先天性耳瘻孔 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
 生まれつき耳前部に小さな孔があって、そこから白い垢のようなものや臭い膿汁が出ることがあります。孔の奥は皮膚のトンネルになっていて、耳介の軟骨にまで細い手袋状になって延びています。耳瘻孔は耳介とその周囲のどこにでも出来ますが、耳輪脚の前部に開口部があることが殆どです。先天性耳瘻管は感染を起こして化膿することがあります。感染を起こすことがなければ放置してもかまいませんが、繰り返して腫れるような場合には袋状になった瘻管全体を摘出する手術の必要があります。袋状になった先は耳介の軟骨に癒着していることがあり、耳介軟骨の一部分も合併切除しないと瘻管を完全に摘出できないこともあります。不完全な手術では再発することがあり、特にそれまでに感染を繰り返したケースでは手術は結構やっかいなものになります。手術は大人や高学年児童などで局所麻酔が可能であれば外来手術で出来ますが、幼小児や感染を繰り返して周囲と癒着したり皮膚欠損の大きいケースでは大人でも全身麻酔で行う必要があります。先天性耳瘻管摘出術は診療報酬点数表で手術そのものの点数は3,900点と規定されていますから健康保険3割負担の方で11,700円の手術です。
耳瘻孔、先天性耳瘻孔 先天性耳瘻孔化膿症 皮下膿瘍形成
色素で染色した耳瘻管を摘出
 先天性耳瘻管を摘出した後の創腔は死腔dead spaceが出来ないように皮下組織を密着縫合してから、皮膚は細い糸で縫合します。耳介周囲は圧迫が効かせにくい場所なので希に術後の創腔に浸出液や血液の貯留が起きて創治癒が長びくこともありますが、通常は1週間前後で抜糸した後、感染創でない限り、手術創は数ヶ月で殆ど目立つことなくきれいに治ります。

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耳介(耳殻)各部の名称 耳介の形態
1. 耳珠 2. 耳輪脚 3. 耳輪 4. 対耳輪(下脚) 5. 対耳輪 6. 対耳珠 7. 耳垂
a. 舟状窩 b. 耳甲介舟 c. 耳甲介腔 x. 耳介結節(ダーウィン結節) G. 外耳道