1月のカレイ釣り

湾内の小物釣りは、シーズンごとにさまざまな魚が釣れるのでとっても楽しいっすね。真冬の狙い? そりゃーもー、カレイですね。しかしカレイという魚、一言で小物と片付けてしまうには惜しい。ん? 何が。ときには、40センチオーバーの大物にも出会えるし、30センチ超えるとそんじょそこらの小メジナなんかより、よっぽどいい引きするんだから。小メジナが嫌いなわけじゃない。好きなんですよ。下手したら、メジナ釣りは最も好きな釣りのひとつですよ。カレイとともに、ね。

  カレイは、大型から釣れるんだって

 冬になると、カレイは浅瀬を目指して海底を這いながらやってくる。魚影の濃いときには、カレイは海底に折り重なるようにびっしりといるらしい。カレイ釣りのイメージ…、ぼくらは浅瀬で待ち受けて、集まってくるカレイを片っ端から釣る。きょう釣れて数が減った分は、あしたには新しい魚で補充される。
 でも、なんのためにやってくるの? そりゃあ、産卵でしょう。じゃあ、あまり釣ったらいけないんじゃない? そうです、そうです。カレイも大きなのからエサを食べるらしく、その場所が荒れてくるとだんだん型は小さくなる。注意信号です。

  よく聞くけど、“小突き”ってな〜に?

 湾内の小物釣りの基本は、“小突き”っすね、やっぱり。片テン2本バリなどの仕掛けで、オモリが着底したあとサオを上下しエサを踊らせる、そのためのワザが小突きです。魚の注意を引くためのアプローチで、普通は、魚をフッキングさせやすくするための技術でもあったりするんですね。
 カレイ釣りには、普通シロギス釣りに使うサオよりもやや胴に乗るサオを使うんです。そのわけは、もうすぐわかります。カレイ釣りの小突きは、オモリを底から浮かせる必要はありません。テンビンがよく踊るように、ミチイトのテンションを張ったり緩めたり、を繰り返せばいい。テンビンは、海底の砂泥を跳ね上げて濁りをつくる。同時にエサは、よく踊る。カレイは、この濁りに寄ってくる性質があり、目の前で踊るエサに飛びつきやすい、らしい。

  次に、“誘いあげる”んだって

 エサに飛びついたカレイは、その場を動かずにエサを呑み込む(水槽で飼ってたカレイは、そうしてたよ)。だから、小突いているだけではアタリはわからない。ある程度小突いたら、“誘い上げ”てみる必要がある。
 静かにオモリを底から浮かせ、エサをくわえているはずのカレイにテンションを与えてみる。もし、本当にカレイがいれば、小さなアタリがあるはず。ここで合わせると、まずバレてしまう。だから、聞き合わせにする。そのため、やや胴に乗るサオがいい。
 ゆっくりとさらにサオを持ち上げる。恐らくカレイはエサをくわえたまま海底から浮き上がる。ある程度浮き上がると、カレイは海底に向かって泳ぎ始めるのだろう。強いアタリを感じるはずだ。まだ、まだ合わせちゃダメ!
 サオを持ち上げたまま、リールを素早く4〜5回巻く。このときカレイの激しい抵抗を感じたら、OK。ハリ掛かりしている。
 あとは、無理をしないで水面まで浮かせるだけだ。結局、最後まで合わせないでねー!

  そして、ときには“投げ”たりもする

 基本は、あくまで小突き。なぜって? 面白いんですよ、小突くと。しかし、いくら小突いても釣れないことも、ある。
 そんなときには、そう、投げるんですね。船上からのキャストは、アンダースローが原則。着底と同時にイトフケをとり、アタリを待つ。しばらくしてアタリがなければ、少し引き寄せる。2本ザオで置きザオ感覚でやるといいかも。1本は投げて、もう1本は真下を狙うとかね。この方法は、ボート釣りのときにも応用できるので、ぜひ、やってみてくださいね。

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1997年1月にとあるDailySportsというスポーツ紙に掲載した記事を、手直しして掲載しました。(October 21, 1998)


Updated November 8, 1998 Tadahiro Iwami / e-mail iwami@air.linkclub.or.jp