柔術で充実! コラム
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ブラジル・レポート2
(2001年7月13日〜8月2日)

nかたさん

前書き
僕はこの日記を不特定多数の人に向けて書いてあるわけではなく、いろんな人に向けてのメールとかを修正してまとめてあるだけで、日本語的な間違いなどは面倒なので直しておりません。推敲に推敲を重ねた分かりやすい文をお好みの方は、road to brazilへどうぞ。また、ホームページを閉鎖に追いやる表現もそのまま管理人さんに送りつけており、自由に修正することを許可しています。
又、本文中にあるように、今回は例のネタは自粛してあります。ご了承ください。

又、何人かの方から問い合わせのあったLAレポートの続きですが、書き連ねてあるのですが、その中の中心的な登場人物が結構な有名人になってしまったため、そのまま公開することはほぼ不可能となりました。気分次第で大幅に修正し、アップするかもしれません。

7月13日  boys be
失敗しました。リオに出かける2日前に漫画喫茶に寄り、boys beという漫画を読んでしまったのです。

甘酸っぱいです。初恋の味というか、自分のケツをもみながら、おっぱいの感触ってこんな感じなんかのー、はよ揉みたいぞなもしなどと言っていた小学生の頃の気持ちになってしまいました。ちなみに昨年一昨年で2000人のパイを揉みましたが、人それぞれだ、ほっとけという研究結果がでております。

今回の旅には、前回大活躍の快楽多国籍軍は一人も帯同しておりません。全員自分の国に帰ってしまったか、国外にでれない者はリオから離れてしまいました。これを良い機会に、旅行者としての快楽の町リオの探求から一歩離れ、まさにボニータとの真の愛の探求の場としてのリオを追求したいと思います。

と、かわいいことを言いながらも、これを書いた数時間後に、コンチネンタル航空のCAのニューヨーク(リオへのトランジット空港)ステイ先のホテルを聞いてしまい、行くわけ無いが一応聞いてみる、これが優しさそして次にあったときに強烈に印象に残るのメソッドだを再確認しました。

ちなみに航空券は往復で10万円と少しでした。たぶん日本最安です。

7月14日  初日の正しい過ごし方
リオに到着しました。当然ながら、2度目以上の都市では必ず女が迎えに来ることになっています。来ることになっているのはボニータ(仮名)。実はまだ会ったことが無く、L.A.で知り合ったボニータBの知り合いの知り合いの女と同じ国に住んでいるというだけの女です。前もって写真は確認しており、相当のボディとフェイスを持ち合わせていることは確認済みです。立ってきました。リオ連邦大学1年18歳。ぎりぎりです。

ごった返す空港でもなぜか俺は彼女を見つけることに成功しました。理由は簡単です。一番いい女に声をかければ良いだけです。違う女だったとしても安心してください。どっちにしてもその女は滞在中の世話をしてくれるはずなのです。

が、そんな心配もなく、若い女は一人しかいなく、あっさりと彼女を発見しました。18歳の割に大人びており、ういやつじゃ、近う寄れを感じましたが、今日のところは勘弁してやることにしました。というか、運転手として母親を連れてきており、これからの展開にちょっと暗雲が立ちこめつつあることを暗示している気もします。俺は親子丼はしないことにしてるからなー。まあいざとなったら、無理矢理髪の毛のにおいとかをネタに出せばいいや。

なにやら新聞とか不動産屋とかを当たって俺のアパートを探してくれたらしく、俺の出していた、安くて電話ついてて、大通り沿いで、、家具は新品で中がきれいでエアコンついてて・・・・・などという条件を全てクリアしていました。しかも、通常月極のところを日割りでオッケーで、一日千数百円。安すぎです。頼まれていたKENZOの香水はただで進呈です。

夜は彼女の実家に招かれました。世界の要人が宿泊するパレスホテルの隣にあるビーチ沿いの某有名なアパルトメントというか、マンションでした。400平米のとても広い部屋で、もう入り口からとんでもない豪華さで、部屋に入ってこれまたびっくり、天井の高さは5メートルはあります。窓からはプールとビーチが一望できます。プールにいる元F1レーサー、ネルソンピケを狙撃することも可能でしょう。ちなみにピケはいつもここのホテルにいるそうです。

