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第4講 隣地高さ制限の天空率
文責:鈴木繁康
■下図の敷地Aの隣地高さ制限の天空率を検討してみましょう。
◆例えば、計画建築物の一部が隣地境界線a−bの隣地高さ制限を超えているとします。
このような場合には、隣地境界線a−bの天空率だけを検討すれば良いのではないか、という質問があります。
条文によれば、天空率による高さ制限を選択する場合は、敷地Aに対する隣地高さ制限は適用されないと規定されています。
つまり、b〜g間の隣地境界線の天空率を検討しないことは、b〜g間の建築物の高さ制限をまったく検討しないことになります。
したがって、敷地Aにおいて隣地高さ制限を適用する場合は、すべての隣地境界線の天空率を検討しなければなりません。
建築基準法56条7項(天空率の規定) 二
第一項第二号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあつては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあつては十二・四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置
次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。

◆敷地Aには入隅も出隅もあります。まず、入隅部分の隣地境界線a−b、b−cの隣地高さ制限を確かめてみましょう。
1 隣地高さ制限による建築物の高さの限度は、隣地境界線a−b、b−cからの水平距離で決まります。また、水平距離のとれない入隅部分ではbを中心とした円弧によって処理します。
2 次に入隅部分を2等分します。これでb−c−d−e−hの範囲は隣地境界線b−cの高さ制限が適用され、残りの部分は隣地境界線a−bの高さ制限が適用されることになります。
3 このように入隅部分を2等分する理由は、隣地高さ制限の「後退距離」は隣地境界線の辺ごとに算定するためです。
4 a−b、b−cの後退距離が異なる場合は、bーhを境に異なる等高線が描かれることになります。

◆では、入隅部分の天空率の検討に入ります。
まず、隣地境界線a−bを「窓」に設定します。
次に、基準線を設定します。
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建築基準法56条7項2号 第1項第2号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) |
隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては16メートル、第1項第2号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては12.4メートルだけ外側の線上の政令で定める位置 |
基準線は、隣地境界線から「住居系用途地域では16m、商業系用途地域では12.4m」だけ外側の線です。
◆次に、測定点を配置します。
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建築基準法施行令 第135条の10 法第56条第7項第2号 の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。 |
二 前号の位置の間の基準線の延長が、法第56条第1項第2号 イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては8メートル、同号 イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては6.2メートルを超えるときは、当該位置の間の基準線上に、同号 イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては8メートル、同号 イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては6.2メートル以内の間隔で均等に配置した位置 |
測定点は「住居系用途地域では8m以内(16mの半分以下)、商業系用途地域では6.2m以内(12.5mの半分以下の均等な間隔」で基準線上に配置します。
隣地境界線a−bでは01、02、03の測定点が配置されます。
◆次に、各測定点から窓a−bを通して適合建築物と計画建築物の天空率を算定します。

◆隣地境界線b−cの測定点と窓は下図のようになります。

◆隣地境界線c−dの測定点と窓は下図のようになります。

◆出隅部分d−e−fの隣地高さ制限と測定点は下図のようになります。
出隅部分の隣地高さ制限はそれぞれ重なる部分ができます。

◆最後は隣地境界線f−gの測定点と窓です。

◆敷地Aのすべての基準線、測定点と窓を通した天空率の算定方向をまとめると下図のようになります。
