2001/5/27 筋金入り大好き!

 毎月送られてくる新曲を通して聴いていると、その月の新曲の音作りの傾向がわかって(というか、勝手に私が分析してるだけだが)、とても面白い。前々から編集部員による新曲評のページ作りたいんですが、なかなかページが取れません。少なくとも2ページは欲しい。しかしそのためには、どこか2ページ減らさなきゃいけない。…ううっ、で、できないっ(泣)。というのが現状だったりする。

 しかし私はホームページを持っているじゃないか! よし、今月はちと早いが来月の新曲の感想を書いちゃうぞ! 

 だいたいラジオとかって、発売前から新曲流してるもんね。ポップスなんかはテレビでもCMでもラジオでも、新曲発売前からガンガン流して、この曲はあーだ、こーだ、とイメージをあおり、「うわー、この曲早く手に入れたいなぁ」とみんなが思うような仕組みになっている。演歌・歌謡曲のジャンルはなぜこれをやらないのだろう?と思ったこともあるが、それはやってはいるけど目立っていないだけと判明(悲)。

 さて、能書きはこの辺にしといて本題に入ろう。6月の新譜予定(本誌の早耳リリース表を参照)を見ると、北島三郎『男』、小林旭『昭和恋唄』、杉良太郎『いいってことよ』とドドンと大御所のお名前が見うけられます。

 率直に言わせていただくと、この3人やっぱ大御所だわ!

 この3曲をとにかく続けて聴いてみやがれ!って感じです。

 あまりに大きくなってしまわれた方々は、新曲のピーアール活動をあまりせず、「すでに過去の方」というイメージが正直、私の中にありました(今回の3人の中ではサブちゃんはちょっと例外)。そのせい、というわけじゃありませんが、本誌でも登場する機会はほとんどございませんでした。まぁ裏話をすれば、レコード会社や事務所の宣伝体制というものの影響なんですけど。

 しか〜し! ここで再度言いたいのは、今回の新曲が3曲とも、何か今までと違うものを感じるという点です。それは「今を生きている」というリアルな感触。リアルな演歌とはこういうものを言うのではないか?と私は感じたわけです。三者三様の、今を生きるリアルさ。

 「これが今の(年季の入った)男ってヤツなんだよぉう!」

という声が聞こえてきます。

 歴史やしがらみといったものが何重にもまとわりつき身動きが取りにくい状況、それを直視し、なんとか自分の信じる道をその中で実践しようとする…そんな渋さと哀愁を併せ持つ大人の男の姿が見えてきます。

 …ええまあ私だけに聞こえる幻聴や幻覚なのかもしれないですが。

 しかし、これだけの幻を見せる人は、やはり筋金入りでないといけません。3人には「不器用」というイメージがあります。それは「こういう歌しか唄えない」という不器用さ。この不器用ながら一本通った筋金が、私に歌をリアルに聴かせる幻を見せるのに違いありません。

 そして、リアルな幻の現れない歌なんか聴いてても面白くもなんともありません、私は。(注:もちろん、どんな歌にリアルな幻が現れるかというと、その人の経験に裏打ちされた想像力の及ぶ範囲ですから、人によって違います。って、んなこと説明すな)

 6月は、他にもいい曲や売れそうな曲はあるのですが、あえて今回はこの3人の新曲を皆さんにジックリ聴いていただきたいと思ったわけなのです。…ありゃ、長く書きすぎちゃったごめんね!

※実は、リアルに感じる理由と思われることが今回3人ともあるんですねぇ。サブちゃんはもちろん今年40周年ってことと、船村先生が50周年でしょ? 星野先生にしろサブちゃんを世に出した重要人物ですよ、もう、いろんなものが改めて新曲にぶつけられてるはずです。サブちゃんのもう一枚のシングル『妻よ』なんてフォークですよ? 彼がフォーク調で唄いたかったことはこれだったのか!って極め付けな感じの歌っすよ。それから小林旭さんはソニーからガウスに移籍しての第一弾で、45周年記念曲なんだって〜。杉サマなんか、インタビューで「今回の新曲ではテレビもラジオも出まくる!」と意気込んでます。なんだか急に熱くなってきたぞ!ってな大御所パワー、ぜひ6月は皆さんも感じて下さい。

 

2001/5/6 リッスンジャパン、ちょっと違う楽しみ方

 トップページにリンクしている「リッスンジャパン(listen japan)」のホームページは、最近演歌系の試聴ページリンクが充実してきた。で、ぱらぱらと見ていて面白かったのは、それぞれの歌手や歌の紹介文。さらに辿っていくと、これらの紹介文を書いている「エディター」たちの紹介のページというのものがあった。まぁ、想像通り、若い人ばかり(上は30代ぐらい?)で、主に普段は演歌ジャンルを聴いていなそうな人ばかり。しかし、そこに書いてある紹介文は、結構的確に歌や歌手の存在感をとらえているんである。