また、彼女のおじいさんおばあちゃんが大金持ちで美術品を収集してるそうで、あちらこちらにここでは書くことのできない高そうな美術品が転がっていました。壁に無造作に掛けてある絵だけでも30作くらい。近々俺のものとなるでしょう。うふふのふ。なお、ショルダーロックをかけている2人の彫刻というマニアにはたまらない品もあり、近々インターファイトのオークションにかかるでしょう。400万円からスタートです。安ーい。

関係ないけど、今テレビでポルノ映画やってます。丸見えです。今日は日曜のため明日にでもアリアンシに顔を出して、アレッシャンドリのモアイ面でも拝むとしましょう。

7月15日  日本の伝統
日経平均大暴落のため、夜中3時まで板を離れることができず、午前の練習は不参加となりました。いつものことです。暇なのでボニータに電話すると「待っていたのよお」などとかわいいことを言う。仕方ないので、バッハにあるショッピングセンターにつきあわせてやることにしました。ちょっと早めにみやげを購入です。スパッツやTシャツを多数購入しました。僕は友達相手にお金をもうけるつもりは全くないため、全てただで進呈です。

ここまではずっと英語で会話していたのですが、実はこの子はかなり日本語ができることが発覚。とんでもない掘り出し物です。時々日本語を間違え、イッてもないのにイクなどと言ったりしますが、それは日本人も同じなので大目に見るとしましょう。まあ床上手な俺には関係ないけどね。

相当日本が大好きだそうで、日本の文化に興味があるらしく、伝統的な遊びを知りたいというので、王様ゲーム、懐かしの山手線ゲームなどを伝授し、実行しました。最初の罰ゲームはいきなりフェラーリからスタートです。

その後も、日本の言葉とヒストリイを学ばんと欲する者のために多くの風俗を伝授しておきました。キス。

7月17日  ポルトガル語講座
ポルトガル語を習っています。プライベートで。ただで。
今日覚えた単語。ブセッタ(お○○こ)、サファド(すけべ男)、ピューピュー(子供のチ○ポ)、アロムバード(おまえのケツの穴は果てしなく広いぞぼけ)、マンコ(足の悪い人)などです。さあ絶叫しましょう。習った柔術テクニックをメモったりすることは決してありませんが、覚えた単語はメモっています。覚えたらすぐに使うのが俺流。すぐに中井さんばりに道で絶叫です。道場でも絶叫し、茂木さんはぐったりしていました。

ちなみにアロムバードは師範代のオハラが教えてくれました。こいつとはとてつもなく波長が合います。二人で大合唱しました。俺の絶叫に対し、オハラは語りかけるようにサッファッッドッとやるものだから、もうたまりません。

7月18日  秘密クラブ
地元の若者が集う謎の場所。それはヨットハーバーに隣接しており、クラブとライブとブティックとレストランが混じった不思議な空間。雑誌等にまだ載っていないが、話題の場所らしい。どちらかというと、俺はそういう場所にしか行きません。彼女はそこに俺を連れて行きました。

彼女の友達数人が興味深げに俺にちょっかいを出しますが、あくまでもクールな俺はただ海を見るだけでした。美しさは罪。

そろそろ練習に行った方がいいのだろうか?なお、メ、カラーリョ、エ、ムイント、グランジといえるのは日本柔術界で俺だけなので、言ってはだめです。メ、パウ・・・でも良いです。

僕の体重は現在57キロ。リミットは61キロ。すなわち後4キロ増やさねばならない。まあ軽くても試合はできるのだが、圧倒的に不利。が、まあそんなことはどうでもよく、毎日楽しく暮らしています。

この夜とんでもない事件が発生。H川氏がこのブラジル日記の登場人物になるべきだった一人に、何をトチ狂ったか「おもしろい日記があるよ」と、このホームページのアドレスを教えてしまった。よって、今後この日記はパワーダウンせざるを得ない。特にあのネタは。猛省すべし。

7月19日  或る女
遊びだけの女なら、3回以上寝てはいけない。寝ても出してはいけない。接して漏らさず。これができる男が幸せへのチケットを得ることができる。3回を越すと情が湧いてきてしまう。これは良くない。俺はどうなってしまったんだろう。静かな嵐というのも有るんだな。あくまでもペースは握っているが、踊らされているのか?今日は罰としてセンズっておこう。

