慢性扁桃炎・扁桃肥大 笠井耳鼻咽喉科クリニック・自由が丘診療室
扁桃肥大について
 扁桃は1012歳ぐらいまでは生理的にも肥大のあるのが普通で、ただ大きいというだけでは、特に心配することはありません。
 以下のような扁桃肥大のための症状がひどい時に、手術を考えます。
1. 慢性的な呼吸障害(鼻づまり、口で呼吸する、いびきがひどい)
2. 睡眠障害(寝付き・目覚めが悪い、呼吸停止、昼間の活動性の低下など)
3. 嚥下障害(食べるのがスムーズにゆかない、栄養障害)
4. 構音障害(鼻づまり声、発音不明瞭)
5. 扁桃腫瘍
慢性扁桃炎について
 扁桃炎は習慣的に発症しているかどうかの判断が大切です。年に何回くらい急性扁桃炎(慢性扁桃炎急性増悪)を起こすのか、症状の持続期間、発熱・咽頭痛の状況、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍を起こしやすいかどうか、幼稚園・学校・職場を何日間休まなければいけないか、などを考慮して扁桃摘出手術をするべきかどうかを判断します。年に
23回程度であれば、外来での保存的な治療で十分対応が可能です。外来で行える扁桃の手術的治療法としては、ラジオ波凝固治療も効果が期待出来るでしょう。(参考:レーザーとラジオ波手術の使い分け扁桃膿栓症と扁桃肥大の外来治療
 溶連菌感染症などの余病としておこってくる、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、掌蹠膿疱症、
IgA腎症などの扁桃病巣感染の二次疾患は極めてまれですが、扁桃摘出手術がよい場合があります。慢性扁桃炎のために起こってくるこの様な病気は、心配されるほど多いものではありませんが、血液検査や尿検査で異常がでるような方には予防的な意味で、手術をお勧めする場合もあります。併発していることの多い、慢性副鼻腔炎滲出性中耳炎は、外来で根気強く治療を続けてください。
 繰り返しておこる扁桃炎も、以下のような日常生活上の注意を守ることである程度までは防げるものです。身心のストレスを避け、睡眠を十分にとり、暴飲暴食を止めて栄養の偏りをなくし、風邪をひかないようにする、本人の禁煙は勿論のこと家族や職場での副流煙を避ける、軽い症状のうちに医療機関を受診して必要な薬を処方してもらい重症化させない事などです。風邪を引きやすい虚弱体質のような人には、漢方薬も有効な場合があります。この様な対処法は扁桃炎に限らず全ての疾患に対して言えることでしょう。(急性扁桃炎と慢性扁桃炎繰り返す扁桃炎の対策
扁桃 腺窩性扁桃炎 腺窩性扁桃炎(腺窩、陰窩

ワルダイエル扁桃輪ワルダイエル扁桃輪 Waldeyer's tonsillarring
A 咽頭扁桃(アデノイド)
B 耳管扁桃
C 咽頭側索
D 口蓋扁桃
E 咽頭後壁のリンパ小節
F 舌扁桃
 扁桃は咽頭の粘膜内に発達したリンパ組織の集合体で、口蓋扁桃、咽頭扁桃、耳管扁桃、舌扁桃、咽頭側索および咽頭後壁のリンパ小節が咽頭部を輪状にとり囲んでワルダイエル扁桃輪を形成しています。扁桃の表面にはたくさんの凹凸があって、この陥凹は扁桃の実質内に深く入り込んでおり、この陥凹を陰窩(crypt)と呼びます。扁桃はその存在する位置や構造から、鼻と口から体内に侵入してくる異物や病原体を捕らえやすくできていると同時に感染を受けやすい状態にもなっています。
 口蓋扁桃は前口蓋弓(口蓋舌弓)と後口蓋弓(口蓋咽頭弓)で囲まれる陥凹部(扁桃洞)に存在しています。口蓋扁桃の表面には10〜20個の扁桃小窩が開口し、管状にあるいは分岐して深く扁桃の実質内に侵入して扁桃陰窩を形成しています。扁桃陰窩は口蓋扁桃の上方に数多く存在し、特に口蓋扁桃の上極近くで大きくて深部にまで入り込んでいる部分を上扁桃窩と言いますが、その上扁桃窩の中には膿栓や膿性分泌物を認めることが特に多く、扁桃周囲を圧迫することで膿栓や膿汁が排出扁桃膿栓症と口臭扁桃膿栓症:扁桃膿栓症と扁桃処置)されてきます。
 陰窩は口蓋扁桃、咽頭扁桃(アデノイド)、耳管扁桃、舌扁桃に存在しており、とくに口蓋扁桃と咽頭扁桃に目立って多いものです。膿栓(栓子 lacunar debris)は剥奪した扁桃の上皮細胞、遊離白血球やリンパ球、細菌塊、炎症性崩壊産物、食物残渣などから形成されたもので、口腔常在菌にとって格好の栄養培地になっていますから、独特のイヤな臭いがします。開口部が狭窄あるいは閉塞している陰窩では陰窩炎または陰窩膿瘍などの慢性の炎症がおこっていることが多く、環境の変化(疲労、風邪、塵芥吸入、刺激性ガスなどによる化学的刺激、気候の急激な変化など)によって細菌叢が病的なものに変化して急性炎症を反復すると考えられています。(参考:扁桃膿栓症について「喉オタク」:阿川佐和子著 「くさだま」について
扁桃の陰窩に貯留した膿栓
膿栓除去後の陰窩 膿栓、栓子口蓋扁桃の膿栓除去

扁桃の陰窩扁桃の膿栓 側視内視鏡で膿栓を確認(様々な膿栓所見

[参考]慢性扁桃炎の局所所見の特徴
陰窩の拡大・不規則配列・膿栓と膿汁、前後口蓋弓の限局的発赤、腫脹、鬱血
扁桃表面の凹凸不整・白色・網状変化、扁桃被膜が周囲と癒着した埋没型扁桃
扁桃所属の頚部リンパ節の腫脹・圧痛

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