俺の大事典



これは店主・ナガハマが日々の生活で、脳みその裏側にこびりついて離れない気になる言葉を集めた「オレ的事典」。懐かしい関西弁の解説も盛り込んでいますデス。
ちなみに(阪)大阪弁、(京)京都弁、(神)神戸弁ざます。




あ行
●挨拶に変える
披露宴のスピーチなどで「3つの袋」といったくだらない話の後、「以上を以て挨拶に変えさせていただきます」というが、ほんなら、挨拶はどれやねん!

●上ル、下ル (京)
京都では、北へ移動することを上ル。南は下ルと表現する。神戸では、北を山側、南を浜側(海側)と言う。京都の住所表記は、京都市上京区今出川大宮上ル西入ル下ルとか、まことにややこしいが、その通り歩くと目的地に着くので便利でもある。が、書類等に書くときは、たいていスペースからはみだすので、ちょっとやっかいだ。

●あしゅら男爵
ロボットアニメの原点として、偉大なる存在「マジンガーZ」の適役Dr.ヘルの手下。古代ミケーネ人の夫婦のミイラをDr.ヘルが蘇生させて作った合成人間。右が女で左が男。男女の声優がハモりながらアテレコしていた。「お許しください! Dr.ヘル」が決まり文句。

●アダ・マウロ
大阪のコンピュータ専門学校・西沢学園のCMに毎年出演している謎のイタリア人。その昔「ヤンヤン歌うスタジオ」や「エンドレス・ナイト」などに出演していたという未確認情報もあるが、なぜ西沢学園なのか? 同様に両国予備校はなぜ、山本陽子なのか?

●暴れん坊将軍
八代将軍徳川吉宗その人。貧乏旗本の三男坊と名乗り、市井の人々のために大暴れ。天下の風来坊徳田新之助、演ずるは松平健。キメのセリフは「余の顔を見忘れたか」。江戸城をバックに白馬にまたがりニッコリ微笑む
暴れん坊……が、しかし、どうみても城は、姫路城である。

●いなずま落とし
「サインはV」の主人公、朝丘ユミのキメ技サーブ。敵コートに背を向けて、腕をぐりんぐりんと回して打つと、ボールが稲妻のようにガクガクとしたラインを描く。店主は何度も試みたが、一度たりとも敵コートにボールが届いたことはなかった。

●うっかり八兵衛
「水戸黄門」で元スリーファンキーズの高橋元太郎演じる元は江戸のこそ泥。いつもうっかりしている食いしん坊。よく「銭形平次」の八五郎と混同されるが、こちらはいちおう下っぴきという仕事に従事し、社会の役にたっている。

●ええ加減にしなさい! (京阪神)
「そこらへんでやめておけ」「程々にしないさい」の意で、標準語の「いい加減にしろ!」と似ているが、関西では漫才のシメの言葉としても広く認知されている。

●ええし (阪)
ええしの子」とは、ええとこの子。つまり育ちがいい、金持ちの家の子供の意。しかし、いくら金持ちでも、土地成り金や漁業権で泡銭を手にした家は“ええし”ではない。

●江戸の黒豹
時代劇「新吾捕物帳」で、杉良太郎が演じる駒形の新吾の愛称。全身黒タイツに身を包んだ新吾は、夜の江戸の街を走る、走る! 悪もんを殴る、殴る! 何よりも、杉良が歌う「♪乾いた町のぉっ、かぁったあすっみぃいいでぇえー、お前は何をっ、さぁあがっすぅのぉおおかぁあ。おとこっのいかぁりかぁ〜、えっどのくっろっひょう〜」という、歌が最高。ちなみに「決定版時代物演歌16選」に入っている。

●えらい (京阪神)
立派(偉い)というニュアンスで使うこともあるが、「
えらいことしてもた」は、とんでもない(失敗)をしてしまった、あるいは「徹夜で、むっちゃえらい」は、体が疲れている、になり、「えらい目におうた」は、「ひどい目にあった」になる。

●王将
餃子を1日100万個売る大衆中華のチェーン店だが、それよりも王将と聞いて思い浮かぶのはチョコ、イチゴ、バナナ味の3色の王将アイス。塾帰りの買い食いアイテムの最右翼。

●青梅マラソン
毎年2月に東京・青梅市で開催されるマラソン大会。昔は「青梅国際マラソン」と呼ばれていたが、関西地方で「青梅国際」はほとんど、放送禁止に近い。テレビのニュースで初めて聞いたときは、腰を抜かしそうになった。いつのまにか名称から「国際」が抜けていたが、やっぱり関西方面から苦情があったのだろうか?

