めまい 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
「めまい」の原因は極めて多様で、いろいろに分類されます。
部位別では内耳(三半規管)、体の平衡感覚に関係する神経(前庭神経)、頚、脳(脳幹)の障害などで起こりますが、めまいのおよそ7〜8割は内耳障害(末梢性めまい)が原因と考えられます。
 最も多い「めまい」は、めまい発作が1、2回で消失し、特定の病名をつけられないもので、いわゆる「
めまい症」と呼んでいます。これは、現時点では、はっきりとした原因が「未だよくわからない」ということです。
めまい 耳の構造

めまいの種類と特徴
1.
頭位性めまい:耳鼻咽喉科で診るめまいのなかでは最も頻度の高いめまいで、寝返りやおじぎをしたり、高いところのものを取ろうとして上向きになったときなどに繰り返し、数秒から長くても数分の短時間、激しくめまいが起こり、吐き気などが伴います。その後に強いめまいが無くなっても、歩行中ふわふわ浮いた感じがすることがあります。良性発作性頭位めまい(BPPV)は内耳の前庭というところにある耳石の一部が剥がれて、半規管に入り込んで刺激するために起きるとされています。自然に治ってゆくことが多いのですが、積極的にわざとめまいを起こす姿勢をとったり、理学療法(頭位療法、浮遊耳石置換法、エプリー法:YouTube上の参考動画)が奏功する場合があります。
2.
前庭神経炎:ある日突然激しい回転性めまいが起こり、約1週間くらい続きます。その後しだいにめまいは軽快し、約1ヵ月で消失します。風邪症状の後に起きますが、はっきりした既往が無いこともあります。
3.
中耳炎の合併症:真珠腫性中耳炎で骨が破壊されたり、激しい化膿性中耳炎などで内耳に炎症が及ぶとめまいが起こります。めまいが起こる前に、耳痛や耳なり難聴の増強を覚えます。
4.
緊張性頭痛に伴うめまい:長時間のデスクワークや車の運転の後、後頭部から頚の激しい痛みとともにめまいや吐き気が生じます。後頭部に局限した圧痛点のあるのが特徴です。
5.
起立性低血圧、起立性調節障害:急に立ち上がると、一時的に脳貧血の状態が起こるため、目の前が暗くなり(立ちくらみ)、頭がポーッとして立っていられなくなります。自律神経失調症、貧血、ストレスによることもあります。
6.
中枢障害に由来するめまい:一般にめまいは弱いが、起立や歩行が困難で、まっすぐ歩けなくなります。物が二重にみえたりすることもあります。多くは高血圧や不整脈などの心臓病、高脂血症を合併していて、椎骨脳底動脈循環不全症、脳血栓、脳出血、脳炎、あるいは脳腫瘍が原因です。
7.
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群):交通事故、スポーツ外傷後などに発症することが多く、頭痛・めまいを始めとして多彩な症状を呈する疾患です。
8.
メニエール病:数十分から数時間のめまいが断続的に繰り返しておきます。(メニエール病診断基準の手引き
9. 突発性難聴:難聴にめまいが数日続くことがあります。

めまいが起こったとき
 嘔吐を伴うような激しいめまいでも、意識障害、手足のシビレや麻痺、舌のもつれ、頭や胸の激しい痛みなどがなければ生命に危険はないと思ってよく、まず一安心です。とりあえず、耳鼻咽喉科を受診してください。激しいめまい発作時には光、音、振動、頭位の変換などの刺激を避けます。めまいは一般に精神的ストレスが引き金になり、肉体的疲労がそれを増強する傾向があるので、心身ともに安静にして横になって休むことが重要です。病医院では、めまい・吐き気・嘔吐などの症状に応じて、抗めまい薬の内服、点滴注射などの治療をします。吐き気や嘔吐のため食事ができないときは、入院して安静をとります。

