3月のイサキ釣り |
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懐かしい釣り場では、懐かしい魚が釣れる。ぼくにとっては、大原のイサキがとても懐かしい。いまから15、16年前、大きなうねりの中を春日丸は出船した。まだ、夜も明けていない時刻、岸壁の街灯や船の照明灯はやけに寂しいというのに、乗客だけは非常に元気だ。その頃のぼくは、まだそれほど船には強くなかったので、当然船酔いして2、3時間はキャビンで寝ていた。が、不思議なもので魚が釣れ出すと自然と目が覚めて、体に力が甦ってくる。あの釣り人が持っている精神力は、ものすごい。
イサキの産卵期は、夏。5月の連休を過ぎたあたりから乗っ込みのシーズンとなり、入れ食い状態が続くようになる!
いまのイサキは、誘って釣るのがいい。コマセも意図的にはまかず、誘いの動作の中で自然にぱらぱらと出す程度がいい。
タナを絞り込むためには、まず4〜5メートルの範囲を静かに誘いながら探ってみる。25〜30メートルのタナを探る場合、まず30メートルまで仕掛けを降ろし、静かにそっと誘ってみる。イサキがかからなければ、1メートル程度ミチイトを巻きとり、再び静かにそっと…。これをくり返しながら、25メートルまでタナを探る。これがワンセット。
乗っ込みのシーズンに入ったイサキは、どん欲だ。コマセをタナでまき、ハリをコマセの中に入れ、じっと待っていれば全てがOK。それだけで、強烈なアタリがくる! |
● 1997年3月にとあるDailySportsというスポーツ紙に掲載した記事を、手直しして掲載しました。(March 10, 1998) Updated November 8, 1998 Tadahiro Iwami / e-mail iwami@air.linkclub.or.jp |