新しいいのち


妊娠第28週(8ヶ月)(1999.6.23)

前回と同様、夫と長男に留守番を頼むので、早朝からそわそわ。 日課になっているメールチェックをすると、 「天使の会」の 仲間から、産婦人科を受診する際、個人病院を選ぶべきか総合 病院を選ぶべきかといった問題を取り上げたメールが届いて いました。わたし自身はふたごを亡くしたときに、難しい お産ばかりをあつかう周産期センターのお世話になっていたので、 やはり医療設備や技術の水準の高い病院を選ぶべきかなと思いました。 そこではたと、いまの自分の産院の選択は正しいだろうかと 考えました。夫立ち会い分娩、入院中の母児同室、母乳の指導などに 魅力を感じて病院を選びましたが、これまでのところ経過は順調で、 それで特に問題はありませんでした。ただし万が一というときに 赤ちゃんの命を優先するのなら、周産期センターのほうが安心です (一度カルテができていれば正常分娩でも周産期センターで 受け入れてもらえるそうです)。そこまで考えたことがなかったので、 おなかの子に対して思いやりが足りなかったのでは、と反省しました。

長男を出産したのと同じ病院ということもあって、ここでの出産を リアルに思い描き、とても楽しみにしていました。だから、いまさら 転院する気持ちにはなれなかったのですが、赤ちゃんの命にはかえ られないし、と迷いが生じました。そこで、診察のときに、先生に 気になっていることを思い切って聞いてみました。 わたしが一番気掛かりだったのは、経過が順調でも、出産時に へその緒が巻き付いて赤ちゃんが亡くなるというケースです。 赤ちゃんは羊水の中を自由におよいでいるのだから、検診の時点で 順調にみえても、危険を背負っているということは、どの赤ちゃん にもありえることです。実際、前回はちがったのに、今回は 逆子になっていました。もう一度頭が下になったとして、そのときに へその緒が巻き付くのではないかと心配になってしまったのです。 そのように先生に話してみたところ、つぎのような回答でした。 「首に限らず、出産時にへその緒が手足など身体のどこかに 巻き付いているということは、かなりの確率(3割くらい)で おこります。けれども、仮に首に絡まっていたとしても、赤ちゃんは へその緒を通して呼吸しているので、それで直ちに命に関わるわけでは なく、悪くて仮死状態ということになります。むしろへその緒そのものが 圧迫されることのほうが危険です。つまり、へその緒が首に絡まった ことが原因で死亡するということは、とても稀なのです。」

このように、へその緒が絡まることはそれほど危険でないと 説明した上で、それでもわたしの納得がいくように、とても時間を かけて、超音波の映像を観察し、解説しながら、「いまのところ へその緒が首にかかっている様子はありません」と結論をだして くださいました。わたし自身も逆子で、へその緒が首にまきついて いたのに経膣分娩でなにも問題ありませんでした。でも知人の中には へその緒が原因で赤ちゃんを亡くされたかたがいらっしゃるので、 「めったにない」といわれただけではなかなか安心できません。 でも、先生がわたしの不安を理解してくださって、それに応えて 丁寧にお話をしてくださったので、この先問題がなければ、 このままここで産むことにしました。

超音波断層のモニタで、目や鼻、胃袋、大腿骨、心臓の4つの 部屋まで見ることができました。あまりきれいな映像とは いえないけれでも、注意して観察すると、こんなにおなかの 中の様子がわかるのだということに驚きました。長男のときには 点々と連なった背骨が見えただけで感激したものでした。 今回は、見なれてしまったせいか、あるいは心配のほうが強い からか、会えて嬉しいというよりも、奇妙に静かな気持ちでモニタを 眺めていました。う〜ん、二人目ってこんなものかしら?