 そもそも演歌ジャンルと言っても私自身にとっても境界はあいまいで、自分なりの解釈でしかとらえていないが、変に「演歌を守ろう」とか考えるのでなく、もっと自然体で、素直にいいと思った部分を紹介していくことが今の私の役目なんだろう。役目とか思ってるところがおこがましいけどな(笑)。

 そんなわけで、リッスンジャパンのこれら紹介文、おすすめ。

本気の人は、自然ににじみ出てしまう

 5月3日に行われた真木ことみちゃんのキャンペーンは朝から雨降りで寒くて、あまりお日柄が良くなかった。それでも歌が始まるといっぱい人が集まってきてひと安心。

 このステージの前に取材スタッフがことみちゃんを囲んで雑談していたときのこと、来年10周年ということでいろんな話になり、彼女はデビュー時の思いとか、移籍のこと、今の気持ちなんかを語ってくれた。もちろんこれらは取材ではない(あくまでも雑談の一部)ので記事にはならないのだが、こういうところでふとにじみ出る人間性とか、意識の高さに私は感動したり、興味が湧いたりする。

 取材ですよ、はい、メモ取りますよ、録音しますよ、という状況でいくら「頑張ります」と言ったってそんなの当たり前のことなのだ。とにかく今回の雑談で、私はことみちゃんに対して改めて感動した次第です。

 あと、アルバムで北島三郎氏のカバーを3曲していて、この辺も非常に面白いです。ことみブレイク間近、か?(とりあえず私の中で)

2001/4/19 こんなラジオ番組面白いと思わない?

 あああああ〜! 今日は夏川りみちゃんのライブだった! スケジュール帳に書いてたつもりだったのに打ち合わせを入れてしまっていたぁああ。気付いたら今日だったんじゃないか、なんてもったいないことを…ククク…(泣)。

 いきなり取り乱しててスミマセン。本当に不覚。こういうことがあるからスケジュールはきちんと管理せねばならんのですが…りみちゃんゴメン! 今度は絶対行くからね。…しかしなんてこったぁ!

 日記にタイトル入れたりしてみました。本日は三田りょうさんの『哀愁フェリー』キャンペーン出陣式の取材と(演歌情報メモをチェックしてね)、UTレーベル(仮?)の打ち合わせ、資料作成、Kリーグ打ち合わせなどで気が付けば一日が終っている感じ。先日、ミュージックバードのラジオ『カラオケ手帖』の打ち合わせでチラッと言われた「しゃべってみませんか?」の誘いに急に興味が湧いてくる。最近(野)がコミュニティFMで、そのまんまのタイトルだが『歌の手帖』という番組を始めたばかり。あんまり内容がかぶるものをいくつもやってもしょうがないので、私の提案をちょっと書いてみよう。※今日はノリが「である調」だ。

 歌の手帖で話題にする曲は基本的に演歌/歌謡曲というジャンルだが、さまざまな音楽ジャンルを又にかけて聴いてきた環境の私としては、そういう「音楽」としてのクロスオーバー部分を紹介する番組があったら面白いんじゃないかと思っている。現状は、演歌制作部の作り出す新曲のPRか、カラオケのレッスンあるいは大会の要素を含んだ番組、名曲と言われる曲を紹介する番組、歌手のキャラクターに光を当てる番組が多いような気がするけれど、実際に、いろんな音楽にふれるとそれぞれがとても影響がある感じなので、あえてジャンルという垣根をはずして「音楽」だけで聴かせてみてはどうだろう。この雰囲気の曲の後にこのタイプの曲をつなげると面白いなとか…要は自分の好きな曲だけ並べて聴いたら、音楽的にいろんなつながりが見えたりとかするんじゃないかってことなんすけどね。

 いやー、そんな番組あったら絶対面白いよ、とっぴょうしもない組み合わせとかで股旅から泣きの演歌から、民謡、ロック調、フォーク調、歌謡曲調、つなげられそうなJ-POPや洋楽、ラテン、インストゥルメンタルなんかも入れたりして…うっわー、すごく楽しそうだ。皆さんこれ面白そうって思いません? 思わない(笑)? うーん、自分では面白いけど、じゃあどんな人が聴いてくれるんだろう?って考えると疑問でもあるんです。何か感じた方は、メールでご意見をお聞かせ下さいませ。

