ROAD TO BRAZIL 2

  2001年8月18日 「DON’T MOVE BACK」
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 ご無沙汰しています。RTBを更新するのは本当に久しぶりですが、決してあれで 最終回だったわけではありません。僕はまだブラジルに居ます。

 しばらく日記を更新していなかったのも訳がありました。今日やっと一段落つきま したので、この間にあった事をまとめてご報告しようと思います。

 実は世界選手権を終えて一息ついた頃、道場にあるポスターが張り出されたので す。それは「コパ・サイクロン」という大会の告知でした。コパは杯という意味。サ イクロンがプロモートするカップ戦ですね。

 サイクロンはこちではポピュラーなブランドで、バッドボーイのようにサーフ、ス ケート、そしてファイトウェアを取り扱っています。僕は何気なくそのポスターを見 てはいましたが、よくチェックはしていませんでした。

 そのうちグレイシーマガジンやTATAMEにもポスターと同じ内容のページが刷 り込まれているのを発見し、まじまじと見ることがありました。するとこの大会は、 3週間後の8月18,19日の両日に行われることが分かりました。そう、まだ僕が 滞在中に行われるのです。

 大会の規模は中規模。アレシャンドリ曰く「ビッグトーナメントではないが小さい トーナメントでもない。いわばYOSHI、お前のような選手達が経験を積むために 参加してくる大会だ」だそうです。開催場所はレブロンにあるモンチ・リバノという スポーツクラブです。僕の住んでいるコパカバーナからはすぐ近くです。

 「この大会に出たい」、僕はすぐにその思いにかられました。でも正直不安もあり ました。開催日はムンジアルで大敗を喫してからわずか数週間後なのです。「俺にや れるだろうか」「またどうしようもない負け方したらどうするんだ」そういう迷いが ありました。

 しかし本場ブラジルで、しかも限られた滞在期間の内に2つも大会に出られる、と りわけ僕の場合、茶帯での試合経験を積めるチャンスはなかなかあるものではありま せん。アレシャンドリも是非参加しろと言ってくれたので、僕は戦うことを決意しま した。

 そして新明も参加を決意しました。彼にとってもまたとないチャンスですからね。 そしてこれから僕達は練習に集中する日々を送ることになりました。僕はこの大会に 出場することを、日本の道場の仲間達にも一切伏せて、練習だけに集中することにし ました。

 僕には初心に戻り、ノン・プレッシャーで戦ってみたいという思いがありました。 ストライプルの看板を背負うこともなく、日本柔術界の代表でもない、柔術修行に没 頭するただの一人の男として、このブラジルの地で戦いに挑みたいと。

 それゆえに日記も更新せず、沈黙を守っていました。平さんにすらこの事を知らせ ていませんでした。平さんごめんなさい(笑)。

 これで残りの修行が全て大会へ向けての練習となり、一気にモチベーションが高ま りました。世界選手権後に学んだ反省点、そして導き出した答え。あの答えが僕に とって正しいことなのか。それを確かめるためにも、決して下がらない全力ファイト をする事を固く心に誓いました。
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TAIRA Naoyuki
Jiu-Jitsu & Total Fighting
http://www.grappler-taira.cx