めまいの治療
基本的にはめまいを抑える薬を飲みながら外来通院で様子を見ます。
平衡機能訓練(めまい体操)、頭位療法などをします。
発病のきっかけや症状を増悪させるストレスを極力取り除きます。
塩分はひかえめに、禁煙、規則正しい生活、十分な睡眠を心がけます。
診察や簡易な検査で診断がつかない場合は、専門的な検査が必要です。
(参考記事:眩暈の予防と対策めまい治療の流れ


動揺病、乗り物酔い、加速度病
 
乗り物酔い」は「動揺病(motion sickness)」とも言われます。車や船など、外界から隔てられた空間内に居て、急発進や停止、道のカーブや波で揺れるときに内耳は加速や減速、遠心力で刺激を受けます。そのような状況下で眼から入ってくる情報と内耳で感じるバランス感覚との間に違いがあることで脳が混乱を起こすために乗り物酔いが起きると考えられています。
 乗り物酔いは体調に大きく作用されます。その症状は軽ければ、頭重感、冷や汗、生唾が出る、胸焼け程度で済みます。乗り物酔いの症状が出るということは、脳が警報を鳴らしているわけで、それを無視していると、症状は重くなってゆきます。頭痛、吐き気が増強し、顔面蒼白となり、ついには嘔吐をしてしまう状態にまでなります。
 予防策は、なるべく体が揺れないようにすること、揺れない場所を選び、外界のよく見える前方で進行方向に座ることです。乗り物酔いの症状はほとんどが自律神経症状です。そこで、自律神経の失調を招かないようにすること、交感神経を活発にさせることが乗り物酔いの予防になります。睡眠不足は厳禁です。空腹、満腹どちらも良くありません、車内は換気をよくして、楽しい気分でいることです。
 治療薬としては吐き気や嘔吐などを抑える副交感神経抑制剤、脳の嘔吐中枢の働きを抑える抗ヒスタミン薬、鎮静制吐作用のある薬などが酔い止めの薬として使われます。それを飲むことで、酔わないと言う心理的効果も大きく働きます。ガム、スルメ、昆布などを噛むことによるチューイング効果、チョコレートや飴をなめていることによる血糖値上昇効果なども脳を覚醒させることで乗り物酔いの予防になります。各種酔い止めグッズも一度使って酔わなければ、それを使えばもう酔わないと言う心理的効果や学習効果が期待できます。
 乗り物酔いの予防と対策もめまいの治療と似ています。
1. 不安、不眠、疲労、異常な臭いを避ける。
2. 動揺の少ない場所に座り前方を見る。
3. 読書をしない。
4. 少量の飲酒でリラックスする。
5. 酔い止め、めまいの薬を前もって飲む。
6. 以上の点を守れば絶対大丈夫、という自信をもって出発しましょう。
7. 日常的に困っている方は体操教室などで平衡感覚、自律神経を鍛えましょう。

(参考記事:乗り物酔いの予防乗り物酔いを予防しよう、)

めまい治療薬
めまいの対症療法薬
 重症時(静注):メイロン注、低分子デキストラン注
 軽症時:メリスロン、セファドール、アデホスコーワ
嘔吐:プリンペラン、ナウゼリン、トラベルミン(筋注)
不安・緊張状態:セルシン、リーゼ、コンスタン、デパス
立ちくらみ・低血圧:メトリジン、リズミック
うつ状態:デプロメール、パキシル、トレドミン
脳梗塞既往症:ケタス、セロクラール

めまいに用いられる漢方薬
めまいによく用いられる漢方方剤として、補中益気湯(ほちゅうえっきとう:エネルギーの不足から立ち上がった時に血圧が下がり、ふらつく)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう:身体がむくんでいて、乗り物酔いのような症状)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう:イライラしていてのぼせて目が回る)などがあります。

めまいリハビリの書籍・ウェブサイト
●自宅で治せる めまいリハビリ 国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科 五島史行先生 金原出版株式会社
●めまいは寝てては治らない 実践!めまいを治す23のリハビリ 横浜市立みなと赤十字病院耳鼻咽喉科 新井基洋先生 中外医学社刊
めまいプロめまいナビ(興和株式会社)

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