 こないだ六本木のスイートベイジルというライブハウスでロスインディオスの『コモエスタ赤坂』ニューバージョンの発表ライブを見たのが、かなり影響してるね。良かったっすから。ボーカルの歌唱法とアレンジの妙で新しい世界が広がるっていうか。あと使う楽器の新鮮さ。王道は王道としてガンガン王道を行って欲しいし、もっとこういう遊びも受け入れられる環境(不景気じゃない空気)になって欲しいものです。

2001/4/13

 皆さんごめんなさい!m(_ _;)m。今日の日記は久しぶりな上に、言い訳じみてます。

 楽しみにしていらっしゃった(過去形)方には本当に御迷惑をおかけいたしましたが、更新が異常に滞ってしまい、気が付けばもう半年…も過ぎているというていたらくで、われながら情けないことこの上なしです。

 さて、新世紀になり、おかげさまでわたくしことヒロヨは編集長に昇格いたしました。強力な新編集スタッフも加わり、自分の仕事も以前とは少し変ってきました。とはいえ、やってることは実はあんまり変って無いのが実情なんですけど(笑)、ちょっと考えることが変ってきたかなぁとは思っています。

 そこで、このはみだし日記も気持ち的に少しリニューアルいたします。より私の言いたいことに近付けようと思います。なぜ「より」なのか。

 もとはと言えば、こういう、雑誌編集という仕事をしてるぐらいですので、「読んでいる人が喜ぶこと」を追求したくなる性格。さらに、取材しても実際に記事にすると非常に少ない行数しか書けず、「書きたい」という欲求不満がたまってしまうので、双方の要望を満たすべく、このページを立ち上げたわけであります。

 しかしながら! 実際に始めてみると、いろいろと考え過ぎることが多かった。最初にあたった壁が「本誌に記事が出る前にインターネットで流してしまうのはイカンだろう」ということ。後回し後回しにして書いていましたが、正直、本誌に出る頃には自分の中の感動も薄れてしまい(だって次々にいろんなものに出会ってしまうんだもん)、記憶を引っ張り出すのが大変。これは、「本誌に載る前に書いてしまおう」と割り切ってクリア。

 次の壁は「本誌に出ている記事以外の部分を書かなければ」という強迫観念。今度は、実際に記事に書いたことを書かないように、変な気をつかってしまった。これも結局、続けるのが困難に…。

 そして書いているうちに、すっかり本誌と同じ「仕事感覚」の日記になっていることが判明。それはそれで楽しいけど、うーむ、それ、本誌でやればいいんじゃないんだろうか?とふいに込み上げるものがあり、今回のリニューアル(?)に至ったわけであります。より日記に近くなると思いますが、今後ともよろしくおつきあいのほど、お願いいたします!

 さっそく今日の出来事から。坂本冬美ちゃん(年上の先輩だけどこう呼びたい、いちファンとして)の15周年記念パーティー。入り口で一人ひとりと握手してお出迎えしてくれた彼女。懐かしい顔、そして挨拶の言葉に、感動して思わず涙を流す場面も。

 先月の大阪新歌舞伎座では、ちょうど彼女の誕生日と重なった千秋楽、15周年もお祝いしようとファンの思いつきで、会場のお客さん全員がペンライトを付けてステージを応援したそうです。実はその2日ぐらい前、編集部にファンの方から電話がありました。「こういうことを企画しているので、それを取材してもらえないでしょうか」というものでした。すごく興味あったし、それは絶対素晴らしい成功をおさめると思ったのですが、残念ながら急であったこと、東京から遠かったこと(新宿コマや明治座だったらなんとしてでも駆け付けたのに…)、取材しても、客席の模様を写真におさめるには舞台側から撮影しなければいけないこと、など総合して考えて伺うことができませんでした。その代わり、ファン代表として、よければお手紙を下さい、と言っておきました。当日やっぱり冬美ちゃんは泣いてしまったそうですね。ああ、その現場に立ち会いたかった!