妊娠第30週(8ヶ月半)(1999.7.5)

休日をやりくりして夫が午前中を空けてくれたため、 今回は夫と長男と3人で愛児センターへ行きました。 超音波断層の映像を3人で見ました。助産婦さんの診察だったので、 お医者さんのときよりもゆっくりと、おしゃべりを交えながら 診ていただくことができました。今回は、目と口がおぼろげながら 見え、なんとなく口をぱくぱくと動かしている様子がうかがえました。 また手を頭(または顔、口元?)へもっていって、ぽりぽりと 掻くような仕種も見せてくれました。とても人間らしくなっていたので 嬉しく思いました。逆子が直っていなかったので、性別不祥。 前回よりも下の方に沈みこんで丸くなっていたので「窮屈そうで かわいそう」とつぶやくと、助産婦さんがすかさず「ある程度の 窮屈さはしっかりと包み込まれているという感覚をもたらすので、 広すぎるよりも赤ちゃんには安心感を与えるものなのよ」と 答えてくださいました。この状態がどれほど窮屈なのかは 赤ちゃん本人に聞いてみないとわかりませんが、そのような 説明によって、母親は心配しても仕方のないことについて 不安を覚えなくてすみますから、ありがたい言葉だなぁと 思いました。

診察の間、夫が長男に「ほら、あれが赤ちゃんの頭だって」などと 話し掛けていましたが、長男は早々に飽きてしまったようでした。 ま、大人が説明を受けながらでもわかりにくい映像ですから、こどもが 飽きてしまっても仕方ありませんが。いままでいなかった赤ちゃんが 突然目の前に現れたときのショックを、なるべく少なくしてやりたい と思っていますが、やはりそのときになってみないとピンとは こないものなのでしょうね。

妊娠第32週(9ヶ月)(1999.7.19)

16日(金)はふたごの分娩から一周年の記念日(一応、命日)だといって お寿司を食べ、平日で特別なことができなかったからと翌17日(土)は 昼は外食、夕食はビーフシチューにしてワインをがぶ飲み。検診の直前に 暴飲暴食をしていたのでひやひやしながら体重計にのりました。でも、 体重測定を担当されていた看護婦さんが、端数を切り捨てて少なめに体重を 記録してくれる人だったので、記録上、体重の増減はなしでした。ラッキー。

逆子が直っていないことを確認しながらの超音波の検査でした。 前回とちがう先生に見ていただいたので、一応性別を尋ねてみました。 条件が悪いながらも、お尻のほうから見上げるような角度で 観察した結果、やはり女の子のようでした。「もし」女の子だったら 名前は”○○”にしよう、といいながらも、我が家ではもうすっかり、 おなかの赤ちゃん=”○○ちゃん”で定着してしまっていました。 これで実は男の子だったとなると、長男が気の毒だと気掛かりでしたので、 これで一安心。

愛児センターでは、検診のたびに超音波断層写真を手渡してくれるわけでは ありません。いままでにもっているこの子の写真は、ほんの妊娠初期のものだけです。でも先生はカルテ用に印刷をしているようだったので、お願いして みれば断わられないだろうと思い、「写真をください」と頼みました。 先生は「ああ、いいですよ」と気軽に引き受けてくださり、正面からみた顔の 写真を撮ってくれました。これがなんともねぇ。長男がどちらかといえば、 性格は父親似、外見は母親似なので、次に女の子だったら、顔はおとうさんに 似ているかもしれないねと話していましたが、本当にそんな感じでした。 夫に似ている女の子の顔といえば、夫の妹の顔?と想像してきましたが、 そう思い込むせいか、実際彼女に似ているように見えました。 このところ長男がぐっと成長して、赤ちゃんっぽさが抜けたせいで、 夫は寂しさを感じているようです。「ちっちゃい赤ちゃんが懐かしいね」と いっては、赤ちゃんに会える日をとても楽しみにしています。

[戻る]





ご意見、ご感想は こちらまでお願いします。
E-mail : hiikoysd@air.linkclub.or.jp
メールがこなくてさびしい思いをしています。
おたよりお待ちしています!