扁桃の外来手術 耳・鼻・のど、いびき、レーザー治療
 いびきの原因になっている口蓋扁桃肥大、咽喉頭異常感症や口臭の原因となっている慢性腺窩性扁桃炎の膿栓、繰り返して起こる習慣性扁桃炎などの治療としての口蓋扁桃摘出手術は術中、術後出血の管理の面から通常は入院の上でおこなわれます。外来での手術治療としては、出血のないことで安全性の高いラジオ波凝固治療が有効性の面からもおすすめできる治療法です。外来治療としては、片側ずつ、1ヶ月以上の間隔を空けておこなっていただくのが手術侵襲の少なさと安全性の面からも良いと考えます。ただし神経質で咽頭反射の強い方、高血圧や糖尿病などの全身疾患や精神疾患などのある方、局所麻酔が出来ない方等には扁桃の外来手術は向きませんから、手術が絶対に必要ということであれば、入院・全身麻酔下に口蓋扁桃摘出手術を考慮することになるでしょう。
 扁桃肥大、ラジオ波治療前いびきの原因になっている両側の口蓋扁桃肥大

扁桃肥大、ラジオ波凝固治療右の口蓋扁桃をラジオ波治療 扁桃肥大、ラジオ波凝固手術

扁桃肥大、ラジオ波凝固治療後ラジオ波凝固治療1ヶ月後、右扁桃は著明縮小、片側だけでもイビキは改善→その後、左側の手術へ

 扁桃切除手術(ラジオ波凝固治療)模式図

扁桃のラジオ波手術術前⇒扁桃のラジオ波手術左扁桃ラジオ波治療⇒扁桃のラジオ波手術後の扁桃炎所見術後
左扁桃ラジオ波凝固治療の3ヶ月後に急性扁桃炎が発症、未治療側の右扁桃のみに炎症が起きている所見

自由が丘耳鼻咽喉科 笠井クリニック
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Coblator(ENTEC)やCelonENTによるラジオ波凝固治療の様々な適応と外来手術の実際について
扁桃肥大の治療。イビキの原因の一つにもなっている肥大した口蓋扁桃を縮小させる。
慢性扁桃炎の治療。口蓋扁桃のボリュームを減らすことで習慣性扁桃炎の治療が出来ます。
腺窩性扁桃炎の治療。口蓋扁桃の腺窩(陰窩)というくぼみに溜まる膿汁と膿栓によって生じる口臭やのどの不快感に対して、口蓋扁桃全体を凝固・縮小させることが出来ます。
イビキ治療の補助として。肥厚した軟口蓋や舌根部の肥大を軽減して咽頭腔を拡大します。
鼻閉の改善のために。アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対して、レーザー治療を繰り返しても鼻閉(鼻づまり)の改善が悪い場合、肥大した下鼻甲介を縮小させることが出来ます。
【ラジオ波凝固による口蓋扁桃切除手術】
 手術前には感染症、炎症性疾患の有無、肝機能などをチェックするために血液検査を受けていただきます。
 治療にはラジオ波凝固治療装置に付属する2種類の電極端子を使います。一つは扁桃組織内に刺入して内部からラジオ波凝固・縮小するものと、もう一つは扁桃表面を凝固・切除するもので、出血は殆どありません。扁桃切除手術は片方ずつを1ヶ月以上の治療間隔をおいて施行します。ラジオ波凝固は効果が3〜6週かかって、じっくり出てくる治療法です。一側を治療後に1ヶ月位の間隔をおいて、治療した側の扁桃の縮小効果を判定してから反対側を治療します。

 扁桃のラジオ波凝固術後の痛みは個人差がありますが、扁桃炎を起こしたときと同じ位です。手術後4〜5日、特に最初の2〜3日間はのどの痛みが強いことがあります。扁桃のほぼ全体を凝固・焼灼しますから、その大きさの口内炎が出来るのと同じですが、口の中によくできる痛みの強いアフタ性口内炎より痛くはありません。術後は感染予防と炎症を抑えるために抗生物質や消炎鎮痛剤を内服し、うがいを励行していただきます。手術当日から軟らかい食事をとっていただけますが、刺激物は避けてください。翌日から日常生活や業務などは通常通りに行っていただけますが、1週間位は無理な行動は控えて出来るだけ安静にしてください。たばこは傷の治りを悪くし、痛みを増す原因になりますから厳禁です。
 手術当日朝は水分摂取はかまいませんが、絶食して来院していただきます。最初にゼリー状の麻酔液でうがいをすることでウエッとなる咽頭反射をなくします。のどの反射が強い方はご自宅でうがいをする要領で、口を上手に開ける練習をしておいて下さい。麻酔のうがいで咽頭の表面麻酔ができたら、次に局所麻酔薬を扁桃の周囲に数ccのわずかな量ですが注射し、15分くらい待って痛みを完全に無くしてラジオ波凝固治療を行います。治療時間は10分位です。
 術後は特に処置することはありませんから通院は不要です。1ヶ月後位を目安に治療効果判定のために再診してください。ラジオ波凝固治療は口蓋扁桃全摘出手術に比べ、入院しなくて出来ること、術中や術後の出血が殆ど無く安全度が高いこと、術後の痛みも短く軽く済むこと、全摘手術のように長く続く喉の違和感が少ないこと等がメリットです。しかし、口蓋扁桃を全部摘出するわけではないので、一回の凝固治療で治療効果が少ないときには繰り返す必要があります。肥大した扁桃の実質や深い腺窩の縮小効果が十分に得られていないような場合には再凝固治療を行います。追加治療によって扁桃の縮小効果はより良好になります。ラジオ波凝固治療した扁桃は炎症が無い限り再増大することはありません。反対側の治療や追加治療に際し、半年以内であれば血液検査は必要ありません。
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