●大久保玲
声帯模写もするのだそうだが、実は店主は彼の本業を知らない。いつも素人名人会で、テンションの低い歌の審査をしているのが印象的。以前、姫路で「大久保玲カラオケ教室」という看板を見かけたが、大阪から遠路指導しにいっているのだろうか?

●大阪球場
南海ホークスの本拠地として数々の名勝負を生んだすり鉢状の球場。傾斜がきついのでスカートをはいていくとパンツが見えるのが欠点だった。`88年10月の最後の試合で杉浦監督が「福岡に行ってきます」と言ったセリフに店主は泣いた。住宅展示場を経て、48年の歴史に幕を閉じる大阪球場は、2003年には高層のオフィスビルなどに生まれ変わる。

●岡田武史
前回のサッカーW杯日本代表監督。愛称は「岡ちゃん」。古河電工、日本代表DFとしてW杯出場、ジェフ市原のコーチなど、輝かしい経歴の持ち主だが、いつもジャージの上着のすそを、ジャージのズボンの中に入れていたセンスあふれる着こなしが脳裏から離れない。子供が「お腹が冷えるから!」と、パジャマのすそをパンツの中に押し込まれている姿に似ている。

●岡本信人
出前持ち、管理人、ご用聞き、岡っ引きの子分といえばこの人の右に出る人はいない。食べられる野草の研究が趣味。少しサルに似ている。店主が高校時代、おのぼりさんで出かけた東京で、出会った芸能人が岡本信人だけだったという事実は少し悲しい。

●おこめ券
全国食糧事業協同組合連合会(全糧連)が発行。いわば図書券みたいな便利な金券なのだが、関西人の大多数は、この文字を見るとドキッとする。そして言葉にするときは、間違えないように細心の注意をはらいながら、発音する。

●お世話さまです
仕事の電話の冒頭に使われる。なぜが東京のクライアントに多い。関西は「お世話になります」だ。「お世話さま」といわれると、なんとなく“お世話をしてもらっているのだ”(実際なっているわけだが)と、少し卑屈になってしまう。いわば習慣の違いだが、関西人でこれを使う人は、ちょっと苦手だ。

●同じく、井坂十蔵
テレビドラマ「大江戸捜査網」の隠密同心。演じるのは嵯川哲郎。主役の十文字小弥太(杉良太郎)の口上の後、「同じく、井坂十蔵」と名乗るのがお約束。

●オニキス・リング
アゲート(瑪瑙)の仲間。ブラックオニキスはその名の通り黒いオニキス。キリスト教では信仰心を高める力がある石とされており、司教のロザリオなどに使われているそうだが、日本ではやくざ、あるいはこれに準ずる職業、街金、建設業などに従事する人々の指を飾る。

●おまん (京)
京都では、なんでもかんでも言葉の頭に「お」を付ける。おまく=枕、おだい=大根、おみのおし=みそ汁、等々。饅頭はもちろん、和菓子全般をおまんと表現することもしばしばで、和菓子屋さんは「おまんやさん」と言う。

●おもいくそ (神)
何もうんこが重いわけではない。“思いっきり〜”の意。「
おもいくそ、頑張ったのにあかんかった」という風に使う。「おもくそ」「おもっくそ」と変化するケースもよくある。

●オヨネーズ
1989年「麦畑」でデビュー。麦わら帽子にGパン、もんぺ姿で歌う、JAシンガーズ。WTOウルグアイ・ラウンド農業問題やお米の不況不作のおりには、食糧庁がオヨネーズ米も発表。メンバーの長田あつしは元「殿さまキングス」のリーダー。

●オロナミンC
大塚製薬の元気はつらつ! 健康ドリンク。かつてこのCMでは、絵に描いたような理想的な家族が「パパはウイスキー、ママは卵(卵黄)、ボクたちはミルクセーキ、僕(居候か?)はジンですよ」といって、いろんなものをオロナミンCで割っていた。ママの卵黄がおいしそうでためしてみたが……とてものどを通らなかった。