7月20日  レジストレーション
グレイシーバッハにレジストレーションに行ったのだが、戦いはもう既に始まっていた。

僕はボニータを引き連れて行ったのだが、彼女が日本選手を全員救うことになった。レジストの受付には英語をちょっとだけできる人間と、全くできない人間が2人いた。おいおい世界選手権だよ。英語できる人間を一人で良いから置いてくれ。中井さんが例年のように受付をしようとすると、いろんな物が足りないとのこと。中井さんは日本でホームページやファックスなどで何回もチェックし、万全を期していたはずなのだが、うまくいかないらしい。

ボニータが通訳となり交渉したところ、どうやら写真とパスポートさらに必要な書類を作って出せとの事。時間はもう夜の6時過ぎで、今から写真やコピーなどできるのか?誰もパスポートなど持ってないなどと皆絶望していたが、彼女が交渉しあちこちで探してくれて、何とか本日中に手続きを終えることができた。この娘を連れてきて本当に良かった。この場にいなかった人間は、確実に試合ができないところだった。

帰りは完全にぶち切れてしまった中井さんが、オモプラータの本当の意味を知り、「オモプラータ、オモプラータ」と絶叫していた。バスの中でも泣き叫んでいた。それがどういう状況かと言えば、山手線で「肩甲骨、肩甲骨」と10秒ごとに30分にわたり叫んでいる外国人がいると想像してください。さらにその直後いきなり死んだように寝ていました。生で聞きたいかたは、毎年7月初旬に江古田周辺を歩くと聞くことができるでしょう。僕は怖がるブラジル人に「この人こんなんですけど、一応ヒクソンと試合したすごい人なんです、一目置くがよい」と誰もいない方を見てつぶやいておいた。

ちなみに格闘技に興味を持って2年半の俺は、中井さんがヒクソンとバーリトゥードをやったというのを今日知った。またシューティングのチャンピオンだったというのも同様。恥ずかしながら、今までは柔術の強い、北大出身のおもしろいお兄さんと言う認識だった。なにやら日本ではその試合のすごいドキュメントがビデオで出ているらしい。これを見たら二度と中井さんに対し「オッサン絶対おかしいよ」と意見したりとか、変なシモネタ攻撃とか絶対にできないらしい。これからは格通やゴン格も読みます。高島さん伍代さんすみません。


今後のためにあえて苦言を呈するが、この一件は文面では伝えられないほど大変だった。全く言葉も通じず、最初はいきなり全員が試合にでれないと言われたのだ。今年から参加の日本人がとても多く、不慣れなのは分かるのだが、完全に人任せで、全く何も手伝おうとしない人、レジストレーションにさえ来ない人もいた。中井さんの負担はとてもとても大きく、事前入国できない人を除き、皆がレジストレーションに来るべきだと思った。金魚の糞でもじゃまにはならない。パシリにはなれる。別に選ばれているわけでもなく、自分が出たくてでているのだから。今からでも遅くないから、中井さんとボニータに礼を言いなさい。ありがとうの一言で良いんですよ。

どこかの誰かが、あの外人はnかたの女だからいろいろやるのは当たり前だとおっしゃっていたらしいが、彼女は自分から勝手にいろいろやってくれてたんですよ。俺を悪く言うのは良いが、女を悪く言うのだけはやめてもらいたいものです。

7月26日  盗みと出会い
いきなりムンディアル。帝国軍に詳細はアップしておいた。茂木さんは一回戦シード、2回戦はキラーグレイシーと当たりアドバン負け。ついに桜庭、中井さんと並ぶ、グレイシーと戦った人間の一人となった。

俺は1回戦シード、2回戦でノバウニオンの強い人と当たり、必殺技の岩戦術も通用せずに敗退。俺以上の岩だった。一回くらいはブラジル人以外とやらせてくれ。7分間も岩同士で戦うととても疲れる。強いなあ、優勝するだろうなあなどと、希望的観測を述べていると、決勝戦で彼はとてつもない強い男に大量点を浴びせられて負けたらしい。先は長い。俺は先が太い。

