R8を手に入れてから、ライカSLRに関する本を色々探して買ったりした。もっとも「ライカ」とタイトルにある本の90%以上はM型に関する本で、SLRについて書かれている本は殆ど無かった。「ライカのすべて」なぁんてタイトルでもSLRについての記述は一行も無かったりするのだ。
 その数少ない「SLRについて書かれた本」の中で前述した様なライカSLRの歴史や、カムの種類等を知った。
 この頃、僕はR8用に望遠レンズの中古を探していた。180mm位の望遠・・・。R8はとりあえずオールマイティに使える様に、28mm〜70mmのズームレンズ、バリオエルマーR28〜70 f3.5〜f4を購入していたが、望遠方向がもう少し欲しいと思ったのである。
 中古カメラ店を探すのと同時にYAHOOのオークションサイトでもレンズを探し始めた。その中で少数ではあるがライカSLRもオークションの中に目につく様になって来た。
 初期のライカSLRが気にはなりつつも、やはり注視していたのはレンズだった。
 しかし、ある日オークションの中で目に止まったものが・・・。ブラッククロームのLEICAFLEX SLだった。開始価格は5万円。
 前述の通り初代LEICAFLEX(Standard)は外部測光の上にピント合わせが難しく、初期型LEICAFLEXの中では最後のライカオリジナルであるSL2はクオリティが低下しているという事で、このSLこそがLEICA SLRの真髄であるとするプロも多い。しかもSLのブラックペイント・ブラッククロームは数が少ないと本には書かれていた。ボディだけだったが初期のライカSLRとしてなんとなく惹かれてしまったのだ。
 それでもまだ僕は迷っていた。これに入札すれば当然レンズにかけられる金額は減ってしまう・・・。そのまま最終日迄様子を見たが誰も入札する気配が無い・・・。どうしようか・・・。迷いに迷った末、終了2時間前に最低入札額5万円のまま、入札した。"これで取れればそれでいいし、取れなかったらそれでもいい"と・・・。しかし、結局その商品を落札する事は出来なかった。入札した時には「落札出来たら」でいいと思っていたのに、いざ落札出来なかったとなると無性に悔しくなって来た。逆にどうしても欲しくなって来て、それからは、中古カメラ店等のサイトで安価で程度の良さそうなLEICAFLEX SLを探しまくった。そんな折、銀座で中古カメラ市が行われる事を知り、早速出かけて行った。
 そこで見付けたのがこのLEICAFLEX(Standard)だったのである。
会場に行って、程なく僕はこのLEICAFLEX(Standard)を見付けた。7万8千円のプライスタグが付いていた。同時にその出店には、9万8千円のタグが付いているLEICAFLEX SLもあったので両方とも見せてもらう事にした。