場合には、どうしてもデジタル化して前回の印刷物よりqualityを上げなければ制作費の向上もあり得ない。そこで重要なのが下絵の作成で、私の場合は Photoshopで下絵を作成している。えんぴつ描きのラフをスキャンし Photoshopで開き選択ツールやブラシツールでペイントして行き、はみ出したところは消しゴムツールやdeleteで修正して下絵としてpictファイル保存している。そのpictファイルをIllustratorで開いてトレース作業を開始する。以下がそのトレース作業のanimationです。
基本的には長方形ツールの使用が殆どで、道路は全て長方形ツールで作成して最後にフィルタメニュー「パスファインダ」サブメニュー「合体」を実行している。上部のの私鉄の線路はペンツールで作成し、任意の線幅に設定してからフィルタメニュー「オブジェクト」サブメニュー「アウトラインパスの作成」を実行、線路の終端は左の細い道路の上の部分をコピー&ペーストで持ってきて分割フィルタでカットしている。下の楕円も同じである。中央のJRの線路は、右の大きな長方形をコピーして縮小して左の小さな駅に使用。線路は小さな駅の長方形を右にコピーして縮小それを左右に引き延ばす。線路の黒ベタは、それを「コピー&前面にペースト」して、左右のみを縮小して両端に配置しブレンドツールでブレンドしている。いろんな解説本では、JR線路の作成には黒い罫線の上に白い破線を重ねる方法を推奨していると思うが、この方法だと後の修正や加工、アレンジの時に不便だ。先ず第一に罫線の太さの修正が入った場合、アウトラインで作成されていれば、どんな太さにも即座に対応出来るし、色の変更にも対応出来る。それと一番問題なのが、黒い罫線の上に白い破線を重ねる方法だと下に掲載したような地図の変形が出来ず、線路だけが前のままだ。