全員ブラジル人と当たると敗退と言うお約束の結果に終わった。日本は確実にブラジルの次には強い。

翌日は、紫帯の2人が2回戦敗退。先は長い。俺は先が黒い。

その翌日は早川さんが1回戦敗退。びびった。

最終日は黙々と練習を続けたプーさんは超大物のホビーニョと当たり、さすがに敗退。びびりまくった。中井さんは1回戦は余裕の試合運びで勝利を収めたが、2回戦でブラジル選手権優勝者のパイシャオンと言うゴリラと当たり、リストロックで無念の敗退。中井さんはブラジルでの人気が高く、あちこちで写真をせがまれるが、試合5分前にもせがまれたんじゃたまらないなと思った。

などとどうでも良いことはさておき、この日には大事件が起こった。この日朝一に丹君と新明君をピックアップして地下鉄で会場に向かったが、なんとリオは素敵なことに、日曜日は地下鉄休み。馬鹿だ。忘れてた俺も馬鹿だが、地下鉄に休みがあるこの国も相当馬鹿だ。で、タクシーで会場入りし、世界的なビデオおたくのパケタを捕まえて、柔術ビデオを5本購入した。ワン、トゥー、トゥリーも分からないポルトガル語に誇りを持つ男だ。これが俺とパケタの初の出会いであった。

日本勢の試合が終わり、後は試合観戦に集中することにした。土日はボニータはサンパウロ大学に行ってしまったため不在、俺は限りなく自由だ。知らない女に抱きつかれたり、日本のGNPをネタにナンパしたりするのは至極当然だ。夜はうちの病院に留学していた友達の知り合いで、リオ大学医学部在学中のボニータCに連絡しようかな。サンフランシスコのバカンスから帰ってきているらしく、早く逢いたいとのメールが殺到中だ。しかし、放置プレイは俺の得意技だ。いかせる寸前に動きを止めて、女に動かせる、それが女のエロ(サファダ)を開発する第一歩である事を思い出し、便所で抜きたくなった。一応便所に行ってみたが汚なすぎるのでやめた。

で、席に戻ってふと荷物がないことに気づいた。無い。マジでない。鞄の中にはパケタビデオとアパートの鍵となぜか東京の自宅の鍵と愛車の鍵とトランクの鍵も入っていた。後、現像してはならないフィルムが満載のカメラ。探しに探し、アレッシャンドリやカルロスグレーシーなどに話して、探してもらうが見つかるわけ無し。ここは泥棒の国ブラジル。油断した俺が馬鹿だった。計算高き俺は損失金額を算出した。カメラ3万円。鍵3000円。ビデオ1万円。鞄2000円。フィルム80円切手5枚分で密送。その他2000円。4万9千4百円。まあ、カメラは盗んだものなので良いとして、約1万9千円。元は取らねばならない。俺はもう一度「カルロスに話があるんだ」と、VIP席のセキュリティーに話し、中に入れてもらった。用事を終えてVIPから出るつもりなど全くない。VIP席から間近で試合を見れば、2万円の価値があると考えた。

そもそも俺が一般席にいること自体がおかしい。東京のクラブはどこでもVIPに入れてくれるぞなどと、憤慨しながら歩いていると、貧民よりちょっと金持ちな指定席に早川氏がおり、真っ赤になってカールカールと絶叫している。ロスアンゼルスオリンピックにおける、勝手にカールルイスを友達だと思いこんだ長島茂雄のまねか?8点、7点、8点、8点、9点=40点と思ったが、平さんの師匠のカーリーグレイシーが隣にいることを教えてくれていたらしい。

おお、おまえがカーリーか、俺は平の弟子だ。わははは。と言うと、人間の器のでかすぎるこの男は、なぜか大喜びしてくれ、聞いてもないのに「腕がらみは俺が見つけた技だ、だから桜庭は俺に挨拶すべきだ。」とか、「この近くの丘の上にでかい家を立てたので、みんなでそこで合宿しよう」とか、趣深い事を延々と語っていた。俺が、ちなみにあそこのファベイラ「貧民席」で物欲しそうに見ている男は平アカデミーのトップの早川だと言うと、「おお、では一緒に写真を撮ろう」と言う。彼をここに入れて良いかと聞くと、「入り口からだと面倒なので、金網を乗り越えろ」と日本人では思いつかないアイデアを提案してきた。躊躇する早川氏に強引に金網を上らせ、3人で写真を撮ってもらった。この金網の登りはサル以外の何物でもなく、早速カニセミナーの成果が出ているようだ。このとき撮影してくれたのがアブダビニュースのライター兼カメラマンである、ジニス君。今では俺の親友だ。早川氏は、カーリの丘の上の家はファベイラ(貧民街)か?とその場を凍り付かせる発言などをしたものの、再度の再会を誓ってカーリーは帰っていった。

