はしくれ生化学者のひとりごと
まえがき
生化学の目標は「生命現象を化学のことばで記述できるようにすること」です(ちょっとキザですが)。「現象を良く理解できれば、役に立つようにいじることもできるようになるだろう」と考えています。このウェブページでは研究者の端くれとして、考えていること、感じたことを掲載することにしました。
ハイパーテキストの特徴を活かして専門家以外にもわかりやすく改築したいと思いますので「わかりにくい」「事実誤認がある」という場合にはご指摘ください。
(このページは「日経バイテク・皆のホームページ」に掲載した文章を再構成したものです)
文責:近中四農研四国研究センター 笠原賢明 kenmei@affrc.go.jp
- なぜ農業試験場で H+-ATPase?
(1998.02.03作成)
- ATPaseで植物の「養分吸収力」を評価できるか?
- 植物生産性の「効率」の理論的上限を知るためにATPase
- めざせ! H+-ATPaseの構造解析
- 「帰納」による機能解析は万能ではない
- 代謝マップができたら研究は終わり?
(1998.03.08作成)
- 代謝マップに欠けるもの
- Km、Vmaxが万能ではないことは重々承知
- 興味深い「化学/物理エネルギー変換」
- 生物工学を「工学」たらしめるために
- 「地力」について
〜現象に名前を付けることは科学ではない〜(1998.04.09作成)
- 「地力」ってなんだ?
- 土壌診断技術
- 循環論法にご用心
- 養分吸収力について
- 生物をもっと知ろう!
- もっと膜蛋白質の研究を!
(1998.05.17作成)
- 膜蛋白質は宝の山
- 蛋白質の一番「蛋白質らしい」ところは...
- 蛋白質研究に必要なもの
- 少ない膜蛋白質をあつかうには
- 酵母を使った巧妙な実験系
(1998.08.24作成)
- あっと驚く「Complementation」
- もうチャンネルは「単なるモデル」ではない
- 植物は「濃縮屋」
- 専門分野・専門外分野
- バイオを支える好熱菌(その1)
(1998.10.18作成)
- ご存じ「PCR 法」
- 身近に「PCR」につながるネタは転がっていた
- 「役に立つ研究」幻想
- 開拓者の苦労
- バイオを支える好熱菌(その2)
(1998.12.20作成)
- どうして「好熱菌」か?
- 「丸ごと」調べるメリット
- 農業の本質
- 鳥をながめて考える
- 植物の生育温度を5℃下げる
〜目標設定型プロジェクトの提案〜(2000.12.30作成)
- なぜ「生育下限温度」を下げることが目標か?
- 農業上の意味
- 研究のオープンソース化
- 化学の目で「生育速度と温度の関係」を見ると
(2001.01.21作成)
- 生物の生育速度と温度の関係
- 生物の内部で起きているのは化学反応である
- 化学反応速度に影響を与える要因
- 再び生育速度と温度の関係
- 一般の化学反応と生物内部の化学反応を比較する
- どの反応を改変すれば「生育速度と温度の関係」が変わるのか?
- 目標設定型プロジェクトの資格
- 最近の「にぎわい」を見て感じること
- 今回の愚痴
- 化学反応速度式(シミュレーション)
(2001.02.25作成)
- 化学反応速度式を立てる
- 問題点と解決策
- 基本に立ち返る
- 立ちはだかる制度の壁
- 思いつきのリストアップ
(2001.04.21作成)
- 時間と空間のスケールを考慮する
- 物質よりもエネルギーを中心に考える
- 反応速度論と化学平衡論を使いこなす
- 植物生体内反応は常温常圧で進行する
- 理論値の代わりに適宜実測値を用いる
- 代謝物中間体よりも酵素を調べる方が簡単?
- 「化学の常識」を活用
- 酵素の立体構造との関連
- 分子進化の考え方を適用
- 私の疑問
- 思考過程の公開
(2001.11.04作成)
- 目標達成にむけてどこから取りかかるか?
- 養分吸収の反応速度論
- 過去の研究にあるヒント
- 養分吸収速度と ATPase には相関がない!?
- 予備実験止まりの試験
- 最後に
- おまけ
- 年の初めにこよみの話
(2003.01.13作成)
バイオテクノロジーの起源は?と聞かれれば、多くの人が人類最古の産業、「農業」だと考えるでしょう。では農業にもっとも貢献した発明(発見)・技術はなんでしょうか?私なら「それは太陽暦だ」と答えます。「暦学」と「農業」の関係は「基礎研究」と「応用技術」を考える上で格好の材料だと思います。それはさておき、しばらく更新をサボっていたので「バイテク」とはあまり関係のない話題ではありますが、年のはじめに暦に関するあれこれをお話ししましょう。
- 「環境保全型農業の研究」が招く誤解と偏見
(2006.05.21作成)
長らく更新をさぼっていました。所属が変わってからいわゆる「バイオ」とは離れていましたが、5年期限の研究に何とか目処が立ったように思います。果たして復帰はできるのか???
2002年から与えられた研究テーマは、「有機質資材等を利用した環境保全型養液栽培技術の開発」です。養液栽培とは土を使わずに肥料を含んだ水(養液、培養液)を与えて植物を育てる栽培方法で、いわゆる水耕栽培もその一種です。これまで主に理論研究を基に技術開発を行っています。理論面の完結を機会に論文とする予定でしたが、残念ながら審査結果は Reject。研究期間内になんらかの形で(特に農家にとって役に立つ形で)公表するつもりでいます。養液栽培では、排液をなくすには培養液の供給量、濃度や組成の精密なコントロールが必要というが通説ですが、精密制御は不要であることが私の解析結果の要諦です。
さて、区切りがついたところで研究テーマについて学会誌へ意見を投稿しました。その結果は掲載拒否(いわゆるボツ)です。その原稿がもったいないこと、また、中西準子先生のHPにある雑感345「研究者の病理」に触発されたこともあり、若干手を加えてここに掲載します。
- 養液栽培の方法
(2007.01.01作成)
2002年から始めた養液栽培技術の開発で心がけたのは、1)誰にでも可能な手順を示すこと(方法が平易で具体的であること)、2)理論に基づくこと(現象の背後にある法則を考慮すること)、でした。私自身としてはこの目標を達成できたと思っています。開発した装置を用いてトマトを栽培する場合の、養分および水分管理に関して、マニュアルとその根拠となる理論をWeb上の公開します。実施可能な方法が具体的に示されているか、論理の展開に誤りや不明な点がないか、ご意見をいただければ幸いです。養液栽培の経験者よりもむしろ、異分野の方からの視点を歓迎します。
番外:植物生産性に関わる因子の一つとしての ATPase
〜新しい手法を模索する(1999.04.29作成)
- 1999年3月に筑波農林ホールで行われた土壌肥料研究会の講演要旨です。
従って「ひとりごと」の趣旨とは少し異なります。
掲載予定
Next Page
HTMLプレゼンテーションの奨め(Macユーザー)
私版・羊ヶ丘の自然
(1999.11.14更新)