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「いちい」のどーでもよい?雑学

   
んな木か?
北海道から九州まで分布しているイチイ属の木で、雌雄別株の常緑針葉高木樹。
雌株は秋になると赤い小さな実がなります。
濃い緑の葉と赤い小さな実のコントラストは、クリスマスツリーのようで美しい。
   
いちいの実
   
「いちい」の実は針葉樹なのに松ぼっくり状ではなくベリー状で、ほんのりと甘く
食べられるが、種の方はタキシンと言う毒を含むので、種を多く食べてはいけません。
   
いちいの実
   
漢字では「一位」で、「檪」とも書かれるが、後者はむしろ広葉樹の「いちいがし」や
「くぬぎ」などを示すらしい。
   
園芸品種の「きゃらぼく」は、「いちい」の変種。
   
朝鮮半島、中国、ヨーロッパにもイチイ属の近縁種は分布しており、
日本の「いちい」とほとんど同じで、区別困難だそうです。
   
いろいろな呼称があります
「いちい」の他にも、いろいろな呼称があります。
いちゐ、あららぎ、おんこ、しゃくのき、きゃら、きゃらぼく、など。
「いちい」とか「あららぎ」は美しい発音ですが、「おんこ」となると土着的ですね。
   
「おんこ」は北海道地方で多く使われ、語源はアイヌ語とか。
   
学名はTaxus cuspidata Sieb. et Zucc.です。
Taxusはギリシャ語で「いちい」そのものを示すという説と、「弓」を示すという説がある。
いちい材は洋の東西を問わず、昔は弓の材料として使われていた。
   
日光に多い?
「いちい」が何故当地の市樹なのかは詳しくは知りません。
当地では庭や公園などに植栽されているのを、確かによく見かけます。
また、市街地の南東側に鳴虫山という大きな山がそびており、
こちらの山頂近くに、たいそう立派な「いちい」があるとの話も聞いたことがあります。
市樹に選定されたいきさつをご存じの方がいらっしゃれば、ぜひお教えください。
   
ああ野麦峠、とは直接関係ないのですが
女工悲哀で有名な飛騨山脈は野麦峠の麓、岐阜県大野村高根村の一位森神社に、
3,401平方メートルものいちい純林がある。ここでは120本近くの「いちい」のうち、
幹回り2.5メートル以上の大木が半数以上を占めているそうで、
国の天然記念物に指定されている。
   
人との関わり
いちい材は、かつては人々の生活によく使われていた。
硬く緻密で、光沢や香りが良いため、室内材や家具に加工されていた他、
原始社会では弓の材料に最高とされていたようです。
   
ヨーロッパアルプスの氷河で発見された古代人のミイラ「アイスマン」は、
いちい材の棒(杖?斧の柄?)を持っていた。
   
古代ケルト人は「いちい」から弓を作り、さらに、矢には「いちい」の
樹液から採った毒を塗っていた。
   
アイヌ人も「いちい」の弓を最高としていたそうです。
   
朝廷では、飛騨の位山で採ったいちい材で「笏(しゃく)」を作っていた。
笏とは高位な身分の持ち物で、聖徳太子が胸の前に抱えているアレです。
「正一位」という階級から、木の呼び名が「いちい」となったらしい。
   
そういえば、当院の患者さんで、よく山仕事をされる方が、
「先生、いちいって木の王様だって知ってっか?」とおっしゃってました。
   
現代でも、北海道や東北地方、中部以西でも山深い地域なら馴染みがあるようです。
飛騨の一位一刀彫は有名ですね。
ただし、木自体が少ないため、また、大木では芯に空洞ができやすいため、
大規模な商業利用は不可能なようです。
あるWebで、いちい材を貼り合わせた、たいへん美しい木製カヌーを見かけましたが、
はたしてお幾らするのやら、ため息が出るばかりです。
   
   
薬になる
「西洋いちい」の樹液から制癌剤が開発されており、現在では卵巣癌などの多剤併用療法へ
応用されております。お教えいただいた方によりますと、婦人科領域ではかなり治療効果が
高いとのことです。「いちい」に限らず、植物毒からはよく制癌剤が合成されます。
   
民間療法では、葉や実が本邦で使われているようです。
葉は腎臓病や糖尿病に、実は咳止めに用いられているらしい。
   
糖尿病への使用方法はよく知りませんが、天日乾燥させた葉を煎じて服用するようです。
また、「いちい」の心材には、動物実験で実際に血糖降下作用があるとのことです。
本当に血糖降下作用があるならば、非定量的な民間療法は大変危険です。
幸いにも、当地に限っては、「いちい」を用いた民間療法を見聞しません。
   
実は焼酎につけておき、咳止めとして用いるらしいです。やはり当地では見聞せず、中部地方の
民間療法のようです。
   
何れにせよ、「いちい」にはタキシンというアルカロイドが含まれており、連用注意!危険です。
タキシンには血圧低下、徐脈、心停止作用があります。
   
「いちい」のお酒
スーパーで売っておりましたが、「いちい」では無く米で作った普通の日本酒でした。
青森県八戸市のお酒で、「いちいの郷」という名前です。
   
いちいの酒
   
青森県八戸市も市樹が「いちい」で、このようなネーミングになったようです。
成分表は米と米麹のみ、すなわち純米酒で、私は酒飲みで無いのでよくわかりませんが、
真面目に作られたお酒のようです。
  
他にも青森県や岐阜県に「いちい」の名前がついた地酒が幾つかあります。
   

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