早川さん、カーリー、そして俺

その後も、VIPに陣取り、ブラックベルトの決勝を間近(約3メートル)で観察させていただいた。試合終了し観客が帰った後も鞄を探し続けていたが、結局見つからず、ビデオを再度購入するつもりでパケタの所に行き、ビデオ取られたので同じもの売ってくれと言うと、では明日俺の家に来いと言う。場所はうちアパートからすぐ近く。約束して会場を後にした。鍵がないので家にはいるのも一苦労だったが、泥棒時代のテクニックが役に立ち何とか家にはいることができた。腹減ったのでボニータはいないにも関わらずボニータの家に行き、母親に飯を作らせた。家庭の味。女に電話することなど忘れ、日経平均がバブル後最安値に落ちたことを確認して眠りについた。

7月30日その1  オーランドカニ ヨガセミナー
オーランドカニ。それはただの物真似師。時々ヒクソンの師匠にもなるそうな。本職はヨガマスターである。見かけはどこにでもいるマンドリル。

先週今週と4回のカニセミナーを受講した。30分ほど座学で心得を学び、後は延々とエクササイズのようにオーランドの動きをまねる。その動きは、猿、猫、トラ、蛇、酔っぱらい、目の見えない人、犬、カニ、など多岐にわたる。

猫とトラの違い。特に、トラの動きは圧巻で、餌を捕り損ねてがっかりするトラ、あきらめの悪いトラ、捕れなかったのをごまかすトラ、すねて寝るトラなど、本当に柔術に役に立つ動きが満載であった。

受講生の10人くらいの中で体が一番小さい俺を指さして、「おい俺を投げて見ろ。俺はグラビティーセンターを自由に操ることができ、投げられることはない。ヒクソンも俺を投げることはできなかった。」と言うので、軽いタッチで一本背負いをしてみたら、思いっきり吹っ飛んで床で痛そうにしていた。なんなんだこのオッサンは?アレッシャンドリを見ると、おいおい、本気出しちゃだめなんだよ馬鹿者。と、・・・流呼吸法のおっさんのようなことを言いたそうだった。実際アレッシャンドリはオーランドに俺を持ち上げて見ろと言われ、本気を出せば天井にたたきつけることもできるはずだが、「う、重い、重すぎる」とおおぼらを吹き、その場に倒れ込んでいた。

俺が投げる光景を見ていた早川氏は、投げられながらも必死にバックに回ろうなどと無駄な抵抗をしながら、顔はあ、しまった、と言う表情を浮かべ、投げられてから苦し紛れに亀になろうとするも、俺の非情な袈裟固めにあい、涙を流して時間を戻そうとしていたそうな。これくらい瞬時に考えることができれば、君も茶帯だ。オーランドは若く見えるが実は65才で、俺は若作りのおまえが悪いを感じた。

その日以来、挨拶でよく抱き合うのだが、なぜか俺にだけはぶっちゅーとキスをしてくれる。ありがとう。

なお、最終日も同じように俺を指名して、懲りずに同じようにテイクダウンしろと言ってきたが、心得た俺は軽いタッチでバックを取ってさしあげた。オーランドは涙ぐんで俺にブッチューとキスをした。俺にはプロレスはできない。

又、最終日のカニのアジトでの秘密練習風景をばっちり隠し撮りし、持ち帰ろうと思ったら、あほのビンセントがおお、それはムービーかすげえなと、よけいなことを言うのでみんなが集まってきた。俺は観念して、すまん、秘密練習を撮影してしまったと言うと、うおお、こんな小さいのにムービーが撮れるのか?売ってくれ。こんなにメモリーが小さいのか?などと、おれのMPEGカメラに驚いているだけだった。なお、このムービーをパソコンに転送するソフトを買ってないので、他に何か取りたい物があったら消してしまうでしょう。その前に液ップGOZO塩田さんから連絡有ると良いんだが。