 そんなことを思いながら今日は彼女を見ていました。やっぱりなんだかんだいって、生の現場に、その「今」に立ち会うことってすごく大切ですよね。私も縁あって今日、この場に立ち会うことができ、とても嬉しかった。15年、いや、デビュー前からの縁のある皆さんが感じている嬉しさは、きっと私の何倍も大きく深いものなのでしょう。ちょっぴり悔しいなとか思ったり。でもとにかく、そこにいられて良かった。

 並木路子さんのお通夜が冬美さんのパーティー会場のすぐ近くで行われていたので、終ってすぐに行きましたが、すでに会場は親族関係の方だけに。「リンゴのうた」がものすごく哀しいアレンジで流れていて、真っ赤なリンゴをかたどった遺影がなんとも無邪気で不思議な感じでした。本誌では97年に「歌に生きる」コーナーにご登場いただきました。私が写真を担当して、とてもイキイキとした素敵な写真が撮れたことがとても嬉しかったことなど思い出しました。お亡くなりになった日もステージが予定されていたわけですから、まさに「歌に生きた」方でした。ご冥福をお祈りいたします。

 久しぶりに書くと長くなる、というのはどうも私のくせのようです。

 

2000/8/3

 暑いっすね〜、皆さん! うだるような感じですが、お元気にしていらっしゃいますか?

 さて、先日緑のスーパーマンさんから詳細なレポートをいただいた城之内早苗ちゃんの銀座三越屋上/新曲発表会にお邪魔して来ました。

 インタビュー時に盛り上がったのですが、残念ながら私は浴衣ではなかったです(笑)。それにしてもすっごく暑かった、この日も。城之内さんの着物もとても涼やかで良かったなぁ。でも実際はすごく汗をかいていたそうです。

 新曲も良かったけど、実は私は彼女のデビュー曲でもある『あじさい橋』を初めて生で聴いたんですよ。これがすごく良い歌だなぁと思いました。曲そのものは演歌っぽくない(むしろ純粋にアイドル歌謡曲って感じ?)んだけど、彼女の歌がとても瑞々しいんですよね。年齢を重ねて味わいを深めるのが演歌の良さだったりするけど、曲によっては年を重ねても瑞々しく唄えるってとても大切なことで、これも歌手の個性だなって思いました。

 「走れ歌謡曲」パーソナリティーの尾崎由美さんが司会。掲示板でこたつさんと緑のスーパーマンさんがやりとりしてましたが、確かに舌戦!という感じでドキドキしちゃった。でも、走れパーソナリティーの皆さんはそれがまた魅力であったり仲の良い証拠であったりするんですね。はー、安心した(笑)。

 あと、今日は岩本公水ちゃんの5周年をもっと盛り上げようという「五公水(ごくみ)の会」に参加。(こっそり)9月後半に新曲が出るらしいよ! それがすげぇ迫力でおねぇさんビックリしちゃったよ。いろいろ彼女にも話を聞いてみたいもんです。帰り際そう言ったら、「話したいことすっごくたくさんあるんですよ!」と瞳を輝かせていた。なんだ何があったんだ一体…これは話してもらわないと(笑)。

 黒木梨花ちゃんからメール。仕事が終ってお疲れのようだった。歌手は苛酷な仕事だよなぁとつくづく思う。でも自分で選んだ道だからね、極めて欲しいと思うわけです。

 今日は水森かおりちゃんが青森でねぶたに参加しているはずだ。編集部のリエゾウが取材に行っている。うまく跳ねたのかな?

 それから都はるみさんの大島コンサート。素晴らしいステージだった…! 三味線kuboさんのページや、はるみさんのオフィシャルページでも当日の様子がわかるようになってるけど、正直、雨が降ってて、歌碑除幕式の段階まで「これでコンサートできるのか?!」とイライラした。でもそんなの吹っ飛んじゃった。会場の気持ち良さといったらなかったよ。ほんとにはるみさんて晴れ女なんだね!

 スタッフの苦労を考えたら、少しくらいで不満を持ったりした自分の人間の小ささが情けなかった。成功してほんとに良かったです。皆さんお疲れさまでした。やっぱ、大自然とともに生きるには大きな心を持たないとだめなんだね。

 西方裕之さんのファンふれあいツアーは昨年に引き続き2回目の参加。今年も宴会がすごく楽しかった。ファンのことをすごく大事にしてるのが伝わったから。事務所の社長が司会をしていたんだけど、すごく双方向なコミュニケーションが充実してるんだよね。そしたら、後で聞いた話だけど、社長は昔歌手をやっていたんだって。そっか、自ら歌手をやっていたなら、お客さんとのやりとりのツボを押さえてるわけだぁ…と妙に納得してしまった。こちらも、お疲れさまでした。

 上杉香緒里ちゃん。ファンのいる前で唄う香緒里ちゃんを見るのは初めて。すげぇっ!超人気ものじゃん! お客さんのハートを掴むのが上手い! それから、初めてのしっとり演歌も似合う! この夏の暑さの中、空輸された本物の寒牡丹に負けないぐらい色気出してたと思うよ。本誌のインタビューでは「色気がなくて…」なんて言ってたけど、いやいや、あるって!