などといろいろな4日だったが、全体として得る物はあったと考える。ははは。いや、でも、オーランドの動きはとても柔らかく、うまく消化できればマジで良いかもね。

カニとセミナー受講生

7月30日その2  ビデオ王 パケタ
ゴン格ライターの伍代さんにマシオクロマドのインタビューの通訳を頼まれたため、ボニータを引き連れて彼の道場に行き、終了後、鳥人新明と九州男児丹君を引き連れてパケタの家に遊びに行った。

もう驚きの連続だった。ただのビデオ好きなオッサンかと思っていたパケタは、実は黒帯6段。カーウソンと同期であり、バーリトゥードも出まくっていたらしい。家にはビデオ4000本。デッキ15台以上が転がっており、圧倒された。有名な政治家やジーコやペレも友達だそうで、昔の写真もいっぱい見せてもらった。頼んでないんだけど。雑誌をいっぱい引っ張り出してきて、「パケタ」「パケタ」と泣き叫びながら自分が載っていると言うことをアピールしている。

雑誌はいすの上に20冊ほど積まれた。ステッカーも出してきて、俺が作ったとか、俺のスポンサーだとか良いながら、40枚ほど積んだ。そして、「持っていきたまえ」(たぶん)と一言。なんと太っ腹なのだ。よそ見している間に鞄の中に滑り落ちてしまった。アブダビニュースのジニスが口を利いてくれていたらしく、盗まれたビデオ5本プラスおまけに1本を無料進呈。俺は、鞄を盗んでいった泥棒さんありがとう。たまには良い事するな、おまえも。でも今頃おまえは地獄だろうと霊視した。失敗を成功にするとはこういうことだ。失敗した性交は二度と戻ってこないが。

パケタと

この日は翌日茂木さんと丹君が帰国すると言うことなので、皆で食事し、俺はボニータと茂木さんに道ばたで売っているゴミのような花をプレゼントし、さわやかにその場を後にした。去る者は追わないたちの俺は、翌日の見送りは辞退させていただいた。

7月30日その3  クロマドちゃん
マシオクロマドはナイスガイだった。お前のギロチンは最高だ。お前は日本ですごい人気だ。三島さんに足壊されてとぼとぼ帰る姿を見て、萩原朔太郎は月に吠えた。と、ありもしないことを言うと大喜びで、俺にギロチンをかけてくれるという。おいおい、俺はなかなかタップしないので有名なんだよ。と言う前に彼は俺の後頭部に脇毛を擦りつけながらすごいギロチンをかけた。1秒でタップ。三島さんどうやって逃げたの?俺はちょっとギロチンの秘密を教えてもらったが、これは超極秘事項であるので秘密。と言うか、落ちるとかそういうのでなく、もう痛くて死にそう。

もう本当にルミナ選手などどうでも良いらしく、三島とやりたいを繰り返し、三島のことを教えろと言う彼に対し、いやあ、俺は三島ファンなんだよなどと言えるわけもなく、とりあえず三島さんのリングパンツの説明をしてあげた。よけい彼の闘志に火を付けたみたいだ。後、お菓子が好きだとか、水虫だとか言っておいた。俺は立派なスパイだよ。ごめん三島さん。

8月1日  中井さんの秘密
やはりこの方はすごい。話によると、リオの空港に着くやいなや服を着替え、ただのブラジル人になってしまうらしい。先日道ですれ違ったのだが、この東洋人の全くいないリオで、俺は全く気づかなかった。ボニータが気づき、俺が後ろを振り返ると、どう見ても路上で誰が買うのか分からないがらくたを売っているブラジル人行商人、しかもかなり腹ぺこが、両手に一杯の荷物を持って歩いている光景にしか見えない。あまりにも重すぎて肩がずり下がっている。もちろんこの男はスーパーで買いだし中の中井さんであった。

パケタの家には、古い柔術雑誌がいくつか置いてあったが、その雑誌に載っている中井さんは、どう見ても日本での中井さんとは全く違っていた。完全にブラジル人と化していた。昔の雑誌、テレレーが青帯の頃から、中井さんはブラジル人であった。ボニータ曰く、どう見ても2世、3世にしか見えないとのことであった。去年などは、日本ではラモスしか着用を許されていない、ブラジル国旗の悪趣味な帽子をかぶっていたとの情報も寄せられている。

関係ないけど、ボニータとラモスの息子は、英会話学校でちょっとだけ同じクラスだったことがあるそうな。さらに、去年世話になった元グレジャパのマウリシオ先生(現グレイシーロンドン)の息子(ホジャーグレイシー)とは、小学生の時に同じクラスだったらしい。ボニータは学年トップ、ホジャーくんはビリだったそうな。とってもバ○でした。とのことです。バ○でも、パンナム優勝したなら良いじゃないか。なお、おかまさんを、こ○したという噂もあったそうです。なお、僕はロンドンで彼と会いましたが、とてもナイスガイでした。ちょっとプシュコぽかったけど。

最終日そしてラストメール
帰国前日に何となくボニータCに電話した。どうしても会いたいとのこと。うむ、それでは明日の昼にでも時間作って電話するよと告げた。

ADCCニュースのジニスからパケタの家に行こうと誘われたため、朝の10時に彼の家へ。2人は既にビデオの前に陣取り、ムンディアルのビデオ(全20本)の各試合の対戦カードを作っていた。なぜかこの2人はマニアックすぎで、黒帯はもとより青帯の選手まで「これはどこそこ道場のだれそれだ」などとさくさくと対戦カードを作っていく。すごい記憶力だ。なかば変態じみている。

実は俺は日本柔術協会アサイー部会の副会長(会長中井祐樹)だというと、パケタはアサイーと叫びながら搭乗時間まで間のない俺を車に押し込み、レブロンのビビスコに向けて車を走らせた。ビビスコはパケタのスポンサーらしい。なぜか彼はここでモトクロスのビデオを購入し、アサイーを食していた。おそらくブラジル最後になるであろうアサイーを、いとをかしと味わいながら、金払おうとした瞬間、黒帯6段に手首を取られた。彼が払うという。彼は「俺がおごる。なぜなら俺は世界アサイー協会会長だからだ」と言っていた。たぶん。ここで日本密輸用のアサイーを40杯分購入し、ビビスコジャパン旗揚げの提案をしておいた。

その後、時間がないと69回は言ったのに、ここは俺の好きな場所だと、超極秘のすごい景色のいい場所に連れて行ってくれた。「ここで俺は妻を口説いた」と加山雄三風にたそがれていたが、俺にはただの肉屋のオッサンにしか見えなかった。もしくはロッキーに出てくるエイドリアンのお兄さん。俺とジニスが次リオに来たらいい女がいるクラブに遊びに行こうとか言ってるにを後目にワイフ命とか言っていた。

そうこうしている間に、アパートの引き渡しの時間が迫っており、ビデオの独占契約を結んだ後、アパートに戻るとなぜかボニータの母親も来ていた。見つかる前に急いで岡本理研や私の定規の抜け殻を片づけてアパートを出た。電話代の請求書が70レアルほどだったが、払った記憶がない。次の住人が払ってくれよう。

などと言ってる間にボニータと母親が空港まで送ってくれ、感動の別れの後、俺は帰途についた。コンタクトはきれいに洗ってあるはずだが前が見えなかった。俺らしくもなく感傷的になってしまったが、実はボニータCに連絡し忘れていたのを後悔していただけだった。

旅先で出会った女。必ず別れが来るのは分かり切っている。しかしなぜか引き合ってしまうのは、アダムとイブの子孫である以上仕方のないことだ。この気持ちは体験した者でないと絶対に分からないであろう。帰るまで1ヶ月会ったとしても、楽しいのか悲しいのか分からず、このままのめり込んで良いのかどうなのかの葛藤の毎日だ。スタンダールの恋愛論、アメリカ兵とドイツ女・・・この恋愛の形は古くから映画や小説の題材になっているが、もはやもう別れの時が訪れてしまうとおそらく2度と会うことはできない男と女。それはもう遠距離恋愛とか、恋人との別れとかそんな甘い物ではない。俺ももうボニータと会うことはないのかもしれない。3週間でずっぽりはまるほど惚れやすくはないが、俺は結構真面目に恋愛していたと思う。ほんとうにほんとうにお前と会えて良かったと俺は心から思っている。

滞在中俺と関係してくださった全ての人に感謝します。

追伸
帰国後、うちの愛犬(うめか、1歳半男、ブラックプードル、かわいい)を相手に、カニセミナーにおけるトラの舞をお見舞いしたところ、驚いてうめかハウスに立て籠もってしまった。やはりカニは本物であった。
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TAIRA Naoyuki
Jiu-Jitsu & Total Fighting
http://www.grappler-taira.com